アマゾン配達員が腐敗槽に転落　救出後に配達を続行（米）＜動画あり＞

アマゾンの配達員が荷物の配達中に、生活排水を処理する穴に転落、閉じ込められるという事故が起こった。この配達員は、転落した直後から救出されるまでの状況を動画で記録しTikTokに投稿した。「a shitty situation（最悪な状況）」と名付けられ、3パートにわたって投稿された動画について米ニュースサイト『New York Post』などが伝えている。

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1月11日、チャールズ・アミカンジェルさん（Charles Amicangel）さんは荷物を配達しようと歩いていた際に、地面に穴が開いていることに気付いた。彼は気にせずその前を通ったが突然、地面が足元から離れていくような感覚にとらわれたという。次の瞬間、チャールズさんは生活排水を処理する穴・腐敗槽（ふはいそう）の中に落下、膝元までヘドロに埋まってしまった。

不幸中の幸いで、チャールズさんは落下時に携帯電話を持っていた。消防隊を呼んだチャールズさんは、その待ち時間にTikTokで自分の不幸を披露し、笑い話にすることにしたのだという。

1つ目の動画でチャールズさんは「お客さんの家への配達途中に、腐敗槽の中に落ちてしまった。6フィート（約183センチ）下にいるが、周囲の土が崩れてきたので通報した」と少し焦った様子で状況を説明している。

2つ目の動画では消防隊が救助に向かっていることを伝え、視聴者を安心させた。しかしチャールズさんの表情は少し疲れているように見える。それもそのはず、腐敗槽の中はトイレなど生活で出る汚水が溜まっており、それらの悪臭は想像を絶するものだろう。

チャールズさんはカメラを回し、自分が灰色に染まったヘドロの中に沈んでいるのを見せた。そして「私は膝までの深さの汚泥、小便と糞の中に立っている。このような汚物の中で死にたくはない」と胸のうちを明かした。

3つ目の動画は救助された後、配達車に戻ったチャールズさんの姿が映っている。警察や消防、救急車、ヘリコプターが現場に駆けつけ、消防隊員によってハシゴで救出された。チャールズさんは救助された際に、腐敗槽の周りの壁が崩壊しかけていた事実を知らされ、「自分の置かれた状況がどれほど危険か分かっていなかったようだ」と述べている。

チャールズさんは、散々な一日であったにもかかわらず、家に帰りシャワーを浴びて着替えた後、残っていた荷物の配達を済ませたそうだ。

動画で「穴に落ちた時にはまだ約100か所の届け先が残っていた。アマゾンがそのうちの約50か所を代替するために人を送ってくれた」と説明し、「この親切に応えるために、残りの仕事を終わらせるつもりだ」と話した。

アメリカ合衆国環境保護庁によると、腐敗槽のような生活排水処理タンクや穴に落ちるのは非常に危険で、内部は大腸菌などの病原体や化学物質で汚染されている可能性があるという。

TikTok投稿のコメント欄では、チャールズさんを心配する声が多数寄せられており、「肝炎などに感染している可能性も否定できない。血液検査を受けるべき」、「何かに感染していないことを確認するために、労災請求と治療を受けて下さい」、「配達を終わらせたなんて信じられない」といったコメントがあがっている。

この事故が起きてから数日後、チャールズさんは4つ目の動画を投稿した。この動画では、世界中の人々から受け取った心配や励ましのメッセージに対する感謝やレスキュー隊への感謝、そして配達をサポートしてくれたアマゾンへの感謝の気持ちが語られている。

なおチャールズさんが落下した穴は、他の人が落ちることのないように市によってフタが設置されたという。しかし「他にも穴がある場所は存在するので、配達員は周囲を払う必要がありますね」とチャールズさんは警告している。

また感染症など健康状態を心配したコメントが多く届いたが、チャールズさんはそれらの忠告に従い、配達員として復帰するためにも健康診断を受けているという。落下当日に着用していた衣服については「まだどのように処理していいか分からないため捨てずにいます」と明かしていたが、数日後に捨てる予定とのことだ。



画像は『Charles Amicangel945　2023年1月11日付TikTok「Walked past a hole while delivering to a customer’s house」』『Metrotime　2023年1月13日付「Un livreur Amazon tombe dans une fosse septique （vidéo）」』のスクリーンショット
（TechinsightJapan編集部　H.R.）