映画『グーニーズ』の熱狂ファン、マイキーの家を約2億円で購入「続編の撮影はぜひ我が家で!」(米)<動画あり>

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2023年01月18日 21:11  Techinsight Japan

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「新しい世代のファンに残せるように」と購入したグーニーズ・ハウス(画像は『The Seattle Times 2023年1月12日付「New owner of ‘Goonies’ house in Astoria is ready to embrace movie magic」(RETO Media via AP
1985年の大ヒット映画『グーニーズ』の熱烈なファンが、このほど165万777ドル(約2億1千万円)もの大金を投じて、主人公マイキー・ウォルシュの家として撮影に使われた米オレゴン州アストリアの民家を買い取った。今後は映画のシーン同様に前庭のからくりを復活させ、80年代風へのインテリア改装も予定しているという。『Fox Business』『The Seattle Times』などが伝えている。

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“グーニーズ・ハウス”として映画ファンの間で知られる1896年築のビクトリア朝様式の家は、現地時間1月10日に不動産の売買手続きを完了。正式に新しい所有者として、カンザス州の実業家べーマン・ザケリさん(Behman Zakeri、46)の名前がマスコミに公表された。

この日は折しも「第80回ゴールデングローブ賞」授賞式で、グーニーズの発明家データ役を演じたキー・ホイ・クァン(51)が、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(3月3日日本公開)の助演男優賞に選ばれた日だった。クァンはステージ裏でのインタビューで「この先『グーニーズ2』が制作されるのか私には分かりませんが、もう一度、データを演じてみたいですよ」と述べている。

グーニーズ・ハウスは、周囲の家の約4倍近い値をつけて昨年11月に売りに出され、これまで誰が購入するのか注目されてきた。

仲介した不動産ブローカーのジョーダン・ミラーさん(Jordan Miller)は『Fox Business』で次のように述べている。

「買い手にはこの映画とその歴史、さらに美しいアストリアの町に敬意を持っている人が望まれていました。」

そして公募から6日後、多くの希望者の中から“理想的な購入者”が選ばれたという。

べーマンさんは、まだ8歳だった公開当時にこの映画を観て以来のファンで、金買取業のほか斧投げバー、脱出ゲーム施設など映画からインスピレーションを受けたビジネスを手掛けている。

2015年には、べーマンさんはリズ夫人(Liz)、“マイキー”と彼が呼ぶ子ども時代に隣に住んでいた幼馴染のマイケル・イーキンさん(Michael Eakin)と共に映画の30周年記念イベントで公開されていたグーニーズ・ハウスを訪れていたそうだ。

「私たちは屋根裏部屋に行って、当時の所有者サンディ・プレストンさん(Sandi Preston)に『あなたがいつかこの家を売るなら、私に買わせてください』と伝えたところ、『あなたのほかにも、何百万人もの人々がそう言ってきたわ』と言われましたよ」とべーマンさんは振り返る。

それから8年。べーマンさんはサンディさんから鍵を受け取って、夢を実現した。

提示価格165万ドル(約2億1千万円)に、ラッキーセブンの777ドル(約10万円)を足した額で交渉したというべーマンさんは、「私が映画とこの町の象徴となる素晴らしい建物を購入した最大の理由は、この家を保存、保護して新しい世代のファンに残せるように、そしてほかの人々と分かち合えるようにと思ってのことなのです」と述べ、「いつか続編の撮影が行われるとしたら、是非とも使ってほしいです」と明かしている。


すでに、家の周囲のからくりを仕掛ける作業を請け負いたいという業者からのオファーも来ているそうだ。

「フェンスの扉を開けて敷地内に入りたい時は、映画の中でチャンクがしたように、腹踊りをしてもらうかもしれませんよ」と、べーマンさんは茶目っ気たっぷりに話す。

「窓枠も、赤いペンキで塗り替えないと。」

実はグーニーズ・ハウスが売りに出された時、隣の家も同時に売りに出されていた。映画では隣に住むデータが2階の窓からジップラインでマイキーの家に乗り込むシーンが有名だが、この隣の家の購入者がべーマンさんの“マイキー”ことマイケルさんであることも明かされ、メディアでは二重の驚きとなった。

これらのニュースを見た人からは、こんな声が寄せられている。

「子どもの頃から夢にまでみた家に住めるなんて、とても素晴らしいことだと思うよ」
「映画のことは知らないけど、こうしてポップカルチャーの1ピースが保存されるのは大賛成」
「Airbnbで泊まれたらいいだろうな〜」
「やっぱり、隣の家からジップラインできるようにするのかな?」
「永遠のグーニーズファンとして一言だけ。“グーニーズは死にっこない!”」
「ご近所さんたちは、いい迷惑なんだろうけどね」

SNS上のコメントでも指摘されているように、残念ながらグーニーズ・ハウスの近隣住民はべーマンさんとマイケルさんの住宅購入後の動向を懸念している。

『The Seattle Times』によると、住宅エリアのグーニーズ・ハウスを商業利用する意図はないとべーマンさんは述べているが、一方でべーマンさんとマイケルさんは「この家はアストリア市に収入をもたらす、観光の呼び物にもなる」とも明言しているからだ。

この家があるアストリアは太平洋沿いの閑静な小さな町で、風光明媚なその地は『キンダガートン・コップ』『フリー・ウィリー』などハリウッド映画のロケ地に選ばれている。特に『グーニーズ』の舞台として有名で、アストリア市は映画公開日の6月7日を『グーニーズ・デー』として祝い、毎年、何千人もの観光客がイベントにやってくる。

なかでも聖地中の聖地グーニーズ・ハウスには、これまでたくさんのファンが訪れてきた。ビジターセンターなどではグーニーズ・ハウスが遠くからでもよく見える場所を紹介し、旅行者が現地に近づいて近隣住人のプライバシーを侵害しないように理解と協力を求めてきた。しかし、絶え間ない人だかりや迷惑駐車が負担となり、当時グーニーズ・ハウスを所有、居住していたサンディさんは一時的に家を防水シートで覆って見えないようにしたり、敷地の前に「立ち入り禁止」の看板を立てたりするなど、対策を講じてきたという。

グーニーズの冒険者たちは海賊船で財宝を見つけて、ゴルフ場開発で立ち退きを迫られたウォルシュ家とグーニーズたち近隣住人を救ったが、べーマンさんらにはグーニーズたちのように知恵を出し合って、住人にもファンにも愛されるグーニーズ・ハウスを存続させてほしい。



画像は『The Seattle Times 2023年1月12日付「New owner of ‘Goonies’ house in Astoria is ready to embrace movie magic」(RETO Media via AP, file)』『Behman Zakeri 2023年1月10日付Instagram「This week will mark 23 years with this amazing woman.」』『Oregon Live 2022年12月3日付「‘Goonies’ house in Astoria sells to a fan who wants to protect the landmark」(RETO Media)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 秋本神奈)

このニュースに関するつぶやき

  • フラッテリーの中の人は早世されてしまった。あと悪徳不動産屋の馬鹿息子は今では映画監督。
    • イイネ!8
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