しかし……実は投稿者さんがこのような想いに至るには、生い立ちが関係しているようなんです。
『私の母親は育児放棄&虐待親でした。だから「お母さん」にまったくいいイメージがありません。幼少期のように誰からも気にかけてもらえず、大人になったら生まれてくる子どもを守るため、自分の人生を犠牲にしなければいけないような気分です』「お母さん」に対していいイメージがないと話す投稿者さん。もしかしたら妊娠をきっかけに、幼少期からの複雑な思いがあふれてしまったのかもしれませんね……。
産婦人科医の言葉がきっかけで夫婦関係がギクシャク
もう1つ、出産を楽しみにしていた投稿者さんが落ち込んだきっかけとして、産科医に言われた言葉が大きいようです。いったい何があったのでしょうか?
『里帰りしないことと虐待されて育ったことを話したら、産科医から「あなたみたいな育ち方をすると子どもを虐待する」「子育ては親の犠牲があってこそ」と言われました。旦那からも子どもを産む前から虐待を疑われ、責められてます。あの言葉がなければ、わが子の誕生を待ちわびることができたのに。嬉しかった気持ちも消え失せてしまい、ひどく気分が落ち込んでしまいます』産科医がそのように発言したのか、投稿者さん自身がそう受け取ってしまったのかはわかりません。ただ旦那さんは投稿者さんの生い立ちを知ったうえで、すべてを受け入れてくれていたようです。その旦那さんの態度が、産科医の話以降、激変してしまったようなのです……。
|
|
同じ境遇のママたちから励ましの声
ママスタコミュニティには、ママたちからの励ましのメッセージが届きました。なかには投稿者さんと同じような経験をして育ったママからのコメントも……。
『私も同じように育ったから、投稿者さんの気持ちが痛いほどわかります。親のようになりかけたけど、私は子どもを愛することができるようになりました。子どもは一生懸命愛してくれます。時に甘えて助けてもらって、子どもと楽しみながら自分自身も育てていけばいいと思いますよ!』投稿者さんと似たような境遇で育ったと話すママからは、「私は子どもを愛することができるようになりました」との力強いコメントが。「あなたみたいな育ち方をすると子どもを虐待する」という産科医からの言葉より、何倍も説得力のある言葉なのではないでしょうか。これに対し、投稿者さんは……。
『不安ななか過ごしていたので同じ境遇の方がいて嬉しいです』と、ホッとした様子。
不安な投稿者さんが出産前すべきことは
『病院は変えればいい。だけど旦那さんは自分の意志で選択して結婚したんだよね。ちゃんと向き合ってみて』
『私も、妊娠から子どもが幼児の頃まで、自分の名前を失ったみたいに感じたことがあります。過ぎてみれば、その期間は仕方がないのかなとも思います。子どもが育てば、また自分に戻ることができます。旦那さんにだけは「私という人間も大事にして欲しい」と伝えてみては?』
|
|
『旦那さんに気にかけてもらいたいなら、その気持ちを正直に打ち明けるべき。産後、赤ちゃん産まれたらそんな会話する間もしばらく取れないよ』ママたちからは、出産前に旦那さんとの話し合ったほうがいいとのアドバイスが届きました。出産は人生のなかで一大イベントです。不安を抱えたままのぞむのではなく、晴れやかな気持ちで出産に向き合いたいですよね。そのためには今の気持ち、そして要望を旦那さんにしっかり伝える必要がありそうです。
身近なところで自分と同じ境遇で育ってママと知り合うのは難しいかもしれません。人によっては、近所の人にうわさを流されることを心配して、本心を言えないという場合もあるでしょう。そんなときは、全国のママたちとオンラインでやり取りができる「ママスタコミュニティ」を活用してくださいね。今回のように自分の率直な気持ちを吐き出したり、気持ちを聞いてもらうこともできます。コメントや体験談を寄せてくれたママたちも、投稿者さんの出産を暖かく見守ってあげられるといいですね。
文・間野由利子 編集・荻野実紀子 イラスト・Ponko