混戦の3歳牡馬戦線に登場した期待の「新星」ソールオリエンス。陣営も「最初から”走る馬”だと思っていた」と絶賛

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2023年01月29日 06:41  webスポルティーバ

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2023年クラシック候補たち
第3回:ソールオリエンス

 今年の3歳牡馬クラシック戦線は「大混戦」と言われている。そんななか、"主役"候補となり得る楽しみな馬が登場した。

 美浦トレセンの手塚貴久厩舎に所属するソールオリエンス(牡3歳/父キタサンブラック)である。




 同馬は、昨秋の2歳新馬(11月13日/東京・芝1800m)でデビュー。ゆったりしたペースのなか、3〜4番手を追走して直線入り口で先頭に並びかけていく。そこから鞍上がゴーサインを出すと、以降は内から抜けてきたレーベンスティールとマッチレースを展開。最後はクビ差競り落として勝利を飾った。

 3着以下には5馬身差をつける圧巻のレースぶりだったが、それ以上に衝撃的だったのが次戦。デビュー2戦目での重賞挑戦となったGIII京成杯(1月15日/中山・芝2000m)だ。

 中団やや後方に待機していた同馬は、3コーナー過ぎから徐々に進出していったが、直線を前にして大きく外へ膨れてしまう。その結果、一度は先団に迫りながら、勝負どころで先頭から4〜5馬身の差をつけられてしまった。

 だが、そこから態勢を立て直すと、一気に加速。大外から内を行くライバルたちを瞬時にかわし、突き抜けていった。終わってみれば、2着に2馬身半をつける完勝。その勝ちっぷりによって、一躍クラシック候補に躍り出た。

 また、同馬の兄には海外GIのドバイターフ(UAE・芝1800m)において、2021年に2着、2022年に3着と好走しているヴァンドギャルド(牡7歳/父ディープインパクト)がいる。そうした血統背景もあって、ソールオリエンスの評価は一段と上がっている。

 そんな同馬について、厩舎スタッフはどう見ているのだろうか。関東競馬専門紙のトラックマンがその様子を伝える。

「ソールオリエンスについて、陣営の評価はかなり高いです。スタッフは『調教の併せ馬で一度も遅れたことがなく、最初から"走る馬"だと思っていた』と話していました。

 京成杯で騎乗した横山武史騎手がレース後、左右の体のバランスについて『良化の余地がある』と言っていましたが、逆にそうした状態でありながら、あれだけ高いパフォーマンスを発揮してしまうのですから、当然のことかもしません」

 素質は申し分ない。ただし、クラシックを勝つためには、京成杯のように外へ膨らんでしまうロスは致命的。その点について、陣営はどう考えているのだろうか。先述のトラックマンが続ける。

「あのロスについて、陣営はそこまで不安視していません。ソールオリエンスは左手前で走るのがケタ違いにうまく、京成杯でも本来右手前で回るべき4コーナーを、左手前で回ってしまったそうです。

 それで、あのロスが生まれてしまったのですが、『手前の替え方は、キャリアを積むうちに修正できる』とスタッフ。あくまでも経験不足が原因で、『今後しっかり矯正していけば問題ない』としています。

 とにかくスタッフは、ソールオリエンスの才能の高さに惚れ込んでいました。クラシックに向けての意気込みも、相当なものが感じられました」

 年明けに突如現れた期待の"新星"ソールオリエンス。はたして、戦国模様の3歳牡馬戦線で頂点に立つことができるのか。今後の動向からも目が離せない。

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