“キング”の背中を追う昌平MF荒井悠汰 FC東京での学びを生かし、母校を初Vへ導く

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2022年12月27日 18:01  サッカーキング

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FC東京への加入が内定している荒井悠汰
 昨年の“キング”に続くーー。インターハイで3位に入り、優勝候補に名乗りを上げた昌平(埼玉)で10番を背負うMF荒井悠汰(3年/FC東京内定)は、最上級生としての自覚をこう話す。

「自分は1年生の頃、先輩たちからいろいろな経験をさせてもらったので、次は自分たちが後輩たちにいろいろな経験をさせて、選手一人ひとりが成長できるように引っ張っていきたいなと思います」

 そして「(FC東京の先輩MF)松木玖生くんも結果を残して全国優勝してからプロの世界に行っているので、自分も同じように結果を残してからプロの世界に行きたいと思っています」と力を込めた。

 系列組織のFC LAVIDA時代から注目されていた荒井は、昌平進学当初からレギュラーを務めている。現在、7年連続でJリーガーを輩出しているタレント軍団・昌平で、不調も経験しながら成長を遂げてきた。1年時から体つきとフィジカル、テクニックは目を見張るものがあり、同年度の選手権で8強入りに貢献。直後の日本高校選抜では大学生をふっ飛ばして見せるなど、圧倒的なパワーを生かした縦への突破は、当時から対戦相手の脅威となっていた。

 さらに、相手の逆を取るうまさもあるレフティは、連続の切り返しで相手DFを攻略。2年時はコンディション不良で苦しんだが、今年2月にFC東京への内定が発表され、キャンプ、トレーニングとプロの選手たちと同じ時間を共有することで進化を加速させている。
 
 FC東京では、日本代表DF長友佑都から可動域を増やすことなどのアドバイスをもらい、また1タッチ、2タッチの質や動き出しの質の向上に取り組んだ。JリーグYBCルヴァンカップに出場してプロの公式戦も経験した。特に刺激を受けたのが、Uー21日本代表MF松木玖生だった。

 松木は昨年度まで青森山田(青森)でプレーした。1年時から3年連続で選手権決勝を経験し、前回大会では日本一に輝いている。以前、荒井は“高校サッカー界のキング”と評された松木について、「松木くんは高校ナンバーワンの選手」「学ばないといけない」と語っていた。加えて、「やっぱり松木くんはたくさんゴールを決めているので、存在感がすごいのかなと思います」。松木に近づくために磨いたきたのが得点力だ。松木はボランチのポジションながら高校3年時のインターハイで5得点をマークし、得点王に輝いている。選手権でも得点ランキン2位タイの4得点を挙げた。

 荒井はFC東京の活動で意識した「能動的に動き続けること」を昌平でも実践している。その成果が出て、ゴール前へ飛び出す動きなどから得点を増やし、プリンスリーグ関東1部では2ケタまで得点数を伸ばしている。「今年は自分がチームを勝たせないといけない」。選手権でもゴールを連発して昌平を初Vへ導き、「結果を残してからプロの世界に行く」という目標を果たせるだろうか。
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