「言葉の認識のズレ」から生まれる物語『すべての人類が家にいる』開幕

0

2022年12月09日 17:31  チケットぴあ

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

チケットぴあ

写真
レプロエンタテインメント・浅草九劇が主催、箱庭円舞曲・古川貴義が脚本・演出を務める舞台『すべての人類が家にいる』が12月9日より東京・浅草九劇にて上演される。本作はWキャスト制で上演。開幕に先駆け、7日にAチームの公開稽古が実施された。

舞台となるのはコロナ禍に入る少し前、父、母、姉、弟のある4人家族が、戸建てを購入するかどうか、下見に来るところからはじまる。独特の間合いをもつ不動産屋勤務の女性・ホカベ(Aチーム・谷田奈生)に案内されたその家は、相場よりも良い条件で、母・桂尾奈美恵(同・岩本えり)、高校生の弟(同・堀家一希)は広い部屋に気に入った様子を見せる。対して姉(同・田中なつ)はこれまで住んでいたマンションへの思い入れが強く、父・桂尾壮真(同・竹井亮介)は、家族に実母との同居を考えていることをきちんと伝えられていない。家族4人、思いがそろわないままに新居を購入。しかし入居後、コロナ禍1年目、緊急事態宣言が出るかどうかという状態から、一見普通の家族にみえた4人の関係がそれぞれ変わっていく。
登場人物は5人ながら、家族4人はほぼ全員出ずっぱりで、つねに誰かが喋っている、まさに会話劇。コロナ禍で誰もが感じたことがあるちょっとした感情、またコロナ禍でなくとも不変にある家族、人との関わりを描いている。

父・壮真は、一家の大黒柱というよりも、会社でも家でもどこか飄々としながら、子どもたちへの愛が見える、どこか憎めないおじさんを竹井が好演。対して、岩本が演じた母・奈美恵は、おっとりしたキャラクターに見えながらも、コロナ禍や家族によって自身に出た変化で、家族を動かしていく役どころ。会話劇の中で特にエネルギッシュな演技で物語を牽引した。出版社に勤め、社会の荒波に揉まれながらもクールな態度を崩さない姉・桂尾瞠を演じた田中。家族の中でも一人トーンの違う淡々としたキャラクターのちょっとひねくれたセリフを、会話劇のなかでもテンポ感良く演じた。映像等でも活躍が続く堀家が演じたのは高校生の弟・桂尾天瑛。オンライン授業、動画配信、オンラインゲームと、今っぽい話題に振り回される様子を、確かな演技力で表現した。不動産屋をはじめとし様々な姿で一家の前に現れるホカベを演じた谷田。後半、舞台上に声だけで登場する場面は、絶妙な間合いとともに彼女ならではの面白さが際立つのでぜひ注目してほしい。

この数年を思い出し、自身と、また周囲の人との関係性を考える一作。一年の締めくくりにもぴったりな公演だ。Bチームの出演は森啓一朗、蓮見のりこ、平井珠生、掛裕登、東條広暉。上演は12月9日より18日まで、東京・浅草九劇にて。チケットは発売中。
    ニュース設定