『連続ドラマW ギバーテイカー』メイキングよりSexy Zone・菊池風磨(C)WOWOW 俳優の中谷美紀が主演を務め、人気グループ・Sexy Zoneの菊池風磨が共演するWOWOW『連続ドラマW ギバーテイカー』(毎週日曜 後10:00)の特別映像と場面写真&メイキング写真が解禁された。
【写真】監督と真剣に話し合う菊池風磨 同作は、すえのぶけいこ氏の漫画『ライフ2 ギバーテイカー』(講談社アフタヌーンKC)が原作。娘を殺された刑事・倉澤樹(中谷)と「幸せは奪うもの」という異常な価値観を持つ猟奇殺人犯・貴志ルオト(菊池)の死闘を描いた本格クライムサスペンスとなっている。
■菊池風磨、計り知れぬ狂気表現 監督から絶賛「いい表情するね」
ルオトが住み込みで働くベーカリー「幸せの穂」の自室で、1人の時間を過ごすシーンでは、美しい容姿からは計り知れぬ狂気を一気に解放させるルオトを菊池が見事に表現。声のトーン、口角の上げ方、歩みや瞬きの速度など、些細な表現にも気を配り、ひとつひとつの動きから狂気を感じさせ、静かさの中で緊張を与えていく。中でも壁に張り巡らされた倉澤の写真を、愛おしそうに眺めながら、鼻歌を静かに響かせる場面には、鈴木浩介監督も「いい表情をするね」と称賛した。
瞳に冷たい光を宿らせ「樹先生、もうすぐだね。もうすぐ会える」と倉澤との再会を心待ちにする菊池の姿は、ルオトそのもの。ルオトの得体の知れなさを見事に表現し、狂気を次第に爆発させていく姿が捉えられた自室でのシーンは、菊池の高い演技力が発揮された見どころとなった。
菊池は撮影中、「監督の撮影のスピードがとにかく速くて、日々試されているなと感じています。いい意味でスリリングな挑戦が続いている感覚があって、鍛えられている」と緊張感もありながら「監督が始めの段階から『ハマっているね』と言ってくださったので、安心できましたし、うれしかったです」と鈴木監督の言葉に励まされ、役者として充実な日々を過ごしたことを明かした。
■“美しき猟奇殺人犯”ルオトは「キャスティングがすべて」 菊池風磨に期待「独特な存在感をまとわれた方」
ルオトは「天使のような美少年」といわれた少年期の面影を残した、独特な雰囲気を身にまとう人物。医療少年院を退院し更生したとされているが、美しい容姿からは計り知れぬ狂気を宿し、異常な価値観、あることをきっかけに抱いた倉澤への執着心、精神的な幼さは、親しい友人でもあった倉澤の娘を惨殺した12年前から変わらず。超えてはならない一線を当たり前のように越え、「幸せは奪うもの」という価値観の貫通行動として人を殺める。理解し得ない行動に出た人間に抱く恐怖心や、考えたところで答えなど出るはずもないのに「なぜ」と思わず考え巡らせてしまう未曾有の事態に抱くリアルな感情を見る者に与えるルオト。演じるには、人を惹きつけるカリスマ性と、巧みな演技力が求められた。
キャスティングが難航する中、白羽の矢が立ったのが菊池。菊池の見たことのない姿に制作陣は多大な期待を抱き、圧倒的な存在感と儚(はかな)さを併せ持つドラマ版ルオトの誕生をかつ望し、熱烈なラブコールを送った。そして、菊池はその想像をはるかに超える名演を披露し、期待に応えて見せた。
このキャスティングについて、鈴木監督は「原作の世界観を大事にしつつ、ドラマ版に存在するルオトとして成立させるかに関しては、菊池さんのキャスティングがすべてでした」と振り返り、菊池との初対面を「独特な存在感をまとわれた方だなと感じたんです。『あ、ルオトだ。間違いなく彼がルオトになってくれる』と確信しました」という。そして「菊池さんから醸し出される存在感に浸りたく、少し離れて見ていたくなりました。なので、敢えて言葉で交わすのではなく、カットの積み重ねで彼にメッセージを送り続けることにしました」と新境地へ挑んだ菊池への演出について明かし「カメラを通して彼を見ていると、少しずつルオトと同化していくさまを感じました。見事、ルオトに憑依してくれて大感謝です」と太鼓判を押した。
また、脚本を手掛けた小峯裕之氏は「物語終盤は魅力的なキャスト陣に触発されて生まれたシーンも多く、キャストが作品の世界観を広げてくれたと思っています」と中谷、菊池をはじめキャスティングによって、ドラマの名場面が誕生したことを感謝する。中谷は、菊池の名演を「脚本を徹底的に読み込んで、ルオトという猟奇殺人犯の役柄を深く理解し、アンニュイな雰囲気のシーンと、たたみかけるように相手を追い詰めるようなシーンと、場面によって緩急のあるお芝居に、心を酷くえぐられました」と称賛。クライマックスシーンの撮影前には「いかにルオトを活かすことができるかということが大切になるので、菊池さんが思う存分、究極の悪を演じられる撮影となるよう、私も一緒に彼の気持ちを受け止めて演じたいと思います」と気合を入れていた。
■菊池風磨、新境地に悩み「引き出しにない感情をどのように表現すればいいのだろう」
菊池は役作りについて「ルオトは一手先、二手先に『何かがある』と予感させる不気味さ、奇妙さがあり、不安を煽る恐ろしいキャラクターなので、難しい部分は多いです。特に残酷なセリフやシーンに直面する時は、普通の感覚ではできないことが多く、ルオトとしては快感を得る行為であっても、『人が苦しんでいるのを楽しむ』という自分自身の引き出しにない感情をどのように表現すればいいのだろうかと悩みました。オーバー過ぎたら嘘らしく見えてしまうし、かといってライトな雰囲気で演じるのも違いますし、とにかくルオトのように『当たり前に残酷なことをする』というのは本当に難しい」と告白。ステージに立つアイドルとしての顔はもちろん、これまで菊池が演じてきた明るいオーラを発する役柄とは全く異なり、今作は菊池が新境地を開いたドラマとしても見逃せない1作となった。
同作は、第2話まで配信中。5日放送の第3話放送後には、WOWOW オンデマンドにて 第3話から最終回第5話まで配信される。
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