「ワクワクしています」 中日・小笠原が初の米国自主トレへ

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2022年12月28日 07:16  ベースボールキング

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ベースボールキング

中日・小笠原慎之介 (C) Kyodo News
◆ 「ディズニーランドに行く前の子どものような」

 メジャーのスタジアムに特徴的な、左右両翼の距離が違うローンデポ・パーク。中日・小笠原慎之介は年明けにマイアミへ飛ぶ。

 海外自主トレで楽しみにしていることのひとつが、スタジアム周辺の空気を目いっぱい吸い込むことという。

 「行ってみたら、どんな感じなんですかね。球場の周りを歩いてみるだけでも、いろいろ感じることってあると思うんです。もちろんトレーニングはメインですが、周囲を歩いている人の雰囲気、周りの飲食店、全て含めてワクワクしています。ディズニーランドに行く前の子どものような気持ちです」


 3年ぶり2度目の海外トレーニングとなる。最初はドミニカ共和国を訪れた2019年12月。その時は元竜戦士の縁をたどった。

 当時は成績が出ず、野球との距離感を測りかねていた時期。

 「小さなころって、みんな野球を楽しんでいたし、自分もそうだった。そういう気持ちを思い出せました」

 現地の料理を口にし、さまざまな人種のプレーヤーとコミュニケーションを図った。知っている英語、スペイン語の単語とボディーランゲージを駆使した。


 大きなお土産も持ち帰った。マリナーズに所属した2014年に最多セーブに輝いたナショナルズのロドニーから授かった言葉は胸に刻んである。

 「抑えた理由が分からない時もある。毎日が勉強だよ」。一流の探求心に触れた気がした。

 その後、2021年から2年連続規定投球回に達し、今季は10勝8敗で初めての2ケタ勝利。9・10月度の月間MVPもゲット。5試合の登板でリーグトップの4勝をマークし、駆け込みで10勝に乗せた。


◆ 「学んだことを生かせるように」

 年明けすぐに離日する計画は、知人からもたらされた。

 毎年、沖縄・北谷で行うエース・大野雄大らとの自主トレには参加予定。海外トレの経験を持つ大野雄にも相談したうえで、「行きたい気持ちがあるのなら、行った方がいいよ」と背中を押された。

 日程は約1週間。帰国後、沖縄でエースとともに2月・沖縄キャンプの準備を進める。

 「施設には、たくさんのメジャーリーガーがトレーニングしていると聞いています。どんな選手がどんなトレーニングをしているのか、見るだけで勉強になりますし、刺激をたくさん受けます。学んだことを生かせるようにしたいです」


 沖縄での自主トレメンバーは、大野雄のほかに田島慎二と橋本侑樹がいる。新たに福島章太と垣越建伸という一軍未経験者も加わった。

 エースからはメニューづくりを託されていて、「人それぞれに合った内容にしようと思います。僕は僕で、後輩の福島と垣越に背中を見せられるように頑張ります」。

 ルーキーイヤーからの勝ち星は2→5→5→3→1→8→10。肘痛や肩痛と向き合い、シーズン中も工夫しながら「自分の体を実験してきました」と言う。


 2022年シーズンの前、小笠原の言った言葉が印象に残っている。

 「2023年シーズンに爆発的な数字を残せるようにやってきたつもりです。ひとつのトレーニングをしても、いきなり成績が出るものではないんです」

 そのシーズンがやってくる。まず目指すのは3.31の開幕、敵地・巨人戦のマウンドだ。

 2年目の立浪竜で、開幕カードは立浪監督の就任イヤーと同じ。宿敵をぎゃふんと言わせるマウンドで仁王立ちし、ドラゴンズがセ・リーグをわかせる存在だと見せつけたい。その準備のひとつに、マイアミがある。


文=川本光憲(中日スポーツ・ドラゴンズ担当)

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