最新・中華ラジオ『ZHIWHIS ZWS-700』。大人がハマるラジオの愉しみ方

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2023年01月30日 11:01  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
○■お気に入りな2台のラジオの相違点と共通点



最近、続けざまにラジオを2台買った。



東京・世田谷ボロ市で見つけたナショナルの「GX-230」と、Amazonで購入したZHIWHISの「ZWS-700」である。


前者は1960年代に製造販売された、据え置き型の国産真空管ラジオ。

後者は2022年に販売開始された、最新の中華製トランジスタラジオ。

同じラジオとはいえ、年代も大きさも仕様も機能も製造国も違う両者だが、実は共通点がある。



1.見た目がレトロでかっこいいところ

ただし、ナショナル「GX-230」は1960年代製なので天然もの。

ZHIWHIS「ZWS-700」は2022年製なので意図的なレトロ調デザイン。



2.世界の短波放送が受信できるところ

ただし、ナショナル「GX-230」が受信できるのはAMと短波の2バンドのみ。

ZHIWHIS「ZWS-700」はAM、短波、FM、北米気象放送(日本では受信できないけど)という4バンドの受信が可能。


3.外部入力があるところ

ただし、ナショナル「GX-230」はレコードプレーヤーへの接続を想定したライン入力。

ZHIWHIS「ZWS-700」はBluetooth入力、そしてマイクロSDカードの再生にも対応。


今回はこの2つのラジオと、ラジオ放送への個人的な思いについて書いていこうと思っているのだが、ここでまず一曲聴いていただきましょう。



RCサクセションで『トランジスタラジオ』。

(などと、ラジオのディスクジョッキー風に)

○■もっともラジオを熱心に聴いていたのは中高生の頃だった



1969年生まれの僕が、もっとも熱心にラジオを聴いていたのは1980年代、中高生の頃だった。

ビートたけしやとんねるず、伊集院光の「オールナイトニッポン」(ニッポン放送)、「吉田照美のてるてるワイド」(文化放送)、「明石家さんまのラジオが来たゾ!東京めぐりブンブン大放送」(ニッポン放送)などなど、今でも当時のラジオ番組は強く記憶に残っている。



コンプラ意識が薄かったため今よりはめちゃくちゃだったとはいえ、ある程度かしこまった体裁を整えて出演していたテレビとは違い、ラジオの深夜放送では思い切り羽を伸ばすたけしやさんまの際どすぎるトークが最高だった。



当時はパンク&ニューウェーブ好きのロック少年だったので(今も本質的にはあまり変わらないが)、新しいバンドや曲との出会いを求め、FMの各種音楽番組のエアチェックに余念がなかったし、最新ヒット曲も押さえておくため、土曜午後には「コーセー歌謡ベスト10」(TOKYO FM)をしっかり聴いていた。



しかしいつの頃からだろうか。

徐々にラジオを聴かなくなり、大人になってからは、車を運転しているとき、たまに気まぐれでカーラジオのスイッチを入れる程度になっていた……。



……続いての曲は、バグルスの『ラジオ・スターの悲劇』と斉藤和義の『カーラジオ』です。

(ディスクジョッキー風、最後まで続けます)


○■ラジオ離れから一転、再びラジオにハマった理由とは



ところがところが。

気づけば最近、なぜかまたすっかりラジオづいているのだ。



きっかけは御多分にもれず、『radiko』や『myTuner Radio』などのスマホアプリやポッドキャストによるネット配信。



それらを通じてラジオ放送に触れるのが容易になったため、生の放送や番組アーカイブを頻繁に聴くようになった。



「山下達郎 サンデー・ソングブック」(TOKYO FM)、「Tokyo Midtown presents The Lifestyle MUSEUM」(TOKYO FM)、「アフター6ジャンクション」(TBSラジオ)、「火曜JUNK爆笑問題カーボーイ」(TBSラジオ)、「武田鉄矢・今朝の三枚おろし」(ニッポン放送)、「辛坊治郎ズームそこまで言うか」(文化放送)などなど、お気に入りの番組も少しずつ増えていった。



それではここでまた曲をお届け。

ザ・クラッシュの『This Is Radio Clash』、ラモーンズの『Do You Remember Rock 'n' Roll Radio?』。

2曲続けてどうぞ。

○■ネット配信では満足できない、ラジオ放送特有の味



それらの番組は、今やすべてスマホで聴けるので、本当はハードとしてのラジオは不要だ。

だが、元来“ラジオ世代”である僕は、「やっぱりラジオで聴きたいなあ」と強く思うようになっていた。

苦労しながら放送局の周波数にチューニングを合わせ、独特のノイズまじりでリアルタイムの番組を聴くあの懐かしい感じを、再び味わいたかったのだ。



スマホで聴くラジオの番組アーカイブでは、実際の放送からカットされている部分が多く、特に著作権の関係で音楽はまったく流されない。

やっぱりラジオ番組は、パーソナリティの取り止めのないトークとともに、その合間に流れる音楽との出会いが醍醐味だったりするのに。



それに、ラジオ特有のノイズがない、デジタルのクリアすぎる音質では気分が出ない。

これはまあ、世代特有の面倒臭い情緒なのだろうが。



そういった理由からラジオ願望が募り、新規購入に至ったのである。



それではここでリクエストにお応えし、ティーンエイジ・ファンクラブの『Radio』と一風堂の『ラジオ・ファンタジー』をお届けしましょう。

どうぞ。

○■ボロ市で買ったアンティークラジオ



世田谷ボロ市のアンティークショップで、10,000円を払って購入したナショナル「GX-230」は、古いながらも綺麗にクリーニングされ、試聴すると受信状態も問題なかった。

店主がすべて自分でオーバーホールをしているということで、年代物につきものである故障時もすぐに修理対応をしてくれるという。


このサーモンピンクの真空管ラジオは、まだFM放送が開始されていなかった頃の製品なので、受信できるのはAM放送と短波放送だけ。

しかし、バンド切り替えのつまみを左端にひねると「PH」モードがオンになり、ライン入力によって外部機器からの音を聴くことができる。


ただし、いくら真空管を使っているとはいえ1960年代の普及品であるラジオのスピーカーは貧弱で、高音部はまだいいが低音部の鳴り方が全然ダメ。

むしろiPhoneやiPadに内蔵されているスピーカーで聴いた方が、今の基準で言うところの良い音であることは間違いない。



でもなんとも言えない、昔ながらのラジオらしい音質が気持ちいいのだ。



さて次の曲は、ラジオといえばやはりこれ。

クイーンの『RADIO GA GA』。

そしてスピッツの『ラジオデイズ』もどうぞ。

○■中華製トランジスタラジオは驚きの高機能



税込み5,477円で買ったZHIWHIS「ZWS-700」は現代のラジオであるにもかかわらず、1970年代に一世を風靡したソニー製のラテカセ「ジャッカル」を彷彿させるような、メカメカしいレトロフューチャーな外観が素晴らしい。



敢えてのアナログっぽいデザインが採用されているが、中身は最新式なので、受信性能に優れ高音質。

Bluetooth接続でモバイルスピーカーとして使うと、そのコンパクトな筐体からは想像できないようなパワフルなサウンドが響く。


ダイヤルをクルクル回してチューニングするのが昔ながらのラジオらしくて快感だが、プリセット機能も付いており、上部のボタン操作であらかじめ記憶させた放送局を呼び出すこともできる。


多機能で音質良好、デザインもgood。

申し分のないラジオのように思えるが、不満点が二つ。

イヤフォンジャックやBluetooth送信機能がないことと、防水性がないことだ。



キャンプやバーベキューなど、アウトドアシーンでの使用を想定したようなデザインであることから、イヤフォンジャックを省いたことは不満ながらも納得できるが、だとしたらやっぱり多少の防水性能は欲しいところである。



などと文句をつけつつも、僕はこのラジオをめちゃくちゃ気に入っていて、最近はどこへ行くのにも持ち歩くようになった。


そんなこんなで、とても充実している僕の最近のラジオライフだが、アナログなラジオは非常時の情報取得手段としても優れているということも最後に付け加えておきたい。



では再びRCサクセション、『スローバラード』を聴きながらお別れしましょう。

さようなら。



文・写真/佐藤誠二朗



佐藤誠二朗 さとうせいじろう 編集者/ライター、コラムニスト。1969年東京生まれ。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わり、2000〜2009年は「smart」編集長。カルチャー、ファッションを中心にしながら、アウトドア、デュアルライフ、時事、エンタメ、旅行、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動中。著書『ストリート・トラッド〜メンズファッションは温故知新』(集英社 2018)、『日本懐かしスニーカー大全』(辰巳出版 2020)、『オフィシャル・サブカルオヤジ・ハンドブック』(集英社 2021)。ほか編著書多数。 この著者の記事一覧はこちら(佐藤誠二朗)

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  • 私はラジオ(放送)はradikoで聴いています。 ラジオ(受信機)は私のお家のどこかにあるはずですが、行方不明。ちなみに、今の10〜20代前半の人の中にははラジオ(受信機)を見たことがない人も多いらしい。
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