今のフェラーリF1には「勝つためのすべてがそろっている」と新代表バスール。改善の継続を重視

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2023年01月30日 10:51  AUTOSPORT web

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2023年1月フィオラノテスト フェラーリ代表フレデリック・バスール
 フェラーリF1の新チーム代表であるフレデリック・バスールは、チームにはF1タイトルを勝ち取るために「必要なあらゆるものがそろっている」と述べているが、タイトル獲得のためには「すべてをまとめ上げなければならない」という。

 2022年までアルファロメオF1のチーム代表だったバスールは、マッティア・ビノットが11月に辞任したことを受け、彼の後任としてフェラーリF1のチーム代表となった。バスールは上位チームの指揮にあたることになるが、昨シーズンのフェラーリは、レッドブル・レーシングを相手に序盤の勢いを維持できず、不手際や戦略ミス、また、エンジンの信頼性の問題でつまづいていた。

 しかしバスールは、フェラーリは強固な基盤の上にあり、2008年以来となるタイトルをマラネロにもたらすのに必要なすべてのツールと能力を備えていると主張している。

「私の経験は確かにこの2週間と限られてはいるが、今日のフェラーリには勝つためのすべてがそろっていると確信している」とバスールは木曜日に行われたメディアとの初会見で語った。

「いい仕事をするためにはすべてをまとめ上げなければならないが、我々は勝てるようになるためのすべてを持ち合わせている」

「この数十年の結果を見れば、常にチームは前進していることがわかる。私にとっては改善が続けられていることが重要だ」

「今後数カ月や数年の間に他のチームよりもいい仕事をすれば、我々は勝つことができるだろう。決まっていることは何もない。数年前まで圧倒的優位にあった一部のチームも、今ではその地位にいない。つまり、この数十年や過去20年、もしくは40年後まで状況は同じだ、というような意識を持たなくてもいいということだ」

「F1は変化していて、我々は仕事やパフォーマンスに集中しなければならない。そうすればあらゆることが可能になる」

 2022年のフェラーリは、結果に影響した戦略や信頼性の問題だけでなく、開発面でもレッドブルに全体的な遅れをとっていた。この弱点は、部分的にはコスト制限の管理に根ざしたものだった。フェラーリは今後のアップグレードサイクルに対し、より戦略的で慎重なアプローチを取るとバスールは語った。

「新車と来年のマシンのどちらにより集中するか決めるにあたっては、コスト差のある現在は戦略的な選択をすることが非常に多い」

「私は(昨年は)いなかったので、過去に起きたことについて判断することはしない。だがシーズン中にわかるだろう」

 昨シーズンのフェラーリの主な弱点は、レースでの戦略にあった。チームが戦略をしくじったことで、シャルル・ルクレールとカルロス・サインツは、何度も大量のポイントを犠牲にすることになった。バスールは、何が改善されるべきかよりよく理解するため、フェラーリは今も昨シーズンの失敗を見直している最中だと語った。

「戦略やストラテジストについて話しているということは、氷山の目に見える部分しか見ていないということだ。そして戦略とは、その氷山のトップの者だけの問題ではない。組織、コミュニケーション、ピットウォールでのコミュニケーションの流れが重要なのだ。我々はすべてを見直している段階にある」

「昨シーズンのミスのひとつひとつについて、何が起きたのか正確に理解しようとしている。それが意志決定の問題だったのか、組織のコミュニケーションの問題だったのかを把握しようとしている」

「ピットウォールでは個人よりも、コミュニケーションや(意志決定プロセスに関わる)関係者の人数が最大の問題になることが非常に多い。同じ件について議論している関係者が多すぎると、結論が出たときにはマシンは次のラップを走っている。明確な議論のフローを持ち、適切なポジションにいる優れた人々の間でコミュニケーションが行われればいいだけだ。だがまだその作業は途上にある」

 2022年にフェラーリがF1コンストラクターズ選手権で2位につけたことは、2020年と2021年と比べると大きな進歩だった。しかし昨シーズン末、フェラーリのCEOを務めるベネデット・ビーニャは、フェラーリにとって十分と言える結果はタイトル獲得以外になく、2位は「敗者のひとり目」だと語った。

 バスールは、タイトル獲得がフェラーリの唯一の目標であり、そうあるべきだと同意した。

「トップチームにいたら、勝利以外の目標はあり得ない」とバスールは語った。

「『2位で満足だ』と言ってシーズンを始めることはできない。それでは野望を欠いている。我々には良い仕事をするためのすべてのものがそろっていると思う。そして目標は勝利でなければならない」

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