「Web3に乗り遅れてはいけない」 OASトークンがbitbankに上場 ゲーム特化のブロックチェーンOasysとは何か?

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2023年01月31日 12:12  ITmedia NEWS

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シンガポールにあるOasys社の主要メンバー

 ゲーム特化型ブロックチェーン「Oasys(オアシス)」のネイティブトークンであるOASが、3月に仮想通貨取引所のbitbankへ上場する。このOasysは、実は日本人中心のメンバーがシンガポールで起業したものだ。いったいどんなブロックチェーンなのか。



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 Oasysは、2022年2月にシンガポールのOasys社が開始したプロジェクト。代表を務める松原亮氏は、国内ブロックチェーンゲームの開発で知られるダブルジャンプ(double jump.tokyo)の出身だ。



 「18年ころ、日本はブロックチェーンゲームで売上高世界一だった。ところがイーサリアムのガス代(送金手数料)高騰で、他の既存チェーンを試したが満足できず、自分たちで作るしかないとなり、プロジェクトをスタートした」(松原氏)



 Oasysチェーンの主要メンバーの多くは日本人にもかかわらず、シンガポールで起業したのは、税制と会計に課題があったためだ。当時、新たにブロックチェーンを作って発行したネイティブトークンは、売出しを行って価格が付くと、含み益に対して課税されるという課題があった。



 この税制の問題は、令和5年度の税制改正大綱で見直しが入ったが、多くのWeb3プロジェクトが日本から海外へ流出する事態を引き起こした。



 もう一つが会計だ。例えばダブルジャンプがトークンを発行した場合、ダブルジャンプの株主である上場企業は出資先の監査を行わなければならない。しかし当時、トークン監査はルールが明確に定まっておらず「監査法人がトークン監査にあまり乗り気ではない」(松原氏)という課題もあった。



 そのため、松原氏などはシンガポールで起業。ダブルジャンプなどのブロックチェーン企業が利用することを前提に、Oasysブロックチェーンの開発をスタートした。



●二層に分かれたOasysチェーン



 ではOasysブロックチェーンの特徴はどんなところにあるのか。通常のパブリックブロックチェーンを使った一層目と、プライベートブロックチェーンを使った二層目に分かれている点だ。



 これはゲーム会社ごとに二層目を作成できるところにメリットがある。自社のゲーム内でブロックチェーンを閉じることができ、ガス代も掛からなければスピードも速い。実質的には、ブロックチェーンライクなデータベースという形で運用できる。またユーザーの秘密鍵を預かっても、暗号資産交換業のライセンスを取らずにゲームが作れるという利点もある。



 こうしたメリットから、DMM.comは同社初となるブロックチェーンゲーム「かんぱに☆ガールズ RE:BLOOM」をOasysチェーンで稼働させ、DMM独自の第二層チェーンを構築することを発表している。



 松原氏は日本のゲーム業界の現状について「モバイルでは世界でシェアを落としているので、Web3では乗り遅れてはいけない」と話す。ゲーム特化のOasysチェーンを普及させることで、その後押しを目指す。



 Oasys社自体は28年までに完全DAO化し、分散型組織へ移行する計画だ。



 Oasysチェーンを使ったブロックチェーンゲームは、春から夏にかけて登場する見通しとなっている。


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