【漫画】「桃太郎」が鬼と友達になろうとしたら? 昔話に新たな視点を与えるSNS漫画に涙腺崩壊

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2023年02月03日 09:01  リアルサウンド

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漫画『桃と岩。』より

 既存の童話をベースした創作は、オリジナルの物語を別の側面から解釈し、新たな気づきを与えてくれることがある。1月21日にTwitterで公開されたオリジナル漫画『桃と岩。』は、童話「桃太郎」をオマージュした作品となっており、桃太郎が鬼と友達になるという新しい切り口のストーリーだ。


(参考:創作漫画『桃と岩。』を読む


 桃から生まれた桃太郎ことキビ彦は、その出生の特異さから、村では仲間外れにされていた。友達を求め、旅立った先は鬼ヶ島。不穏な空気の漂う島で、キビ彦はやさしい鬼の少年イチと出会うが、「お前…殺されるぞ……」と忠告されて――。


 作者のウタクニさん(@uta_kuni)は今現在、イラストレーターとして活動しながら、マンガ制作をしているという。ストーリーのテンポ感が心地よく、読者に感動を与える本作はどのようにして描かれたのか話を聞いた。(望月悠木)


■岡山の神話『温羅伝説』を参考に


――なぜ『桃と岩。』を制作しようと思ったのですか?


ウタクニ:王道の少年漫画を描いてみたく、「まず古典に学ぼう!」思って桃太郎を選びました。“少年が悪者を倒す”という物語のベストセラーでもありますので。とはいえ、なぞっても面白くはないので、設定をアレンジしました。


――キャラクター制作におけるにモデルはいましたか?


ウタクニ:モデルはいません。ただ、桃太郎の元ネタと言われる岡山神話『温羅伝説』の人物、キビツヒコと温羅(うら)の要素が入っています。『温羅伝説』では、百済から温羅という残酷な王子が渡来し、岡山の岩屋に住みつき、それを英雄であるキビツヒコが退治する、という話になっています。温羅の岩屋は今も岡山に「鬼の差し上げ岩」として実在するので、そこも参考にしました。


――温鬼は“鬼っぽい角”ではなく触角のような角でした。


ウタクニ:温鬼の角は、能の般若の面の要素が入っています。また、服装などは奈良の仏像と、仏像に踏まれる邪鬼がモチーフです。


――テンポ良く読める内容でしたが、物語の進行についてはどのように意識しましたか?


ウタクニ:とにかく最後まで読んでもらうため、展開を急いで描きました。ただ急すぎるのも良くないので、今は緩急をつけることが課題です。


■次に仲間になるのは犬?


――バトルシーンはとても迫力がありました。何か工夫した点はありますか?


ウタクニ:描き込みです。技術的に未熟なため、キャラクターの感情を線で重ねることで、緊迫感を出そうと試みました。


――2人の今後の旅の様子が気になります。


ウタクニ:本作は、鬼、犬、鳥、猿という童話の逆順に仲間を増やす、という物語の1話として制作しました。発表時期は未定ですが、続編は次の「犬」の話を描きたいです。


――ウタクニさんの今後の目標など教えてください。


ウタクニ:「面白いマンガを定期的に出せるようになりたい」というのが今の目標です。ただ「面白い」は見る層によって評価も異なるので、楽しく描けて、かつ人に喜んでもらえるラインはどこか探っています。今回は少年誌を想定して描きましたが、続けて描いていけることも意識して活動したいです。


(望月悠木)


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