写真:黒豆直樹「WAHAHA本舗」の全体公演「シン・ワハハ」の記者発表イベントが有観客で1月26日に行われた。全体公演の記者発表イベントは毎回、出演者が様々なネタを披露することで知られるが、今回は昨年9月に亡くなったWAHAHA本舗取締役の村井昭彦の“劇団葬”として執り行われ、久本雅美、柴田理恵、劇団主宰の喰始ら、故人と親交のあった面々が数多く出演した。
村井は劇団の経理部長であると同時に、全体公演時のキャスト陣の着替え時間を埋めるために誕生した“おやじバンド”のメンバーでもあり、大福神の名でファンにも親しまれてきたが、闘病の末に昨年9月、67歳で逝去した。
この日のイベントは、久本と柴田による漫談でスタート! 柴田は着物姿を久本から「内海桂子師匠!」とイジられるも帯の柄が村井が大好きだったという麻雀牌だとアピールし、村井のアテンドでタイ旅行に行ったエピソードなどを明かしていた。
イベントでは過去の公演時のおやじバンドの映像も交えつつ、「ローハイド(老年)」、「スタンドバイミー」、「ラバンバ(中途半端)」など、村井がおやじバンドで歌詞をアレンジして歌ったラインナップを村井と親交のあった劇団員や旧メンバーが披露。懐かしい映像や、公演の合間の深夜のバス移動の映像なども流れ、会場は笑いと拍手に包まれた。
イベントの最後は、出演者全員がステージに上がって「上を向いて歩こう」、「また逢う日まで」を熱唱。久本が途中で涙をこらえられず、つけまつげを落としてしまうというハプニングも!
イベント後には、久本、柴田、梅垣義明、喰らが出席して、6月に開催の全体公演「シン・ワハハ」の記者会見も行なわれた。そもそも、全体公演は2017年の「ラスト3」で最後だったはずだが…。この点に関し、喰は「“シン”というのは『シン・ゴジラ』、『シン・ウルトラマン』などからのあやかり精神。『またインチキだろ?』と取ってもらっていいです。気持ちとしては毎回、最後のつもり」と開き直る。
既に刷り上がったチラシでは赤塚不二夫の「天才バカボン」などに登場するカオルちゃんというゲイのキャラクターが据えられているが、喰は赤塚の事務所から「どう使ってもいいというOKをとった」ことを明かし「赤塚歌舞伎をやります!」と宣言。「梅垣がウナギイヌで久本がニャロメ、柴田はバカボンのパパとか…(笑)。まだ何も決まってないけど、過激にチャレンジ精神で恐れずにやりたい」と語った。
久本は改めて自身にとってのWAHAHA本舗について「血であり、肉であり、そのもの。なくてはならない修業の場」と語り、柴田も「他の劇団に出演しても、WAHAHAみたいなところってないんです。ひとりだけの考えでは辿り着けない、想像できないものが完成する面白さがある。絶対にやめないです」と愛着を口にしていた。
WAHAHA本舗全体公演『シン・ワハハ〜NEW WAHAHA〜』はなかのZERO(東京)にて、6月22日より25日まで。
文:黒豆直樹