新日本プロレスに「トリック」…西島秀俊・主演ドラマは「ダイワマン」風味?

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2023年02月03日 11:30  AERA dot.

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カトリーヌあやこ・漫画家&TVウォッチャー
 漫画家&TVウォッチャーのカトリーヌあやこ氏さんが「警視庁アウトサイダー」(テレビ朝日系 木曜21:00〜)をウォッチした。


【画像】カトリーヌあやこ氏によるイラストはこちら*  *  *


 本庁組織犯罪対策部から所轄に飛ばされた、元マル暴刑事・架川(西島秀俊)。相棒はある秘密を持つ所轄のエース・蓮見(濱田岳)と、警視庁副総監の娘で新米刑事の水木(上白石萌歌)だ。


 実は蓮見は経歴を成りすましている。その正体は殺人犯として服役中の巡査部長・梶間の息子、直人。父の冤罪を晴らすため警察に潜入した。


 その秘密を知った架川が蓮見(成りすまし)と地下駐車場で銃を突きつけあうメキシカン・スタンドオフな1話のラスト。ここだけ聞いたら、すわノワールな警察モノか!って色めきたつでしょ?


 西島秀俊なんだから「MOZU」なの?て、思うでしょ? 違うんだ、どっちかっつーと「ダイワマン」(CM)なんだ。


 だって1話冒頭は新日本プロレス。商店街の出張プロレスに乱入した刃物男を架川が確保する。


 その後やたらとぶっこまれる所轄のマスコット「ちぇりポくん」(まったく可愛くない)。そして「え?」「え?」「え?」と言うたび切り替わる細かすぎるカット。


 なぜか携帯3個持ち、着信音は「はぐれ刑事純情派」のメロディーで、血を見れば卒倒。何かと後ろ向きに歩く男・架川。



 やたら新日本プロレスとマスコットを推し、ちりばめられる小ネタと小刻みなカット。


 知ってる、これは「99.9−刑事専門弁護士−」の木村ひさし演出! そうです、こちら木村ひさしドラマなんです。


 というわけで、クラブ「カルチャー」に聞き込みに行けば、ボーイのジョージが出てきて「ボーイ・ジョージ!?」と西島がはしゃぐ。


 上白石は、ひろゆきこと西村博之氏の常套句「それってあなたの主観ですよね!」を、「トリック」の仲間由紀恵ばりの指さしポーズで言い放つ。


 ほぼほぼ、そんなドラマです。西島が相棒たちに缶コーヒーを渡す場面も抜かりなし。松崎しげるの画像入り「しげるのブラックコーヒー」に尾藤イサオな「イサオの微糖」。それじゃ何か? 甘いやつは「茶の加糖」か、加糖ちゃんペか。座布団取られまくるわ!


 何気にあやしい空気を振りまく議員役の斎藤工もただじゃすまないはず。


 最後はきっとシン・ウルトラマン(斎藤)vs.ダイワマン(西島)が、新日本のリングで大バトルだ! ただし、それって私の主観ですけどね。


カトリーヌあやこ/漫画家&TVウォッチャー。「週刊ザテレビジョン」でイラストコラム「すちゃらかTV!」を連載中。著書にフィギュアスケートルポ漫画「フィギュアおばかさん」(新書館)など

※週刊朝日  2023年2月10日号


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