「新発想のふせん」に文具ファンも熱視線! 紙でもフィルムでもない、“布”を感じるふせん開発秘話

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2022年12月09日 20:21  All About

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カンミ堂が提案する全く新しいふせんが、「NUUN(ヌーン)」です。誕生した経緯とアイデアを、カンミ堂の開発担当、屋良成美さんに伺いました。
本や手帳の表紙に貼り付けて使うことができるフィルムふせん「ココフセン」や、ペンケースに入れて持ち歩けるロールふせん「リトロ」など、ふせんを応用した製品でおなじみのカンミ堂が、新たに着目したのは、ふせんの「質感」でした。

紙やフィルム以外の素材を使ったふせんの可能性

カンミ堂「NUUN(ヌーン)」は縦型のマークと横型のタブの2種類。3色が3枚ずつ入っていて、それぞれ440円(税込)。写真左は「ヌーン タブ PK」、右は「ヌーン マーク RD」。2022年12月2日(金)発売。

2022年12月2日(金)にカンミ堂が新たに発売する「NUUN(ヌーン)」は、布クロス製のふせんです。布クロスは、織物の布地に染色した紙で裏打ちした素材。ハードカバーの本や手帳の表紙で布貼りのものがありますが、それが布クロスです。
布クロスで装丁された本に、NUUN(ヌーン)を貼ってみました。素材感がそろうので、本の美しさを損なわずにマーキングできます。

「カンミ堂では、これまでも、貼り付けたりクリップで挟んだりして持ち歩ける『ココフセン』シリーズとか、ロール状にして持ち歩きやすくした『ペントネ』とか、フィルムふせんを軸に、製品を考えていました。

その中で、ふせんの可能性を広げていくなら、“素材”に目を向けてもいいよね、と考えたんです」と、カンミ堂で今回の製品の開発を担当した屋良成美さん。

屋良さんは、以前から布クロスで何かできないかと考えていたそうで、これなら、ふせんの魅力を生かせる、紙でもフィルムでもない新しい素材になるのではないかと思ったと言います。

「布クロス製で、マーキングに特化していると、それは、使い方としては、しおりやインデックスのシールと変わらないという意見もあるとは思います。

これは、ふせんの定義はどこにあるんだ?という話になると思うのですが、私たちは、『貼ってはがせる』という部分さえ押さえておけば、ふせんなのだと考えています。『NUUN(ヌーン)』も、布クロス製ですが、貼ってはがせるから、新しい使い方が生まれると考えました」と屋良さん。

素材が変わることで見えてくる新しい使い方

筆者の使用例。革表紙の手帳と合わせると、あつらえたようにマッチするので気に入っています。

実際、革表紙の手帳に、インデックス的に貼ると、とても良い感じになりました。ふせんが手帳の端から飛び出しているのは、あまりカッコいいものではありませんが、「NUUN(ヌーン)」なら、柔らかくてマットな布の質感のおかげで、適度な存在感になるのです。

また、元々、本の表紙に使われている素材なので、本や手帳に合うということもあると思いました。

クリアファイルに貼って、インデックス・タブとしても使える

複数のクリアファイルを整理する際のタブとして使うのにも便利。粘着力が強いので、引っ張ってもなかなかはがれないんです。

「手帳や本も合うのですが、クリアファイルに貼って、インデックス・タブとして使うのも便利なんです。紙やフィルムのふせんより厚みがあるので、指で挟んで引っ張り出す時のタブとして使えます。

背側に貼って、ファイルボックスなどに入れた時の、見た感じも良いので、私も愛用してるんです」と屋良さん。

なんとなく、しおり的な使い方しか想定していなかったので、筆者はクリアファイルに貼ることを思いつかなかったのですが、実際にやってみると確かに良さそうです。クリアファイルに布が貼られているというマッチングも意外に良い感じです。

こだわった色選び

淡いパステルカラーをそろえた「ヌーン マーク YE」。同じ色のタブタイプもある。

「素材が布なので、従来のふせんとは貼った時の見え方がかなり変わります。なので、色選びは時間をかけました。

今売れている手帳のラインナップを調べて、トラベラーズノートならこういう色が合うかな? MARK'Sさんのパステルカラーの手帳ならどんな色がいいだろうとか、スタッフで相談しながら、色を決めていったんです」と屋良さん。
こちらはシックな色合いでまとめた「ヌーン タブ BE」。もちろん、同色のマークタイプもある。

カラーバリエーションは、淡いパステルカラーをそろえた「YE」、ヴィヴィッドで明るい赤系の色を濃いものから薄いものへと並べた「PK」、落ち着いたトーンの赤と緑をそろえた「RD」、シックで大人っぽい「BE」の4パターン、全12色。

インデックスとしての使用を考えて、単色ではなく、3色のセットにしたのだそうです。

色によって触り心地や質感を変えたワケ

上が、PKタイプの布目、下はBEタイプの布目。布目が違うと質感も触り心地も違うので面白い。

「布クロスにもいろいろあって、今回も色によっては違う布目のものを使っていることもあります。

具体的には、明るいピンクやオレンジをそろえた「PK」では、厚みがあって、ザックリした布目のものを使いました。

他は、編目の細かい滑らかなタイプの布クロスを使いました。せっかく布を使うので、触り心地や質感も感じてもらえるようにと考えたんです。そこで、思いっきりザックリした編目の、紙でもフィルムでもないことが分かりやすいタイプもラインナップに加えたかったんです」と屋良さん。

紙やフィルムとは違う粘着剤を採用したわけ

何度も繰り返して使えるように、ウレタン系の粘着剤を使うなど、細部までユーザーに配慮した作りになっている。

良くできていると思ったのは、その粘着力の強さと、それでもキレイに何度でも貼ってはがせること。布クロス製だからこそ、紙やフィルムと違って、ふせん部分を引っ張る機会が増えるし、また、使い捨てにしにくい分、何度も繰り返し使う頻度は高くなる。

しかも、不透明素材なので、粘着面はなるべく小さくしないと、書類や本の内容を隠すことになる。その分、より強い粘着力が要求されるのです。

実際、最初に台紙からはがす時は、かなり強力にくっついているため、はがすのに力がいります。こんなに強く引っ張って大丈夫かな?という気分になりますが、そこは布クロス製だから、ふせんがちぎれる心配はありません。

そして、この粘着力が、実際の使用時の使い勝手の良さにつながっていくのです。

「今回は、普段、ウチのふせんに使っているアクリル系ではなく、ウレタン系の粘着剤を使っています。ウレタン系の方が、粘着力が強い上に、貼ったりはがしたりを繰り返しても粘着力が落ちにくいんです。やはり、一枚を長く使ってほしいという製品なので、そこを重視しました。

また、パッケージからはがすのにちょっと力がいるのも、ふせん自体の粘着力が強いからです。強粘着ふせんなので、はがす時は優しくはがしてください。また、大事な本や、借り物の本(図書館の本など)への使用は避けていただけたらと思います。

ただ、製品の性質上、クリアファイルに貼って、ふせん部分をつまんで持ち上げてもはがれないくらいの強度は必要だと考えて、強粘着にしました」と屋良さん。

単に素材を変えたというだけでなく、作り方や使い方も、従来のふせんとは違っていました。

また、今回使用しているウレタン粘着剤は、のり染みが残りやすい性質があるので、貼る相手の紙質や、時間経過によっては、のり染みが目立つ場合があるとのことでした。そのあたりの注意事項や使い方のコツは、NUUNの公式サイトで確認してください。

まっすぐに貼りやすい構造が美しい

粘着面より粘着剤が付いていない部分の方が少し厚くなっているので、この段差に合わせて貼るとまっすぐに貼りやすい。

サイズは、通常のココフセンなどと同じ、縦長のサイズと、インデックスやタブとしての利用を考えた横長のサイズの2種類があります。この小さな横長のサイズもふせんとしては珍しい形。

そして、この「NUUN(ヌーン)」では、粘着面よりも粘着剤が付いていない部分が少し厚くなっています。なので、貼りたいページやファイルの端を、この粘着剤の境界に合わせることで、ふせんをまっすぐに貼ることができるようになっているのです。

「実は、そこは、あまり考えていなかったんです。だから、サイトの使い方の部分にも、『ふせんのフチと、紙面を合わせることで見た目がきれいに揃い、はがれにくくなります』とわざわざ書かせてもらっています。

ところが、使ってもらった方からも、厚みが違っているからまっすぐ貼りやすいというご感想をいただいて。われわれは、開発中ずっと触っているから、細かいところが分からなくなってることもあります。だから、初めて触った方の印象というのは、とてもありがたいです」と屋良さん。

「NUUN(ヌーン)」は、シンプルで分かりやすい製品なのだけど、実は、今までに無かった、全く新しいタイプのふせんです。そのため、使う人のアイデア次第で、従来のふせんとは違う使い方がいくらでも出てきそうです。

筆者は、メモ帳のまだ書いていないページに貼って、素早く書けるようにしていますが、便利なだけでなく、ページの端から出ている見た目が良いので、気に入っています。

納富 廉邦プロフィール

文房具やガジェット、革小物など小物系を中心に、さまざまな取材・執筆をこなす。『日経トレンディ』『夕刊フジ』『ITmedia NEWS』などで連載中。グッズの使いこなしや新しい視点でのモノの遊び方、選び方を伝える。All About 男のこだわりグッズガイド。
(文:納富 廉邦(ライター))

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