OCHA NORMA、2ndシングルがチャート好調 現代的“ハロプロらしさ”と王道サウンド踏襲したパワフルな一枚

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2022年12月10日 10:01  リアルサウンド

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OCHA NORMA『運命 CHACHACHACHA〜N / ウチらの地元は地球じゃん!』(通常盤A)

参照:https://www.oricon.co.jp/rank/js/w/2022-12-12/


 12月12日付のオリコン週間シングルランキングによると、King & Prince『ツキヨミ / 彩り』が101,603枚で1位を記録。その後はOCHA NORMA『運命 CHACHACHACHA〜N / ウチらの地元は地球じゃん!』が74,719枚で2位、GENERATIONS from EXILE TRIBE『PARTY7 〜GENEjaNIGHT〜』が45,122枚で3位と続き、King & Princeが3週ぶりに1位に返り咲いた週となった。


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 このなかで今回注目したいのは、2位につけたOCHA NORMA。ハロー!プロジェクトに所属し、今年7月にメジャーデビューしたばかり。今作は前作に続き両A面の2ndシングルとなる。


 まず「運命 CHACHACHACHA〜N」は、ベートーベンの「運命」をモチーフとしたフレーズを多用するなど、クラシック〜オペラ、ジャズやロックンロール、そしてヒップホップといった多くの音楽ジャンルが混在するごちゃ混ぜポップ。途中でミュージカル的な展開も見せることもあれば、コール&レスポンスも用意されているなど、いわゆるAメロ・Bメロ・サビといった歌謡曲的展開から大きく逸脱していく。とにかく勢いとパワーで支離滅裂的にラストまで駆け抜けていく様子は圧巻だ。作詞・作曲・編曲はいずれもYUZURU KUSUGOと柴山慧による共作。トランペットに吉澤達彦、サックスに竹上良成などがクレジットに並ぶなか、“ガヤとクラップ”にOCHA NORMAが名前を連ねている点も面白い。


 また「ウチらの地元は地球じゃん!」は、1990年代的ギラギラ系のシンセサウンドが舞い続けるEDM系の一曲。再開発中の新宿や渋谷を舞台に、大仰なドラムロール、せっかちなBPM、発作のように急上昇するメロディなど、とにかく世の中どこへ行っても心にゆとりのないといった感覚が音楽的にも表現されている。後半で〈ウチらの地元は地球じゃん!〉というワンフレーズを呪文のように唱え続けた後、怒涛の終盤までスピード感満載で進んでいく。作詞・作曲は星部ショウ、編曲は大久保薫が担当。〈大空から見れば〉や〈宇宙から見れば〉といったサビの最後の落とし方に“星部節”を感じる。


 一方で通常盤Aに収録された「Go Your Way」は、1990年代後半〜2000年代初期あたりのポップスを彷彿とさせる近未来的な情景が浮かぶ電子サウンドを軸としたダンスナンバー。内省的な歌詞と連動した感傷的なピアノのタッチと、聴き手の背中を押すような勇敢な印象を与える力強いビートの融合が気持ちいい。本曲は作詞を岩里祐穂、作編曲を渡辺泰司が担当している。


 そして通常盤Bに収録されている「素肌は熱帯夜」は、ディスコ系の一曲。小気味よいカッティングギター、思わず腰が動いてしまうズンベベベース、要所で鳴るブラスセクションなど、「これぞハロプロ」といった伝統を感じる音作り。ラテンな雰囲気を演奏に取り入れたことによって情熱的な印象もあり、熱帯夜という温度感が音的にも伝わってくる。作詞は児玉雨子、作曲は早川響介、編曲は鈴木俊介。


 表題曲には現代ハロプログループらしいワチャワチャとした路線の曲を配置し、カップリング曲にはハロプロ王道のサウンドを忍ばせる構成を見せた今作。デビュー年の勢いと、先人から受け継いだもの、その両方の要素が収められたシングルだと言える。(荻原梓)


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