振り向いた瞬間に首が“ポキッ” 脳卒中を発症した35歳男性、早期受診の大切さ訴える(米)

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2023年01月18日 22:11  Techinsight Japan

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急に振り向いたことで脳卒中を発症した男性(画像は『New York Post 2023年1月11日付「I almost died after turning my head too fast playing pickleball」(Kennedy News and Media)』のスクリーンショット)
昨年11月、趣味のスポーツを楽しんでいたアメリカ在住の男性が、ボールを追いかけようと素早く左を振り向いた瞬間に首が「ポキッ」と鳴り、その直後に強い眩暈に襲われた。男性は病院での検査の結果、脳卒中を起こしていることが判明したが、幸いにもすぐに治療を受けることができたため身体機能障害などを起こすことなく退院したという。『New York Post』などが伝えている。

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米ミズーリ州フェスタス出身のジョエル・ヘントリッチさん(Joel Hentrich、35)は昨年11月23日、友人とピックルボール(卓球・テニス・バトミントンをもとに考えられたアメリカで人気のスポーツで、プラスチック製のボールを小さなラケットで打ち合う)を楽しんでいた。数年前に趣味としてピックルボールを始めたジョエルさんは週に数回プレイしており、この日は特に激しいゲームをしていた訳ではなかった。しかし飛んできたボールを追いかけようと、ジョエルさんが素早く左を向いた瞬間に悲劇が起きた。「首の後ろ側で“ポキッ”と鳴ったのを感じました。他の人が聞こえるかどうか分からないくらいの小さな音でしたが、確かに聞こえました」とジョエルさんは当時を振り返っている。

首の骨が鳴るのはよくあることだが、この時ジョエルさんが感じた小さな音は只事ではなかった。

「この直後に今まで経験したことがないような激しい眩暈に襲われました。それから2分後くらいには自力で立てなくなり、支えてもらいながらベンチまで連れていってもらいましたよ。視界がぼやけ地面が歪んで見え、強い吐き気にも襲われ勢いよく吐いてしまいました。それから顔の左側、左手、左脚の一部にピリピリとした痛みも感じました。」

そのような症状に、看護師として働くジョエルさんは嫌な予感がしたためすぐに近くの病院へ駆け込んだ。

病院に到着時、待合室には50〜60人の患者がいて混雑していた。このまま大人しく待っていたらいつ診察してもらえるか分からない。自身の症状が深刻なものである可能性が高いと感じていたジョエルさんは看護師に自身の症状を説明したところ、これを聞いた看護師は脳卒中を起こしている可能性が高いと判断し、優先的に診察・検査を受けられるように取り計らった。そして20分後にジョエルさんはCT検査を受けると集中治療室に運ばれ、さらにMRI検査を受けることになった。これらの検査の結果、ジョエルさんは頚動脈解離を起こし、それが引き金となって脳卒中を起こしていることが判明した。35歳とまだ若く、習慣的にスポーツを行い健康的な生活を送ってきたジョエルさんにとって衝撃的な事実だった。


脳卒中を起こした場所が運動機能をつかさどる小脳の下部だったため、4児の父親でもあるジョエルさんは「二度と歩けなくなってしまうか、体に障害が残ってしまうかもしれない」と強い不安に襲われた。そんなジョエルさんに担当看護師は自力でトイレに行くように指示しており、できるだけ体を動かすように促したことが幸いしたのか、ジョエルさんは運動機能に障害を残すことなく退院することができた。

「歩き始めた時はクラクラとしましたが、2日間もベッドで寝ていたのだから当然ですよね。体を動かすまでは本当に障害が残っていないか分からなかったので、歩くことができた瞬間は本当に嬉しかったです。起き上がって歩いてバランスを取ることができ、今までと同じ生活を送ることができると実感できたのは特別な瞬間でしたよ」と奇跡的な回復にジョエルさん自身も驚くほどだった。

素早く振り向くという何気ない日常の行動がどのように脳卒中を起こしたのか、その詳しい原因は明らかになっていない。急に振り向いたりするのは日常茶飯事であると話すジョエルさんだったが、この悲劇が起こる1週間ほど前に「首の神経が圧迫されたようなしびれや痛みを感じたが、その後すぐに治まった」と小さな異変があったことを打ち明けている。

ジョエルさんは「もしあの時に看護師が私の症状を重く考えずにいたら、そして他の患者と同じように診察を待っていたら、バランス機能など何らかの障害を抱えていたことは間違いないですよ。もしかしたら命はなかったかもしれません」と対応してくれた看護師に感謝しており、「脳卒中は発症してから3時間以内に治療を受けることが推奨されていますが、早ければ早いほど良いのです。もし診てもらった方がいいかもしれないと感じたら、その直感を信じてください。深刻ではない場合もあるかもしれませんが、もし深刻なケースだったらどうしますか?」とコメントし、すぐに医療機関を受診することの大切さを訴えている。


ちなみに昨年6月には、首の痛みでカイロプラクティックの施術を受けた女性が脳梗塞を起こし、体が麻痺してしまうという痛ましい事故が起きていた。

画像は『New York Post 2023年1月11日付「I almost died after turning my head too fast playing pickleball」(Kennedy News and Media)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

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