認知症の母を20年介護 息子の暴言に同情集まる「その過酷さは介護した人のみ知る」(中国)<動画あり>

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2023年01月03日 22:01  Techinsight Japan

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20年間母親の世話をしてきた男性(画像は『网易 2022年12月30日付「江西新余,90多岁老人因老年痴呆发烧住院,儿子在病房内咒骂推搡」』のスクリーンショット)
高齢化が進む中で、寝たきりの親の介護に悩む人は少なくないようだ。お隣の国、中国もまた少子高齢化が加速しているようだが、このほど長年にわたって年老いた母親の介護を続けてきた男性が我慢の限界に達してしまい、つい母親に暴言を吐いてしまったという。『WORLD OF BUZZ』『网易』などが伝えた。

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中国、江西省新余市の病院で、12月28日(一部メディアでは27日と伝えられる)に撮影された、今年90歳を迎える母親の介護をする男性の動画が多くの関心を集めている。動画は同病院で高齢者の世話をしているという別の男性が撮影したもので、そこには認知症を患い寝たきりの母親に暴言を吐く男性の姿があった。

この日男性は、母親が掛け布団をベッドの上にもみくちゃにしたままで、何もかけずに横たわっていたことに腹を立ててしまったようだ。彼は苛ついた様子で「病院の掛け布団だと落ちつかないのか?」と言うと、ベッドに座っている母親を両手で押し倒し、「早く死んでくれ!」と怒鳴りつけてしまった。

しかし、押された勢いで少し苦しそうにうめき声をあげる母親を見て男性は我に返り、母親をベッドに寝かせて優しく布団をかけてあげた。動画の撮影者はこの様子を見て非常に不快に感じたそうだが、のちにこの男性と話をする機会があり、「この男性のしたことは正しくないが彼の困難な状況は理解できる」と述べ、男性のことが気の毒になったという。

実は男性はかれこれ20年もの間、認知症で寝たきりの母親の世話を続けてきたという。そして最近母親は、発熱のために病院に入院し、男性は弟と交代で世話をしていたようだ。長年母親の介護を続けてきた男性は「自分はもう若くないし体調もあまり良くない。もう20年以上も母親の介護をしており心身共に疲れ果ててしまった」と話していたそうだ。

動画はSNSに投稿されると瞬く間に拡散され、多くの人がこの男性を責めるのではなく、彼に対して同情の声を寄せた。

「20年間、病気のお母さんの介護をしてきたあなたは素晴らしいよ。家族の中にもっと交代で世話ができる人がいればこの男性はそれほど心が壊れたり暴言を吐いたりしなかっただろう。認知症の高齢者の介護はストレスが大きすぎる。」
「認知症には24時間体制でケアが必要だ。カリフォルニアでは認知症の施設に入院させるとなると少なくとも8000ドル(約104万円)はかかる。20年だとほとんどの人が破産するし、自分で世話をするとしても大変なことだ。この男性を尊敬するよ。」
「どれだけ過酷かは介護をした人だけが知っている。金銭面でのプレッシャーにも耐えなきゃならないしとっても大変なことだ。」


多くの人にとって、男性の置かれた状況は他人事とは思えなかったようだ。また中には「一人っ子政策」が実施された1979年から2014年頃に生まれた人達が、親の介護をする際に助け合うきょうだいがいない事を懸念する声もあった。



画像は『网易 2022年12月30日付「江西新余,90多岁老人因老年痴呆发烧住院,儿子在病房内咒骂推搡」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

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