手に刺さった木の破片が原因で脳卒中を起こした男性、試練を乗り越えて大工の仕事に復帰(英)

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2022年12月16日 21:01  Techinsight Japan

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脳卒中を起こした男性(右)と一緒にカウンセリングを受けた母親(画像は『The Daily Star 2022年12月10日付「Man
大工として働くイギリス在住のある男性は2020年8月、仕事中に木の破片が手に刺さってしまった。その傷が原因で感染症を患った男性は脳卒中を発症し、怪我からわずか2日後には昏睡状態に陥ったという。幸いにも一命を取り留めたが、視力を一部失い、腕や脚にも障害が残った男性は「カウンセリングによって少しずつ現実を受け入れることができた」と話している。『BBC』『The Daily Star』などが伝えた。

英コーンウォールのセント・オーステルに住む大工のデイヴ・パーキンさん(Dave Parkyn、30)は2020年8月、仕事中に木の破片が手に刺さってしまった。その時の傷が原因となって感染症を患い脳卒中を引き起こした結果、彼の身体には障害が残ったという。

デイヴさんの母親であるジャッキーさん(Jackie、65)は当時のことをこう振り返っている。

「その日、デイヴは仕事から帰ってくるとひどい頭痛に苦しんでいました。夕方頃にはさらに痛みが激しくなったようで、NHS(国民保健サービス)の111番(緊急ではない医療に関する無料の電話相談)に電話をかけて相談したのです。その後、かかりつけ医の診察を受けたところ、背中の肉離れにより頭痛が起きている可能性があると診断されました。それでも痛みが続くようであれば2、3日後にもう一度受診するように言われて、その日は家に帰されたのです。」

その後も症状は悪化する一方だったデイヴさんは翌日、病院に運ばれたという。そして詳しい検査を行った結果、化膿した手の傷から細菌性髄膜炎を発症しており、それが全身をめぐって脳卒中を引き起こしていたことが明らかになった。

また肺炎と敗血症を併発していることも判明し、怪我からわずか2日で昏睡状態に陥ったという。

デイヴさんの家族は当時、医師から「改善の兆しが見られなければ、生命維持装置を外すことも考えておいてください」と告げられたそうだ。

幸いにも一命を取り留めたが、右目は失明し左目の視力を一部失い、腕や脚にも障害が残ったデイヴさんは、この試練により収入や自信、プライドや野心さえも失ってしまった。

しかしのちに親子で「脳卒中協会(Stroke Association)」のカウンセリングを受けたことにより、少しずつ現実を受け入れることができたという。

ジャッキーさんは「デイヴの怪我のことで、私はずっと罪悪感を抱いていました。それは親として当然のことなのでしょうが、脳卒中協会のカウンセリングは私たち親子に起こったことを良い方向に捉えるよう手助けをしてくれました。私は罪悪感を克服することはできないかもしれませんが、それを受け入れて前に進む必要があることに気づきました」と語った。

一方のデイヴさんは、カウンセラーと話すことで安心できたとしてこのように述べている。

「カウンセリングを受けたことで怒りや不満をどのように吐き出せばいいのか、それを考える助けになりました。私はこの出来事の後、たくさんの友人を失いました。なので友情についても話しました。セッションが終わって外に出てみると、肩の荷が下りたような気がしたのです。誰かに話して自分の感情を共有でき、しかも批判されていると感じずにいられたのはとても良い経験でした。」

そんなデイヴさんは最近、大工として仕事に復帰したという。以前と同じように仕事をこなすことはできないものの、自分の身に起きたことを受け入れ始めたデイヴさんは人生とキャリアを再び築こうとしている。そして他の脳卒中患者にも心のケアを受けるように呼びかけていた。

画像は『The Daily Star 2022年12月10日付「Man, 28, almost died as he suffered stroke after getting splinter in his hand」(Image: Stroke Association/ SWNS)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 上川華子)

このニュースに関するつぶやき

  • 怒りや不満をどのように吐き出せばいいのか、カウンセリングを受けてもう一度自分を取り戻す手助けに。確かにそういう必要もあるよね。
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