何度指示しても一切反応しなかった犬、理由が判明し今ではバイリンガルに（米）

新しい飼い主が見つかるまで保護犬を世話することになったアメリカ在住の女性は、呼びかけたり指示をしても一切反応しない犬の様子に困り果てていた。原因を探ろうと犬の背景を調べた女性が違うアプローチで試してみると、犬はすぐ指示に従ったという。女性は「原因が分かってスッキリしましたよ」と話しており、その気になる原因について『Metro』などが伝えている。

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米フロリダ州ゲインズビル在住のアリアナ・ジャンピエトロさん（Ariana Giampietro、26）は、昨年11月に愛犬のピットブル“ジャック（Jack）”をがんで亡くし、これをきっかけに保護されたピットブルに新しい飼い主が見つかるまで自宅で世話するボランティア活動を始めた。そんなアリアナさんは先月30日、アメリカン・ピット・ブル・テリアの雑種“モンティ（Monty）”を迎え、新しい飼い主が見つかった時にすぐに馴染めるように“お座り”や“待て”など基本的なしつけをすることにした。

モンティはもともと別の飼い主に飼われており、よくしつけられていたようで普段の行動は大人しかった。「これなら基本的な指示はできるかもしれない」と考えたアリアナさんは早速、英語で“お座り”などと呼びかけてみたが、モンティはじっとしたままだった。しかし完全に無視している訳ではなく、アリアナさんを見つめて何を言っているのか聞き取ろうとする姿勢を見せており、なぜモンティがお座りをしないのかアリアナさんは不思議でならなかったそうだ。

モンティを迎えてから1週間が経過しても様子は変わらなかったので、原因を探ろうとアリアナさんがモンティを保護した団体にモンティの過去を聞いてみると、以前はスペイン人の一家が営む農家で飼われていたことが判明した。この事実を聞いて閃いたアリアナさんはスペイン語を検索して基本的な指示をモンティに出してみると、モンティは今までのことが嘘のようにすぐさま指示に従ったという。

アリアナさんは「モンティを迎えて8日間を一緒に過ごしましたが、なぜ指示に反応しないのか本当に困惑しました。モンティの過去を知り、スペイン語しか理解できないと分かった時は指示を聞かない理由が判明してスッキリしました」と当時を振り返った。


幸運なことにアリアナさんの恋人アンドリュー・ゴメスさん（Andrew Gomez、27）の母国語がスペイン語だったため、モンティにスペイン語で話しかけることができた。モンティはアリアナさんやアンドリューさんが言う言葉をようやく理解できたことで失いかけていた自信をすっかり取り戻し、アリアナさんの愛犬“ルーシー（Lucy）”と一緒に遊ぶようになったそうだ。

それからというものモンティのためにスペイン語を勉強し始めたアリアナさんは、「アンドリューの母国語がスペイン語なので、勉強したいと思って『デュオリンゴ（Duolingo、言語学習アプリ）』をダウンロードしたことがありましたが一度も使いませんでした。スペイン語を話す彼氏がいても学ぼうとしなかったのに、犬のためにスペイン語を勉強するようになったのでアンドリューは笑っていますよ」と明かした。

その後、モンティには新しい飼い主が決まり、英語を話す飼い主と新たな生活を迎えるための準備としてアリアナさんはモンティに英語の指示も教えているという。モンティは急速にバイリンガルへと目覚ましい成長を遂げているそうだ。アリアナさんは「ピットブルは凶暴でしつけができないと考えられがちですが、彼らはとても責任感が強く忠実です。私たちにはこの素晴らしい犬を愛してくれる多くの人が必要なのです」とコメントを残した。

ちなみに昨年には、オーストラリア育ちの犬がアメリカ英語に全く反応せずオーストリア英語にのみ反応する様子を捉えた動画がネット上で話題となっていた。

画像は『Metro　2023年1月12日付「Woman thought dog wasn’t listening to her but realised he only understands Spanish」（Picture: Ariana Giampietro/SWNS）』のスクリーンショット
（TechinsightJapan編集部　iruy）