「絶対売れない」→爆売れ Peachの“行き先を選べない”「旅くじ」はなぜヒットしたのか

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2023年01月25日 12:11  ITmedia ビジネスオンライン

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Peachの“行き先を選べない”「旅くじ」はなぜ人気なの?

●3分インタビュー:



【画像】行き先が選べない? 旅くじの中身を見る



 「SNSで話題のあの商品はどうやって開発したの?」「なぜこの会社はこんな取り組みを進めているの?」ちょっと気になっていた企業の“なぜ”をコンパクトに紹介します。



 サービスや製品に込めた思いや苦労話など、担当者にしか分からない「裏側」を徹底取材。仕事が忙しくて、じっくりと情報を得ることができない人でも読めるよう、できるだけ簡潔にまとめています。テレワーク中の息抜きや移動時間、就寝前に「3分インタビュー」でサクッと情報収集!



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 格安航空会社(LCC)の「Peach」(ピーチ)を運営するPeach Aviationが提供するカプセルトイ自販機「旅くじ」をご存じだろうか? 1回5000円でくじを引き、カプセルを開けるまで“行先は分からない”。



●行き先を選べないカプセル型自販機「旅くじ」



 旅くじは、航空券の行き先を選べない点が最大の特徴。各カプセルの中には、「指定された行き先」「旅のミッション」「Peachの航空券(行き先限定)が購入できるピーチポイント6000円分」「オリジナル缶バッジ」が入っている。ごくまれにピーチポイントが1万円分封入されていることもあるそうだ。



 価格は1回5000円で、スマホ決済サービス「PayPay」のみ対応。



 カプセルの中身は航空券ではなく、航空券購入に使えるポイント引換券だ。航空券購入時に差額が発生した場合は、不足分を新たにクレジットカードで支払う必要がある。Peachの運賃は変動するため、セールなどお得なタイミングを狙えば旅くじのピーチポイントのみで往復の航空券を購入できる可能性もある。



 旅くじの目的地は設置場所によって異なる。2021年10月〜22年3月に東京・渋谷に設置していた旅くじは、成田空港発着の国内路線が対象だった。現在設置している大阪の旅くじでは、関西空港発着の国内13路線が対象で、行き先は「女満別」「釧路」「札幌(新千歳)」「仙台」「新潟」「東京(成田)」「福岡」「長崎」「宮崎」「鹿児島」「奄美」「沖縄(那覇)」「石垣」の13カ所。



 21年8月に大阪に設置して以降、東京、名古屋、福岡など計7カ所で販売してきた。現在販売中なのは、大阪の「心斎橋PARCO」と沖縄の「サンエー 浦添西海岸パルコシティ」の2カ所となっている。



 「行き先が分からない旅」ができるのは、時間的に余裕がある若年層が多いのだろうか? 実際の利用状況についてPeach Aviationに話を聞いた。



●担当者に話を聞いた



――旅くじを販売する狙いを教えてください。



広報担当者: コロナ禍で厳しい状況だからこそ、街中でお客さまとの接点を持ち、ワクワクできるようなサービスを提供したいと考えて旅くじの提供を開始しました。旅くじをきっかけに「Peachは面白いことやっているな」「そろそろ旅に行きたいな」と、日常生活の中で旅を思い出してもらい、どんどん出掛けてもらえる仕掛けを作りたいと考えていました。



――旅くじの中に入っている「旅のミッション」とは、何なのでしょうか?



広報担当者: 指定された行き先で実際に行ってほしいことをミッションとして記載しています。内容はクスッと笑ってしまう様な遊び心を交えたもの。例えば、東京(成田)−石垣の場合「一番ハンサムな石垣牛探してきて!」、大阪ー沖縄(那覇)の場合「市場のおばあと友達になってきて!」などのミッションを用意しています。



●シニアの利用も 3万個販売、新規50%



――実際の利用状況について教えてください。



広報担当者: 利用状況の詳細は公表していませんが、累計約3万個を販売しています(2023年1月現在)。



 性別を問わず、若年層を中心に幅広い世代の方にお楽しみいただいています。一人旅やレジャー、帰省、プレゼントなどでご利用が多いですね。学生の方からは「旅行の行き先がなかなか決まらず、旅くじで出た場所に行くことにした」「仲良しグループで旅くじを引きそれぞれ別の行先が出たが、現地からリモートでつなげて楽しむ」という声も。



 また、実際に旅くじを使ってPeachを利用した人の約50%は新規利用のお客さまです。SNSで話題になり、テレビなど各種メディアで取り上げられると、LCCを利用したことのないシニア層のお客さまがスマホを片手に来てくれました。これまで少なかった層のお客さまにも、Peachの路線や購入方法などを知ってもらえる機会となっていますね。



――SNSを中心にかなり話題を集めていると思いますが、注目された要因をどのように分析されていますか?



広報担当者: 社内からの「絶対に売れるわけがない」という反対の声もある中でスタートし、「1日1個売れればいい」と思っていたんです。しかし、SNSで旅くじを引く動画が投稿されると、あっという間に話題となりました。21年10月に渋谷で販売した際は、用意した1カ月分の旅くじが3日で完売するなど大きな反響がありましたね。



 ここまでの反響は予想しておらず、正直驚きましたね。自分では思い付かない行き先が当たるのが旅くじの醍醐味です。どこへ行くか分からないドキドキ感が、コロナ禍でさまざまな事を我慢していた人々の「何かにワクワクしたい気持ち」にマッチし、旅に出るきっかけになったのではないかと考えています。



――現状何か課題に感じていること、今後アップデートしたいと考えていることなどがあれば教えてください。



広報担当者: 旅くじを通じて、地域(就航地以外を含め)の新しい魅力を発見し、伝えて行くことが重要だと考えています。さらなる需要の創出につなげ、地方創生に貢献していきたいですね。



 また、国際線の就航や再開も進めているため、訪日のインバウンド需要も取り込めるような「海外旅くじ」の展開も検討していきたいです。


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  • 「どこでもいいから、とにかくどこかへ行きたい」の『遠くへ行きたい症候群』に罹患してる人が少なくないのだろう。
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