バルサ地元紙がエンバペ獲得報道も…12月28日はスペイン版エイプリルフール

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2022年12月28日 23:58  サッカーキング

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サッカーキング

PSGとの契約を25年夏まで残すエンバペ [写真]=Icon Sport via Getty Images
 カタルーニャに拠点を置くスペイン紙『ムンド・デポルティーボ』は28日、バルセロナがパリ・サンジェルマン(PSG)に所属するフランス代表FWキリアン・エンバペの獲得に動くと報道。しかし、これは真っ赤な嘘だった。同日に同紙が種を明かした。

 エンバペはFIFAワールドカップカタール2022決勝でハットトリックを達成しながらも、アルゼンチン代表に敗れて連覇を逃した。PSGのチームメイトであるアルゼンチン代表FWリオネル・メッシとの確執がにわかに噂されるなか、PSGとメッシは1年の契約延長で原則合意。これに腹を立てたエンバペはPSG退団を企てているが、幾度となく加入が噂されたレアル・マドリードとの関係は冷え切っており、バルセロナが移籍先に急浮上した。バルセロナは財政的な問題を抱えながらも、あらゆる手段を講じて来夏の獲得に乗り出すだろう…というのが記事の大まかなストーリーだった。

 記事では、バルセロナのジョアン・ラポルタ会長がレアル・マドリードのフロレンティーノ・ペレス会長とマヨルカ島のレストランで会談を行い、エンバペ獲得の仁義を切ったとの記述も。しかしながら、そのレストランの名前は「煙」を意味する「エス・フム」(※マヨルカ島に実在)。さらに交換条件として、ペレス会長の子会社にカンプ・ノウの再開発計画を委ねるという眉唾物の情報も書かれており、ところどころに“ヒント”は散りばめられていた。

 ラ・リーガ通にはもはやお馴染みかもしれないが、12月28日はスペイン語圏のエイプリルフールにあたる「エル・ディア・デ・ロス・サントス・イノセンテス(罪のない者の日)」だ。毎年、各クラブやメディアが大小さまざまなネタを仕込んでSNSを賑わせるのが毎年恒例の光景となっている。『ムンド・デポルティーボ』の今回の記事も、「財政難にも関わらず大型補強を続けるバルセロナなら、エンバペ獲得もやりかねない…」と思ってしまうファンの心理を突いた際どい仕掛けだったと言えるだろう。

 記事は多くの反響を呼び、ドイツの大衆紙『ビルト』も(一応クエスチョンマークをつけて)引用報道。一方、記事のコメント欄には、「真実はよく考えられたジョークで、それを信じる人もいるので注意」と指摘する声もあったようだ。

 なお、『ムンド・デポルティーボ』は同日、バルセロナに所属する元スペイン代表MFセルヒオ・ブスケツが契約延長を検討しているとも報道していた。これもイノセンテスのネタなのではないのかと読者から問い合わせがあったようだが、こちらはジョークではないと同紙は主張している。
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