子どもの親権を得るために性別を女性に変更した父親「子どもへの愛の証」(エクアドル)<動画あり>

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2023年01月08日 22:12  Techinsight Japan

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親権を得るために性別を女性に変えた男性(画像は『New York Post 2023年1月6日付「‘Punished’ dad legally changes gender to female in bid to gain custody of kids」(Jam Press)』のスクリーンショット)
このほど離婚した前妻から親権を取り返すために、父親が正式に性別を女性に変えたというニュースがエクアドルより届いた。エクアドルでは親権争いの際に母親が優遇されることが多く、なんとしても子どもたちの親権を得るために男性は性別を変えることを決断した。男性は「この国の法律は私たちが親になる権利を奪っている」と現行の法律への不満を明かしていると『New York Post』などが伝えた。

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今回大切な子どもたちの親権を得るために性別を変更したのは、エクアドル在住のルネ・サリナス・ラモスさん(René Salinas Ramos、47)だ。ルネさんが前妻と離婚をした際、エクアドルでは母親が親権を取るのに有利であるため2人の子どもの親権は母親が獲得し現在、娘は2人とも前妻と共に暮らしている。ルネさんの話によると母親と共に暮らしている娘2人は虐待に近い環境で暮らしており、ルネさんは5か月以上も娘たちに会うことができていないとも話している。

ルネさんは「この国において父親でいることはまるで罰を受けているようです。ただ生活のために稼いでくる人としてしか見られていないのです」とエクアドルでの父親としての立場を告白し、「私は母親と同じように子どもに愛情を注ぎ子どもを守りたいのです」と思いを明かした。

先月30日にエクアドル中南部クエンカ市の住民登録事務所で性別変更を行ったルネさんは集まった報道陣に対し、「法律には“親権を持つのは女性である”と書かれています。今この瞬間から私は女性であり母親でもあります。これが私の考え方です」と語り、性別欄に“女性”と表記された自身の身分証明書をカメラの前で公開した。

ルネさんのこの行動はエクアドルでトランスジェンダーのための法律改正を訴えている活動家たちの怒りを買い、エクアドルのLGBTI組織連盟が批判の声明を公表するまでに至った。エクアドルでは性別の変更を認めているものの、現時点では簡単には変更を認めてもらえず厳しいものとなっているという。エクアドルで初のトランスジェンダー議員でありエクアドルのLGBTI組織連盟のディレクターを務めるダイアン・ロドリゲスさん(Diane Rodríguez)は「ルネさんの親権を得るために性別を変えるという私的な行動は法の精神に反します」と訴えた。

ダイアンさんは当初このニュースを見た時はフェイクニュースだと思ったほど信じられなかったと明かしており、「これまで進めてきたトランスジェンダーのための法律改正が間違った方向に進み、私たちに不利な法律が制定されかねない」と不安を吐露し、裁判所に対しどのようにルネさんの性別変更適用に至ったのかの詳細な説明を求めている。ちなみに2016年以降、エクアドルではトランスジェンダーの人は、法的文書で出生名と性別を変更することが許可されている。

現在もルネさんと前妻における親権争いは続いており、「この問題が解決するまで子どもたちは母親と過ごさなければならないのです。法律は私たちが親になる権利を奪っています。私の行動は愛の証なのです」とルネさんは子どもたちへの強い思いを明かした。



画像は『New York Post 2023年1月6日付「‘Punished’ dad legally changes gender to female in bid to gain custody of kids」(Jam Press)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

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  • どこの国も、同様の男性差別があるんだな。もっと言や女のダブスタも。
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