人気車で大渋滞? 国産中型SUV5台を徹底比較! 第2回 【インテリア編】個性は車内に出る? 「CX-60」はマツダらしさ満載!

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2023年01月31日 11:31  マイナビニュース

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人気の国産ミドルサイズSUV5車種は内装にも各社の個性が出ている。シートやインパネの質感だけでは甲乙がつけがたいが、装備面、機能面、まとまり具合といった観点で比べてみた結果、第1位はエクステリア編に続きマツダ「CX-60」ということになった。何しろ、評価すべきポイントが満載なのだ。


乗り比べたのはトヨタ自動車「RAV4」(シリーズパラレルハイブリッド)、三菱自動車工業「アウトランダーPHEV」(プライグインハイブリッド車=PHEV)、日産自動車「エクストレイル」(シリーズハイブリッド=e-POWER)、マツダ「CX-60」(ディーゼルマイルドハイブリッド)、ホンダ「ZR-V」(2モーターハイブリッド=e:HEV)の5車種。今回はインテリアを見ていきたい。

○1位:マツダ「CX-60」



トップにはエクステリア編に続いてマツダ「CX-60」を推したい。「プレミアムスポーツ」仕様のタンカラーの内装は、厚みのあるナッパレザーと「レガーヌ」と呼ばれる合皮のコンビ仕様。シートにはアンコがたっぷりと詰まっている。ステアリングホイールのセンターホーンもタンで覆われているのは、国産モデルではなかなか見られない設え。テカリを抑えたブラックパーツとのコントラストも見事だ。


「プレミアムモダン」仕様のピュアホワイトの内装も人気で、その仕上がりは「マツダ車史上最高」をうたうほど。“ラージ商品群”の第1弾にふさわしい上質感である。


ドライバーの身体サイズと顔認証により、シートやステアリング位置の最適なセッティングを行う「自動ドライビングポジションガイド」は、運転姿勢にこだわるマツダらしい機能だ。FRらしさを主張する幅広で高さがあるセンターコンソール、その割に広々とした足元空間、操作しやすいオルガン式アクセルペダル、低いウエストラインによる良好な視界、直感的な使いやすさを考慮したエアコンパネルなども高得点の要因だ。


○2位:ホンダ「ZR-V」



2位はホンダの「ZR-V」。車内は「シビック」で好評だった左右いっぱいまで広がるメッシュタイプのエアコンルーバーを基調としている。3本スポークステアリングやダイヤル式のエアコンパネル、柔らかな形状のパッドで覆われたユニークなデザインのセンターコンソール、スイッチ式のシフトボタンやドライブモードボタンなどは配置が適切で操作しやすい。


アイポイントはSUVらしく、それなりに高い位置にあるにもかかわらず、ドライビングポジションは足を前方に投げ出すようなセダンライクなスタイルが取れる。運転好きのホンダユーザーにも、きっちり訴求できるポイントだ。渋いカラーのシートの作りは上質で、リアシートを折りたたむと座面がダイブダウンしてフルフラットになるところなど、きめ細かい作りにも好感が持てる。


○3位:三菱自動車「アウトランダー」



3位の三菱自動車工業「アウトランダーPHEV」は、エマージェンシー用とはいえ3列シートを備えているところが立派だ。室内空間は、今回の5台の中では最大のサイズを確保している。3列目シートを折りたたむと、当然ながら広大なラゲッジルームが出現する。


インテリアの質感や色使いについては、プアだった先代に比べて大幅にクオリティがアップしている点が見逃せない。乗り込んでみると、ダッシュボードやドアパネルにはサドルタンカラーのソフトパッドがちょうどいいサイズで配されていて、ブラックベースのインテリアとのコントラストが印象的だ。



シートはたっぷりとしたサイズで、表皮には厚みのあるセミアニリンレザーが使われている。センター部分にはパッドと同色のステッチがダイヤモンド型に縫い込まれている。テカテカと光るブラックパネルやシルバーのドライブモードダイヤルなどには、ギラつきを抑えた材質を使えばもっとよくなる気がする。ウエストラインが少し高目の位置にあるのは、駐車場の出入りなどで気になった。

○同率4位:「エクストレイル」と「RAV4」



日産自動車「エクストレイル」のインテリアはブラックの合成皮革やセルクロスの防水仕様、レザーシートが標準。オプションでタンカラーの内装色とナッパレザーの本革シートが選べる。オプション装着車に試乗したのだが、センターコンソール上面の艶消しヘアラインブラックパネルと車内のコントラストが丁度よく、上質感は抜群だ。


気になるのは、室内の各部分のラインに統一感がなく、あっちに向いたりこっちに向いたりで落ち着きがないところ。最近の日産車はこうしたデザインが多い気がする。また、後席を倒すと広大なラゲッジルームが出現するのだけれども、シート背面が少し出っ張っていて、フルフラットにならないのは惜しいところだ。



同じく4位のトヨタ自動車「RAV4」のインテリアは、オフロードモデルらしく各パーツが大ぶりな設えで、使いやすいデザインになっている。ドライバーズシートからの見晴らしもよいので、すぐに運転に慣れることができる。


インストゥルメントパネルはオレンジとシルバーの加飾を採用していて、アウトドア感覚にあふれているのがいい。これなら泥だらけの靴で乗り込んでも気にならない、という気分にさせてくれる。実用面での“道具”としてのインテリアを考えると、RAV4はいまだに高得点を叩き出している。



次は走行性能編だ。



原アキラ はらあきら 1983年、某通信社写真部に入社。カメラマン、デスクを経験後、デジタル部門で自動車を担当。週1本、年間50本の試乗記を約5年間執筆。現在フリーで各メディアに記事を発表中。試乗会、発表会に関わらず、自ら写真を撮影することを信条とする。 この著者の記事一覧はこちら(原アキラ)
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