エムバペがポーランド戦後に初めて口を開いた真意。量産するゴールや大会MVPにも興味なし

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2022年12月09日 10:51  webスポルティーバ

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 キリアン・エムバペの勢いが止まらない。

 決勝トーナメント1回戦が終わり、ベスト8が出そろったワールドカップだが、個人タイトルに眼を向けると、フランスのエムバペが得点王争いで頭ひとつ抜け出し、トップに立っている。

 エムバペはここまで全4試合に出場(うち3試合先発出場)し、5ゴールの荒稼ぎ。すでに1試合2ゴールを2試合で記録している。

 しかも、ただ多くのゴールを決めているだけでない。その内容も、巧みなワンタッチゴールあり、豪快なミドルシュートありと、一瞬スタンドが静まり返ったあとに、ワッと沸くようなインパクトの強い一発ばかりだから驚かされる。

 ベスト8進出を決めた決勝トーナメント1回戦のポーランド戦(3−1)でも、目の前のDFが間合いを詰めてこないと見るや否や、その瞬間的なスキを見逃さず、強烈なシュートを、それも2本も、文字どおりゴールに叩き込んでいる。

 決められたポーランドの名手、GKヴォイチェフ・シュチェスニーも、これにはお手上げといった様子だった。




 MFポール・ポグバ、MFエンゴロ・カンテら、主力選手にケガが相次ぎ、大会直前にはセンターフォワードとして期待されていた今年のバロンドール受賞者、カリム・ベンゼマまで失ったフランス。それでも十分ワールドカップを戦える戦力がそろっているとはいえ、さすがに控え選手の層は薄くなり、前回大会に続く連覇は難しくなったかに思われた。

 だが、実際に大会が始まってみると、エムバペは初戦から、桁違いのスピードで相手選手をぶち抜くドリブルと、パワフルかつ正確にゴールを射抜くシュートで得点を量産。チームもまた、メンバーを入れ替えたグループリーグ第3戦のチュニジア戦(0−1)を除き、順調に勝利を重ねて、準々決勝へと駒を進めてきた。

 とはいえ、ピッチ上では絶好調のエムバペも、ひとたびピッチを離れると、突如お騒がせ男に早変わり。グループリーグ初戦のオーストラリア戦(4−1)と、続く第2戦のデンマーク戦(2−1)でいずれもゴールを決め、マンオブザマッチ(その試合のMVP)に選ばれたにもかかわらず、受賞者に義務づけられている記者会見への出席を拒否。その理由についてさまざまな憶測が流れる結果となり、せっかくチームともども順調に試合をこなしているというのに、フランス代表の周囲は少なからず不穏な空気が覆い始めていた。

 ところが、そんなエムバペが突如変心。今大会で初めてメディアの前でコメントしたのは、前述のポーランド戦のあとのことだ。この試合でもマンオブザマッチに選ばれたエムバペは、多くのテレビカメラや記者が待つ部屋に入ると、質問に答える形で口を開いたのである――。

 試合後のスタジアム内にあるカンファレンスルーム。本来は両チーム監督と、マンオブザマッチに選ばれた選手の計3人が記者会見を行なうが、出席していた記者たちにしてみれば、「どうせまた、エムバペは来ないんでしょ?」。ややシラけた空気が漂っていた時だった。

 突如開いた扉から、マンオブザマッチのトロフィーを手にユニフォーム姿のエムバペが入ってくるや、今度は「おいおい、来るのかよ」。たちまち記者たちは色めき立った。

 まずは今日の試合について。

「準々決勝へ進出できたし、いい試合だった。ポーランドはタフな相手だったけれど、うまく試合をコントロールできた。前半は難しかったけれど、最後は勝ててよかった」

 続いて、過去2回記者会見を欠席した理由について。

「大会に集中したかったからだ。記者との間に問題があったわけではない。だから今、この場に来ている。この大会は夢の大会。フィジカル的にも、メンタル的にも準備してきた。ワールドカップを勝つことが、今は最も重要なことだ」

 そして最後に、個人タイトルについて。

 前回2018年大会ではヤングプレーヤー賞を受賞しているが、今回は大会得点王を狙っているのか。そんな質問をされると、エムバペは"食い気味"に「正直、答えはノーだ」と即答し、こう続けている。

「自分の唯一の目標は、優勝すること。だから、まずは次の試合に勝つことだ。ここには勝つために来ているのであって、ゴールデンボール(大会MVP)だろうが、ゴールデンブーツ(大会得点王)だろうが、そんなものを獲るために来ているわけではない。この大会で勝つ(優勝する)ため、フランス代表のために来ている」

 通例どおりに3つの質問だけに答えると、足早に会見場をあとにしたエムバペ。プレー同様、キレのいい電光石火の早業だった。

 今大会では初めて出席した記者会見のなかで、エムバペが何度か繰り返し話していた言葉が、「勝つために来ているので、大会に集中したい」というもの。そのために、ナーバスになりすぎるのはよくないが、現在のゴール量産体制を見る限り、ここまでうまく集中力を高め、調子を上げることができているようだ。

 フランスが次の準々決勝で対戦するのは、イングランド。ベスト8にして早くも優勝候補同士が潰し合う。

 今大会では多くの選手が得点を挙げ、どこからでも点が取れるイングランドに対し、エムバペとFWオリビエ・ジルー(得点ランキング2位タイの3ゴール)のふたりだけで、チーム総得点9のうち8点までを決めているフランス。対照的な得点パターンの両者だが、高い得点力を誇るという点では共通している。激戦必至の大一番だ。

 はたしてフランスは、優勝した前回大会に続くベスト4進出なるのだろうか。

 そのカギを握っているのが、得点ランクトップをひた走る、背番号10であることは間違いない。

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  • 海外メディアは今も日本の清掃などの行動を取り上げて自国と比較する記事が出ている。パリでは騒ぐ人と抗議する人のデモが衝突、車4台が燃やされた。「日本ならこんな事をするか?」と記事にしている。
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