年齢はただの数字! 長谷部誠の「39歳10日」を超える、欧州5大リーグの最年長プレーヤーは?

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2023年01月31日 18:12  サッカーキング

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欧州5大リーグの最年長プレーヤーを紹介 [写真]=Getty Images
 フランクフルトに所属する元日本代表MF長谷部誠が偉大な記録を打ち立て、話題になっている。

 2014年からフランクフルトに所属するチーム最古参の一人である長谷部は、28日に行われたブンデスリーガ第18節のバイエルン戦に先発出場した。昨年10月以来、約3カ月ぶりの出場となった長谷部は、ブンデスリーガの優勝争いを占う大一番で冷静沈着にプレー。最終ラインでフル出場を果たし、危ない場面ではシュートブロックでチームを救った。フランクフルトは首位バイエルンを相手に1−1のドローゲームを演じ、価値ある勝ち点1を持ち帰っている。

「39歳10日」で出場した長谷部は、ブンデスリーガにおけるフィールドプレーヤーのクラブ最年長出場記録を更新した。偉大な選手による偉大な記録の達成となったが、上には上がいる。というわけで、欧州5大リーグの「歴代最年長プレーヤー」を見ていこう。

■ブンデスリーガ


 長谷部の「39歳10日」は、ブンデスリーガの“フィールドプレーヤー”としては歴代8位の記録。同ランキングで1位に君臨するのは、元西ドイツ代表DFクラウス・フィヒテル氏である。

 1960〜80年代にかけて2度に渡ってシャルケに所属したフィヒテル氏は、センターバック/スイーパーとして活躍。1965年に20歳でブンデスリーガデビューを果たすと、ブレーメンに所属した4年間を除いて、ずっとシャルケでプレーすることになった。1967年には西ドイツ代表選手としてもデビューを果たし、1970年のワールドカップ・メキシコ大会にも出場。西ドイツの3位に貢献した。

 シャルケでは若い頃からレギュラーを張り、引退するまでにクラブ記録となる公式戦556試合に出場。ブンデスリーガに限ってもクラブ最多記録の477試合、ブレーメン時代も合わせると「552試合」もピッチに立っており、これはブンデスリーガ全体の歴代4位の記録だ。ちなみに3位はバイエルンなどで活躍した元ドイツ代表GKオリヴァー・カーン氏の557試合だ。

 結局フィヒテル氏は1987−88シーズンまでプレーし続け、歴代最多記録となる22シーズンもブンデスリーガで過ごした(ブレーメン時代に1年だけ2部でプレー)。そして、彼の552試合目にして最後のゲームが、1987−88シーズンの最終節のブレーメン戦だった。その時、フィヒテル氏は「43歳184日」。これがブンデスリーガの最年長出場記録となっている。この記録は、フィールドプレーヤーに限らずGKを含めても同リーグの最年長記録だという。

 ちなみに、1984年1月18日生まれの長谷部がこの記録を抜くのは、4年後の2027−28シーズンの開幕時となる。

■プレミアリーグ


 1992年に発足したイングランドのプレミアリーグで最年長の出場記録を有するのは、キャリアを通じて「29クラブ」も渡り歩いたイングランド人GKジョン・バーリッジ氏である。地元のウォーキントンでキャリアをスタートさせたバーリッジ氏は、有名なところではアストン・ヴィラ、クリスタル・パレス、ウルヴァーハンプトン、サウサンプトン、ニューカッスルなどに所属。1951年生まれの同選手は、全盛期がプレミアリーグ発足以前だったため、プレミアリーグでは4試合にしか出場できなかった。それがマンチェスター・C時代の1994−95シーズンである。

 1994年12月、スコットランド2部のクラブに所属していたバーリッジ氏は、GKに故障者が出たシティに加入することに。既に43歳になっていたバーリッジ氏は、万が一に備えた控えGKだった。そんな彼にチャンスが回ってきたのは、1995年4月のこと。チームの正GKが太腿を痛めて負傷交代となり、代わりにバーリッジ氏がゴールマウスを守ることになったのだ。43歳にしてピッチに立ったベテランキーパーには大歓声が送られたという。

 結局バーリッジ氏は、そこからシーズン終了までプレミアリーグで4試合に出場。シーズン最終節の1995年5月14日のQPR戦で「43歳162日」というプレミアリーグの最年長出場記録を打ち立てたのだ。シーズン終了後にシティを退団したバーリッジ氏は、その後も下部リーグなどを渡り歩いて1997年までプレーした。

 ちなみに、1992年以前を含めると、イングランドのトップリーグにおける歴代最年長プレーヤーは、第1回のバロンドール受賞者である元イングランド代表FWスタンリー・マシューズ氏だ。ストーク時代の1965年2月に「50歳5日」でピッチに立ったという。

■ラ・リーガ


 スペイントップリーグの最年長出場記録には少し説明が必要だ。2013年1月、前年に現役を退いていた元スペイン代表GKリカルド氏が、負傷者に悩まされる古巣オサスナで現役復帰を果たすことになった。そしてアトレティコ・マドリードやマンチェスター・Uでもプレー経験のあるGKは、そのシーズンの最終節となった2013年6月1日のレアル・マドリード戦に出場。「41歳153日」で出場した一戦が、彼のラストゲームとなった。そして、これがラ・リーガの記録と言われているのだが、過去には“特例”があるそうだ。

 それがリカルド氏の「41歳」を大幅に上回るイングランド人MFハリー・ロウ氏の記録である。1935年、当時レアル・ソシエダの監督を務めていたロウ氏は、クラブの財政状況が理由で敵地でのバレンシア戦に控え選手を連れて行けなかったという。そんな試合で選手が体調不良により欠場することに。代わりの選手がいなかったため、監督が自ら先発出場したというのだ。当時、ロウ氏は「48歳226日」。そのため、こちらが本当の記録だという声もある。ちなみに、その試合でソシエダは1−7の大敗を喫するのだが、ロウ氏は見事にアシストを記録したという。

■セリエA


 イタリアのセリエAで最年長記録を持つのは、元ラツィオのイタリア人GKマルコ・バロッタ氏だ。パルマやインテルに所属した経験もあるバロッタ氏は、2005年に41歳にして第3GKとして古巣ラツィオに復帰。すると、同シーズンに正GKが負傷したためバロッタ氏に出場機会が回ってくる。その時点で、“英雄”と謳われた元イタリア代表GKディノ・ゾフ氏が持っていた「41歳34日」というセリエAの最年長記録を更新した。

 その後もチームメイトの負傷などで出番が回ってきたバロッタ氏は、ラツィオに3年間在籍。そして2007−08シーズンには正GKを務めることになった。同シーズン終盤戦、2008年5月11日のジェノア戦に出場して「44歳38日」という偉大な記録を打ち立て、シーズン終了後に現役を引退した。バロッタ氏は、そのシーズンにチャンピオンズリーグにも出場しており、「43歳252日」で同大会の最年長出場記録まで樹立している。

 ちなみに、現在セリエBのパルマに所属する元イタリア代表GKジャンルイジ・ブッフォンは45歳。まだ1年半も契約が残っており、もしパルマがセリエAに返り咲けば、ブッフォンが最年長出場記録を更新するかもしれない。

■リーグ・アン


 近年、フランスのトップリーグで最年長記録を持つのは、2021年に現役を退いたブラジル人DFヴィトリーノ・イウトン氏だ。母国ブラジルでキャリアをスタートさせたイウトン氏は、スイスを経て2004年からフランスでプレー。ランスやマルセイユに所属した後、2011年にモンペリエに加入すると同クラブで11シーズンも主力として活躍した。

 そして現役ファイナルイヤーとなった2020−21シーズンの最終節、主将としてナント戦に出場して「43歳252日」という記録を打ち立てたのだ。これは1956年に「44歳4日」で出場した元フランス代表FWロジェ・クルトワ氏以降では、リーグ・アンの最年長記録だという。

 このように、各リーグに偉大な記録が残っているわけだが、果たして長谷部はどこまで記録を伸ばせるのか。今後も、フランクフルトのベテラン日本人選手に注目だ。

(記事/Footmedia)

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