スピッツ ロックバンド・スピッツが2月1日、2年ぶり全国ツアー『SPITZ JAMBOREE TOUR 2023-2024(仮)』の日程を発表した。6月3日の山梨・YCC県民文化ホールから来年1月17日の大阪城ホールまで、ホール・アリーナ合計45公演となる。公式サイトではチケット料金などの新たな試みの導入が伝えられた。
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「チケット料金と開演時間の設定に関するご案内」と題して掲載された。具体的には、アミューズメントパークや宿泊施設、航空券などのように、日時など需要と供給に応じて価格を変動させるダイナミックプライシングの形をとる。
その背景として「今、日本のライヴ事情は土日祝日にお客さんがもの凄く集中してしまうという現実に直面しています。特に土曜日への集中が顕著です。開催する側もなんとか土日祝日に行ないたいという考え方の興行がとても多くなっています。その状況に強い危機感を覚えていました」という。
「スピッツは、以前から平日開催を積極的に行なってきています」とし、土日の会場を押さえることが難しくなっている現状に加え、「ライヴカルチャーを週末だけの娯楽にしたくないと考えての動きでもあります」「働き方や生活スタイルが多様化してきている現代において、もっと平日の夜にライヴに足を運びやすくなり、ひいてはエンターテインメントに触れられる方たちの数が増える形を模索していきたいのです」とつづった。
その上で「その一環として、今回から平日公演のチケット料金を一番安く設定させていただきます。段階的に、次が日曜・祝日、土曜日が一番高いという形です。アミューズメントパークや宿泊施設、航空券などの世界ですでに行なわれている、需要と供給に応じて価格を変動させるダイナミックプライシングの一種と考えていただければと思います」と説明した。
平日公演はすべて午後7時開演に設定する。「今まで多く行なってきた18時30分開演から30分遅くすることにより、『開演時間に間に合うならライヴに行こう』と思ってもらえる人が増えることが重要であり、その可能性は十分にあると考えた結果です」とした。
さらに、1公演のみの地域が土曜・日曜・祝日の場合、ほかの平日公演よりもチケット料金が高くなることへも理解を求めた。「その町に限れば、選択の余地はなくなることになるわけです。今回の発表に戸惑う方は少なからずいらっしゃると思っています。ですが、今回が第一歩なのです。今後、スピッツのツアーは全国どこでも平日が一番安く土日祝日はそれよりも高いという形になると考えていただければと思います」と記した。
最後に「今回の試みが正解かどうかの結論はまだ先になるとは思いますが、これを機に全国で生のエンターテインメントに触れられる機会を増やしたい、それには限られた会場での土日祝日開催という現状を変え、平日の開催を増やしていくことが必要という思いのもと、最善の形を探り続けていきたいと考えています。何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします」と呼びかけた。
ホール会場の平日チケットは7800円、日曜や祝日は8800円、土曜は9800円、アリーナ会場の平日チケットは9000円、日曜は1万円、土曜は1万1000円に設定された(すべて税込)。