
【写真】水瀬いのり、かわいい撮り下ろしフォト(10枚)
本作は、15年以上にわたり世界各地の自然を撮影してきた同番組取材班が、特に時間をかけてその生態を観察してきた“日本の生きもの”にフィーチャーしたドキュメンタリー。かつてない貴重な映像から知られざる自然の営みをたっぷりと堪能できる。 前作『驚き!海の生きもの超伝説 劇場版ダーウィンが来た!』に続き、ナレーターを水瀬が担当するほか、東大発の知識集団“QuizKnock”のこうちゃん、須貝駿貴、そして同番組のキャラクター、ヒゲじいがポイントごとに登場し、日本の生きものたちにまつわる楽しいクイズを出題する。
■声優とナレーターの使い分けが楽しかった
同じ声の仕事でも、声優とナレーターでは、アプローチが全く異なるという水瀬。「アニメなどのアテレコだと、キャラクターを介して『お芝居をする』という感覚ですが、ナレーションは、作品全体を一つの大きなキャラクターとして捉えて声を当てるイメージですね。バラエティー的な作品なら自分の個性を出しつつ明るい声色で当てるのですが、今回のようなドラマ性のあるドキュメンタリーは、なるべく感情の起伏や言葉の強弱を付けずに、一つ一つの言葉を大切にしながら、聞き取りやすさを意識するよう心がけました」。
ただ、本作は人間の生活にも通じる生きものたちの営みが数多く収録されており、声優としてのスキルを存分に発揮できるシーンもあったという。「確かに今回は、ナレーションだけでなく、親子の物語もたくさんあって、お母さんだったり、子どもたちだったり、アテレコをするシーンが結構ありましたね。生きものによって個性が違うのでアプローチも変えなければならずとても難しかったんですが、声優としてのスキルを発揮する“見せ場”だと思ってがんばりました。プレッシャーはありましたが、声優とナレーションの両方に挑戦できたのでとても楽しかったです」と手応え十分。特にイノシシの子ども“ウリ坊”のアテレコは印象深かったようで、「私の干支が亥年ということもあるんですが、たくさん出てくる生きものの中でも、ちょっとオットリというか、空回りしているというか、一番愛おしく思えたので、彼らのかわいらしさが伝わるように声を当てさせていただきました」と笑顔を見せた。
■私にとって“クラゲ”は理想の生きもの
昨今、声優の活躍の場は、アニメや映画、テレビ、ゲームなどのアテレコだけにとどまらず、今回のような映画のナレーターやテレビ番組のMC、ラジオのパーソナリティーを務めたり、アーティストとして音楽ライブを開催したり、時にはモデル、女優業にも領域を広げたりと、その活動は多岐にわたる。マルチに活躍する水瀬もその一人だが、「もちろん、時代とともに多様なお仕事が求められていることは感じていますが、あくまでも“声優”という本業があればこそ、と思っています」ときっぱり。「本来、裏方のお仕事ではありますが、いろんな活動を通して、声優というものをもっともっと身近に感じていただければ…その一心で日々いろんなことに挑戦させていただいています」と強調する。
では、声優を軸にさまざまな活動をしていく中で、ブレない自分を保っていくために水瀬が大切にしていることは何なのか。「私は、その時々の感覚で現場と向き合うようにしています。実はデビューしたての頃は真逆で、頭の中で入念にプランニングして現場に行くタイプだったんですが、あるお仕事で、準備したものが『そうじゃない』とディレクターに言われた時にすごくテンパってしまったことがあったんです。その時に、『私は考えを固めてしまうとそれを崩すことができない』ということを学び、それからは何も決めずに現場に入り、その時に言われたことをヒントに作っていくスタイルに変えました」と明かす。フラットな状態で仕事に臨んだ方が性格に合っている…そのことがわかってからは、どんな現場でも自分らしくいられるようになり、パニックになることはなくなったと述懐する。
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映画『日本列島生きもの超伝説 劇場版ダーウィンが来た!』は、2月3日より全国公開。