マツダが「MAZDA6」を改良! 市場は縮小、セダンとワゴンをどうする?

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2022年12月09日 11:31  マイナビニュース

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マツダは「MAZDA6」の商品改良を実施する。基本となる走行性能を向上させるほか、初代「アテンザ」(2019年にMAZDA6へと名称変更)登場から20周年を記念する特別仕様車を設定するなど商品力の向上を図る。発売は2022年12月下旬の予定。SUV全盛の今、セダンとステーションワゴンで勝負するMAZDA6を改良する意義とは? マツダに聞いた。


○20周年エディションの内容は?



アテンザが2019年の商品改良で車名を変えてMAZDA6となった。初代アテンザの登場は2002年。これまでの20年間でグローバル累計約390万台が売れている。


現行型MAZDA6のパワートレインは2.2Lのクリーンディーゼルエンジン、2.5Lのガソリンターボエンジン、2.0Lのガソリンエンジンの3種類。今回の商品改良ではディーゼルエンジンの燃料噴射量を増やし、最高出力を従来の190psから200psに引き上げ、中間トルクを向上させた。そのほかの改良点としては、一部のグレードを除き運転支援機能「クルージング&トラフィック・サポート」とスマートフォンのワイヤレス接続&充電を標準装備に。また、全てのグレードでパワーステアリングのアシスト特性を変更し、ステアリングの手ごたえを増やして操る楽しさの向上を図った。



新たに登場するのは特別仕様車「MAZDA6 20th Anniversary Edition」と新機種「Sports Apperance」(スポーツアピアランス)の2モデルだ。



「MAZDA6 20th Anniversary Edition」は初代アテンザ誕生から20周年を記念した1台。「クルマ好き」で「アテンザ/MAZDA6」ファンの人たちに感謝を込めて届けたい商品だという。内容は以下の通りだ。

マツダ独自の塗装技術「匠塗」(TAKUMINURI)による特別塗装色第4弾となる「アーティザンレッドプレミアムメタリック」を専用色として国内初採用

専用エクステリア:フロントフェンダーバッジ(20th Anniversary 専用オーナメント)、フロントグリル(シルバー塗装)、19インチアルミホイール(高輝度塗装・専用装備)

専用インテリア:フロントシートヘッドレスト(20th Anniversary 専用エンボス加工)、インパネ/ドアトリム(レガーヌ)、シート(ナッパレザー/レガーヌ)

インパネ/ドアトリム加飾(マットブラウンヘアライン)

特別装備:電動スライドガラスサンルーフ(チルトアップ機構付)


スポーツアピアランスは、2020年末の導入にして以来好評を博している「Black Tone Edition」(ブラックトーンエディション)の世界観をさらに進化させたモデルだ。よりスポーティーで精悍な1台に仕上げるべく、エクステリアにはBlack Tone Editionで採用したブラックメタリック塗装の19インチアルミホイール、ドアミラーカバー(グロスブラック)に加え、新たに前後シグネチャーウィング、フロントバンパーロアガーニッシュ、ルーフレールをブラックで統一した。

○セダン/ワゴン市場は大幅縮小! どうするMAZDA6



MAZDA6が属する「C/D&Dセグメントのセダン/ワゴン」市場は縮小傾向にある。需要がSUVにシフトしているうえ、競合他車の生産終了が相次いでいるためだ。マツダの調べによると、2017年には年間10万台近くが売れていた市場が、2021年には2.5万台ほどの規模に縮小したという。



ただ、車高が低く走行性能に優れるセダン/ワゴンには根強い人気があるので、ファンに乗り換え先、選択肢を提供したいというのがマツダの思いだ。MAZDA6/アテンザの保有台数は現状で約10万台。MAZDA6購入者のうち62%はセダン保有者で、39%はアテンザかMAZDA6からの乗り換えだというから、SUVブームだからといってMAZDA6をなくしたり、大幅に変えたりしたらファンはがっかりするだろう。



とはいえ、セダン/ワゴン保有車やアテンザ/MAZDA6の既存客だけに売っていくのでは、MAZDA6の販売台数、保有台数が先細りしていくのは避けられない。新規顧客の獲得も重要になりそうだが、そのあたりについてマツダはどう考えているのか。MAZDA6主査の谷本智弘さんの回答はこうだ。



「今回の商品改良では特別仕様車、スポーツアピアランス、従来からある最上級グレード『Lパッケージ』の3つで個性を鮮明に分けました。ブラックトーンエディションの個性を強め、走りの情熱を感じられる大人でおしゃれなスポーツアピアランスは、クルマ好きでいろいろなクルマに乗ってこられたお客様にも選んでいただけるグレードではないかと思います。Lパッケージは余裕の佇まいを感じてもらえるグレードで、例えばSUVに乗っているけど『もう、ここまで大きなクルマは必要ない』とおっしゃるお客様や、低床車型の安定感、スポーティーな装いをお望みのお客様には選んでいただけるのではないかと思います」



改良後のMAZDA6は月間販売目標500台だ。(藤田真吾)
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