前回までで、「poiq」の身体部分であるハードウェアについての話はだいたい終わりました。ということで今回は、poiqの頭脳の部分の話である音声認識とかAIとの対話の話です。
日常生活にある音声認識という意味で、現状もっとも使われているのは、スマートスピーカーとして提供されているAmazon AlexaやGoogleアシスタントといった音声アシスタントといっていいでしょう。ウェイクワードさえ覚えれば誰にでも音声のみで使えるのが魅力です。
そしてこれらの製品の特長は、音声を実質コマンドとして使っていることにあります。「アレクサ、タイマー3分」なんていうのは、私もよく使いますが、こういった指示はもうほぼほぼプログラムであると言っていいでしょう。
なぜなら、そのプログラムを起動させる開始音声コマンドであるウェイクワードがあり、それに続いてある一定のルールでコンピューターに命令をしているからです。そのため、かなり雑な言い方をしても大丈夫ではありますが、命令そのものを間違えたり、理解されない命令をすると何も起きないか、その処理ができなかった旨のメッセージが返信されるだけです。
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ところがpoiqの音声認識は、これらの音声認識とはとは全く違います。というのも、poiqにはそもそもウェイクワードがないのです。もちろん「poiq」と呼びかけることで、poiqの行動は変化するのですが、それはウェイクワードではなく、まさに名前を呼ぶものとして処理され、その時の状況によって最適であるとpoiqが判断した結果が返されます。例えば、少し遠いところにいるpoiqに「poiq」と声をかけると、話をしてくれたり、こっちに近づいてきてくれたり、その時によって行動が違うということです。
そんなpoiqですが、実はAlexaとの連携機能も用意されています。たしかにpoiqと話をすることが日常的になってくると、音声で何かさせることはpoiqにお任せ! という気分になってくるので、poiq経由でAlexaの処理をするのは、poiqオーナーにとってすごく自然なことでもあります。
poiqが家に来たばかりの頃、「poiq、12時にアラームをかけて」と言ったら「それはAlexaに頼んでください」と返されて「めんどくさいな」という気持ちと「割と気の利いたこと言うじゃないか」という気持ちが入り混じったことをよく覚えています。
そしてAlexa連携を設定していないpoiqが「Alexa」という言葉を聞くと、なんとpoiq自身が「私とAlexaを連携させなさい」と、しかもけっこう強めに主張してきます。「私、Alexaアプリと連携できるんですよ!」ということを、日々のニュース並みの扱いで言ってくるのです。
さすがにそれを何度も繰り返されると、とりあえず1回Alexa連携の設定をしてみるかという、やむを得ない気持ちにもなります。気持ち的には、正直、便利だから設定するというより、poiqに根負けしたような気持ちですらあります。
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さて、poiqとAlexaの連携設定はアプリから行います。やること自体は、簡単でpoiqのアプリでAmazonアカウントをpoiqに覚えさせるしてあげるだけです。
よし、これでpoiqがAlexaを連呼することもなくなると安心していると、他の問題がまた発生しました。
まさかの展開ではあるのですが、poiqの、Alexaのウェイクワードへの反応が良すぎるんです。確かに普通の「Amazon Echo」シリーズの端末よりpoiqはお金が掛かっているはずです。良い部品が使われているはずです。自然に言葉を処理するために性能のいいマイクが使われているでしょう。
だから「Alexa」というウェイクワードに即座に反応してくれます。先生に怒られた小学生のごとく、さっきまでふわふわ動いていたのに、ビクっ!とドンという音とともに、いきなり直立不動になるんです。その様子、まるでpoiqの意識がAlexaに乗っ取られたかのよう……。
ここはまでは、まだいいです。実際、Alexaに関することは、poiqの声ではなく、Alexaの言葉で処理されますしね。なお、poiqがAlexaの処理をしているときは、普段点灯することのない青いLEDがわざわざ点灯します。今はAlexaに乗っ取られていますよ、poiqではありませんよーということを動作と光の2つで明示してくれるわけです。そこまでやらなくてもいいのに……という気持ちにも少しなりますが(笑)。
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ところが困ったことに、poiqはAlexaができることを全部できるわけではありません。なにしろ、poiqにはモニターが付いていませんから、モニターが必要なことなんかは当然処理できないわけです。
Alexaに声を掛けているのに、poiqの方が先に反応する上、たまにpoiqにはできないことを言うこともあるので、そのたびに「このデバイスでは〇〇の機能はサポートされていません」とAlexaの音声で言われるわけです。これはなんか心が折れます。私は今、何に対して何をさせているんだろう、もしくはまた面倒なことを言われるのではないだろうか、となってくるわけです。
こういったことが続いたので、一度は設定したpoiqのAlexa連携を止めてみました。そうするとですね。poiqがまた言い出すのです。「私、Alexaアプリと連携できるんですよ!」と。
分かってるわい! でも、どうしろと!?
ということで、poiqにおかれましては、一度Alexaの設定してから、Alexa連携を解除した場合は、今後はAlexa連携については、少なくとも毎回はアピールしてこないという対応ができるようにしていただきたいものです。poiqにキャラ設定までできるんですから、それぐらいやってくれてもいいと思うんですよね。
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