チャールズ国王、即位後初のクリスマス演説 女王が眠る礼拝堂から国民に語りかける

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2022年12月27日 09:41  Techinsight Japan

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最愛の母・エリザベス女王を偲んだチャールズ国王(画像は『The Royal Family 2022年12月25日付Instagram「Christmas is a particularly poignant time for all of us who have lost loved ones.」』のスクリーンショット)
チャールズ国王(74)が君主に即位後、初めてとなるクリスマスのテレビ演説を行った。国王は今年9月に崩御した母・エリザベス女王が永眠するセントジョージ礼拝堂に立ち、母を偲ぶメッセージを語った。さらに今回の演説では、物価上昇による生活危機に直面する人々への配慮やエッセンシャルワーカーへの感謝なども述べた。

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英時間25日午後3時、英国のテレビでチャールズ国王によるクリスマス演説が放送された。英国の君主によるクリスマスメッセージは、1932年に国王ジョージ5世が始めた伝統だ。その後エドワード8世からジョージ6世へと引き継がれ、1952年にはエリザベス女王が初めての演説を行った。

今年9月に女王が崩御したため、今回のクリスマスは君主に即位後初となるチャールズ国王のクリスマス演説が放送されたのである。

国王が演説の場所に選んだのは、ウィンザー城の敷地内にあるセントジョージ礼拝堂だ。エリザベス女王の棺は国葬後にウィンザー城へ運ばれ、同礼拝堂で家族と最後の別れをした後、両親や夫エディンバラ公フィリップ王配が永眠する地下室に埋葬された。

クリスマス演説の冒頭では、礼拝堂に設置したクリスマスツリーの前に立つ国王が「私は今、ウィンザー城にある素晴らしいセントジョージ礼拝堂に立っています。私の最愛の母である亡き女王が、私の愛する父とともに眠っている場所のすぐ近くです」と述べ、母を偲んだ。

そして女王の弔問に訪れた人々が供えた温かなカードやメッセージに対する謝意を伝え、「クリスマスは愛する人を亡くしたすべての人にとって特に切実な時期です」と言い、「私達はこの季節の変わり目になると、彼らの不在を感じ、それぞれの大切な伝統の中で彼らを思い出します」と加えた。

その後、クリスマスの讃美歌『ああベツレヘムよ(O Little Town of Bethlehem)』の歌詞の一部「汝の暗い道を照らす、永遠の光」に言及し、このように語りかけた。

「この歌は、多くの人々に親しまれています。この光の力を信じる母の信念は、神への信仰と同時に人々への信仰でもあり、私が心から共有するものです。」

さらに国王は、救急隊員や教師、医療・福祉スタッフなどのエッセンシャルワーカーに対して「私達全員の安全を守るために、たゆまぬ努力を続けてくれた」と感謝の言葉を述べた。

そして世界中の人々が、紛争や飢餓や自然災害、物価高騰による生活危機に直面していることなどに触れ、「我が国や連邦国の人々が、他の人々の苦境に容易に対応できる人間性を持っていることを目の当たりにしています」と語った。

すると映像が切り替わり、フードバンクやホームレスの人々を支援するボランティアの様子などが映し出された。バッキンガム宮殿が発表したところによると、故女王の死後に寄付された資金は、光熱費の支払いが困難な人々を支援する慈善団体に提供されたという。

また今回の演説では、国王が宗教施設への敬意を表し、このような言葉も述べている。

「我々の教会(キリスト教)、シナゴーグ(ユダヤ教)、モスク(イスラム教)、寺院(仏教)、グルドゥワラ(シーク教)は、飢えた人々に食事を提供するために再び団結し、年間を通じて愛とサポートを提供しました。このような心からの連帯は、隣人を自分のことのように愛するという最も感動的な表現です。」

そして「先日、ウェールズ公夫妻がウェールズを訪問し、このコミュニティ・スピリットの実践例に光を当てました」とウィリアム皇太子夫妻への感謝を加えた。

チャールズ国王によるクリスマス演説は女王へのトリビュートのほか、公共サービスの重要性や困難に苦しむ人々への配慮、他の宗教に対しての寛容な姿勢など国王の信念を表すものとなった。



画像は『The Royal Family 2022年12月25日付Instagram「Christmas is a particularly poignant time for all of us who have lost loved ones.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)

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