海外旅行中に空港で飼い主に捨てられてしまった子犬(画像は『New York Post 2022年12月27日付「United Airlines pilot adopts dog abandoned at San Francisco airport」(United Airlines)』のスクリーンショット)このほど飼い主と一緒に海外旅行をしていた犬が、書類不備により入国できず空港で捨てられてしまったというニュースがアメリカより届いた。中国からアメリカへ入国しようとした飼い主は愛犬を連れていけないと分かると、旅行を続けるために愛犬をその場に置き去りにしたという。生後6か月だった子犬は安楽死の可能性もあったが航空会社の並々ならぬ努力のおかげで入国許可が下り、ユナイテッド航空のパイロットに引き取られることになったと『New York Post』などが伝えている。
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事の始まりは昨年8月、中国からの旅行客がサンフランシスコ国際空港(San Francisco International Airport)に到着し入国検査を受けたことだった。この旅行客は生後半年のジャーマンシェパードの子犬を連れており、子犬も一緒に入国検査を受けた。動物を連れて入国する際には適切な書類を提出する必要があるのだが、飼い主が用意した書類には不備があり子犬は入国できないことが判明した。子犬が入国できないとなれば一度自国へ戻るしかないが、この飼い主は非情にもその場で子犬を捨てて飛行機を乗り換え、目的地であるニューヨークへ旅立ってしまったのだ。
子犬は狂犬病を保有している可能性の高い地域からやってきたために厳しい基準をクリアしなければならず、動物の入国を管理する「アメリカ疾病予防管理センター(Centers for Disease Control and Prevention 以下、CDC)」は入国許可を出し渋っていた。入国許可が出なかった場合には子犬は中国に戻され安楽死させられてしまう可能性が高かったが、子犬のために動いていたユナイテッド航空(United Airlines)の担当者であるヴィンセント・パサフューミさん(Vincent Passafiume)がCDCに子犬の処遇を再考するように訴え、CDCは4か月の隔離期間を設けることを条件にアメリカへの入国を許可した。
その間にユナイテッド航空は「サンフランシスコ動物虐待防止協会(San Francisco Society for the Prevention of Cruelty to Animals 以下、SF SPCA)」に連絡し、隔離期間を終えたポラリスの里親探しを依頼した。無事に隔離期間を終えたポラリスのもとには35件もの里親希望が寄せられ、その中から里親に選ばれたのはユナイテッド航空で7年間パイロットを務めているウィリアム・デールさん(William Dale)だった。
画像は『New York Post 2022年12月27日付「United Airlines pilot adopts dog abandoned at San Francisco airport」(United Airlines)』のスクリーンショット (TechinsightJapan編集部 iruy)