
恵方巻きの食べ方、縁起の良い具材、節分の献立
節分の恵方巻きには、食べ方のルールや縁起の良い具材があります。また、恵方巻きを主役にした節分の献立・メニューもご紹介します。恵方巻きの食べ方ルール
節分の恵方巻きの食べ方には、独特のルールがあります。基本的なルールをご紹介します。恵方巻きをひとりにつき1本準備する
福を巻き込む巻き寿司なので、縁が切れたり、福が途切れたりしないよう、包丁で切ってはいけない。その年の恵方を向く
その年の歳徳神がいる方角で、何事も吉とされている恵方を向いて食べる。願いごとをしながら、黙って最後まで食べる
しゃべると運が逃げてしまうため、食べ終わるまで口をきいてはいけない。さらに、目を閉じて食べる、笑いながら食べるという説もある。
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恵方巻きの具材と意味
恵方巻きは福を巻き込むという意味を込めた巻き寿司なので、縁起の良い具材が好まれます。七福神にあやかり7種類の具が入った太巻きが望ましいとされています。一般的な具材の意味
・かんぴょう:細くて長いので「長寿祈願」「縁結び」・しいたけ煮:かさの形が陣笠に似ているので「身を守る」
・卵焼き/伊達巻:黄金色で「金運上昇」、伊達巻は巻物に似ているので「知識向上」
・うなぎ:うなぎのぼりに通じて「上昇・出世」
・桜でんぶ:鯛などの白身魚をほぐしており、春を象徴する桜色で「めでたい」
・きゅうり:きゅうりの名から「九の利を得る」
・海老:腰が曲がるまで「長生き」
節分の献立・メニュー、恵方巻きのおかず
恵方巻きのほかにも、節分に食べると縁起が良い食べ物があります。恵方巻きに合わせれば、立派な節分メニューになります。鰯(いわし)
節分に鰯を食べるのは、鬼の嫌いな「鰯のくさい臭い」で鬼退治をする「焼嗅(やいかがし)」(別名「柊鰯」「鰯柊」)という風習に由来します。焼き魚にするのが基本ですが、「鰯の梅煮」「鰯の甘露煮」なども人気です。そば
全国各地で節分にそばを食べる風習がみられます。これを「節分そば」といいます。立春の前日は大晦日のようなものなので、大晦日の年越しそばと同じように、節分にそばを食べるのです。こんにゃく
四国をはじめ全国各地で、節分にこんにゃくを食べる風習があります。昔の人は、食物繊維が豊富なこんにゃくを食べると体内にたまった悪いものが出ると考え、「胃のほうき」「腸の砂おろし」と呼んで、大晦日や節分、大掃除のあとなどに食べていました。
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けんちん汁
関東地方では節分にけんちん汁を食べる例がみられます。節分のみならず、けんちん汁は恵比須講、初午など冬の行事食としても親しまれてきましたが、家庭からこうした行事がすたれてしまったため、おなじみの節分にけんちん汁が残ったものと思われます。また、節分の大豆をけんちん汁に入れる場合もあります。くじら
山陰地方では節分にくじらを食べる風習があります。大きなものを食べて邪気を払い、大きな幸せを得るためだといわれています。くじら汁、刺身、くじらベーコン、おばいけ、竜田揚げなどにして食べます。福茶
全国的に飲む風習がみられます。福茶は、「よろこぶ」につながる昆布と松竹梅の梅が入ったおめでたいお茶で、お正月にもいただく縁起のいいものです。節分にはさらに「3」という吉数の豆が入り、1年間「まめまめしく働ける」という意味もあります。節分の豆を年の数だけ食べられないときにも重宝し、豆がお湯にふやけておいしくいただけます。
(文:三浦 康子(暮らしの歳時記ガイド))