「鬼ごっこ×野球」で野球場を遊び場に!早稲田大学野球部OB会がイベント

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2022年12月13日 17:24  ベースボールキング

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12月11日、早稲田大学野球部安部球場(東京都西東京市)で、同大学野球部OB会が主催する小学生向けのイベント『鬼ごっこ×野球〜WASEDAであそぼう〜』が開催された。3年ぶり6回目(2020、2021年はコロナ禍により開催せず)の開催となった今回のイベントには、小学生1-3年生の男女を中心に約120人が集まった。



【まずは外で思い切り遊ぼう!】
早稲田大学野球部OB会は、この日のようなイベントをこれまで5回実施してきたが、どちらかといえば、子どもたちに「野球を体験してもらう」という野球の普及活動の色合いが強いものだった。しかし、今回は野球色を薄め、子どもたちに外で思い切り遊んでもらうことによりフォーカスしたイベントとなった。それは、公園で野球やサッカーが禁止されていたり、塾やゲームなどにより、野球を始める以前に、子どもたちの外で遊ぶ機会が減っているからだ。

「都市部に暮らす小学生の8割が、平日は全く外遊びをしない」
「子どもにとって外遊びは日常的に気軽に行われる行為ではなくなっている」
という千葉大学・木下勇教授の調査結果もあれば、別のある調査によれば子どもの1日の外遊びの時間は35年間で30%以上も減少しているというデータもあるという。
そういった社会課題に向き合うために、今回のイベントは企画された。



では、なぜ「鬼ごっこ」だったのだろうか?
それは、鬼ごっこはいつでも、どこでも、誰とでもできる遊びであり、4歳〜11歳の子どもたちの過去 1 年間に「よく行った運動・スポーツ種目」で1位でもあったから(「公益財団法人 笹川スポーツ財団」調べ)。
「今も昔も子どもたちの最高の遊びである鬼ごっこに、野球の要素を含めると鬼ごっこと野球のブリッジになる新しい鬼ごっこができるのではないか?」(早稲田大学野球部OB会・大渕隆氏)、そんな思いから「一般社団法人鬼ごっこ協会」と共に「ダイヤモンドをまわる」「ボールを投げる」などの野球の要素を含んだ新しい鬼ごっこ「ダイヤ鬼」を共同開発までして、この日のイベントを迎えた。


【「野球」の要素を含んだ、新しい鬼ごっこ】
イベントは、子どもたちが2つのグラウンドにそれぞれ4グループずつに分かれて行われた。
安部球場の4グループは、「じゃんけん鬼」、「ボール当て鬼」など、この日のために開発されたものを含めた、趣向を凝らした6つの鬼ごっこを楽しんだ。
なかでも「投げダイヤ鬼」は、数名の鬼が投げるボールを避けながら決められたゾーンを通過して次の塁を目指し、ホームに帰って来るというルール。鬼ごっこのなかにさりげなく「ベースをまわる」「ボールを投げる」という要素が多く含まれており、子どもたちは無意識のうちに野球に通ずる動きを経験できていた。





軟式野球場の4グループは「ならびっこベースボール」。ティースタンドに置かれた柔らかいボールを思いっきりかっ飛ばす。ならびっこベースボールは、守る側はボールをキャッチした子どもの周囲に全員が集まってしゃがみ「アウトー!」と全員でコールする。このコールが行われるまでに、打者走者はホームベースから一塁ベースに見立てたマーカーまでを往復する。1往復すれば1点、守備側のコールのほうが早ければアウトとなる。野球ほどルールが複雑ではないため、小さな子どもでも参加ができる野球遊びだ。





このイベントを主催した前述の大渕氏は「今の時代、子どもたちに『野球をやってみよう』というのは年々ハードルが高くなってきていると感じています。ですから今回のイベントはあえて『鬼ごっこ』を前に持ってきて『鬼ごっこ×野球』としました。何人かの保護者の方が『鬼ごっこをしにきました』と仰っていましたが、それでいいんです。まずは外で思い切り遊ぶこと、体を動かすことの楽しさを子どもたちに体験してもらいたいですから」
と今回のイベントの意義について話す。



この日のイベントでは、早稲田大学野球部の4年生たちも子どもたちとの触れ合いを楽しんだが、西武ライオンズにドラフト1位指名された蛭間拓哉選手はイベントを振り返り、「野球をやらせるというよりは遊びの延長で、というのが大切だと思う。今日のように鬼ごっこの延長で野球を、という感じに繋がればいい。いまは公園で野球とかもできないので、今日のようなことを自分たちの世代が受け継いでいきたい」と話し、子どもたちへの野球の普及についても言及した。(取材・文・写真:永松欣也)

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