子どもは急に病気になる 気づいてあげたい「不調のサイン」と「急変時の対処法」を医師が紹介

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2023年02月06日 16:00  AERA dot.

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子どもが発する不調のサインを見逃さないようにしましょう ※写真はイメージです
 突然やってくる子どもの病気。いち早く発見するためには、「いつもと違うかも?」という周囲の大人の気づきが大切です。子どもが発するサインを見逃さないようにしましょう。前編では健康を守る上で知っておきたい子どもの体と心の特徴を紹介しました。後編では引き続きいりたに内科クリニック院長の入谷栄一先生に子どもが病気にかかった際、具体的にどのような点に注意すればよいかを聞きました。


*  *  *


 赤ちゃんが胎盤を通して母親からもらった免疫力(抗体)は生後6カ月を過ぎると減少し、赤ちゃん自身の免疫が発達し始めるのは1歳を過ぎてから。6カ月〜1歳半では免疫力は一生で最も低下しています。そのため幼児期が終わるくらいまでは最も病気にかかりやすい時期といえます。


 成長と共に生活環境が変わることで接する菌も異なり、かかる病気も変化します。乳児期は母親や周囲の大人がもっている菌に感染しやすく、集団生活が始まる幼児期以降は子どもたちがもっているブドウ球菌や肺炎球菌などに感染しやすくなります。


 子どもはこうして様々なウイルスや細菌に感染することで免疫力をつけ、病気と闘うことで強い体に成長していきます。その意味で、病気にかかることはけっしてマイナス面ばかりではありません。


■子どもは病気の進行が速く、症状が急変しやすいのが特徴


 子どもはいったん病気にかかると進行が速いのが特徴です。すぐに熱が出たり下痢をしたりと症状が現れやすく、病状が急変したり、重症化したりすることがあります。時にはインフルエンザ脳症のように合併症を起こして重篤な事態を招くこともあるので、病気の経過には注意が必要です。その一方で、成長過程にある子どもは治癒力が強く、治るのも早い傾向があります。


 1歳〜小学校入学までの幼児期には、アレルギー疾患もよく見られます。子どもの場合はアトピー性皮膚炎から始まって食物アレルギー、気管支ぜんそく、アレルギー性鼻炎といったように年齢と共に次々と連鎖的に発症することが多く、「アレルギーマーチ」と呼ばれています。


 子どものアレルギーは、成長して子ども自身に体力や免疫力がつくと症状が軽くなるケースがほとんどです。できるだけ大らかに捉え、医師に相談しながら上手につき合っていきましょう。


■子どもの食物アレルギー


 近年、食物アレルギーの予防や治療が変わってきています。皮膚が乾燥していたり湿疹や傷があったりすると、そこから食物のアレルゲン(原因物質)が侵入し、アレルギー反応が起こりやすい状態になることがわかり、乳児期からのスキンケアの重要性が示されています。


 また、最近では原因物資を完全に除去するのではなく、少量を継続的に摂ることで徐々に食べられるようする「経口免疫療法」をとり入れる医師も増えています。ただし、自己流で行うとリスクを伴うので、必ず専門の医師の指導のもとに進めていくことが大事です。


■不調のサインを見逃さないで落ち着いて適切な対処を


 子どもの病気は訴えがないか、わかりにくいことが少なくありません。特に乳幼児は、不調があってもうまく言葉で表現できないことが多いものです。例えば、子どもが「ぽんぽん痛い」と言っても、腹痛とは限らないのです。本当に痛いのはどこなのか、丁寧に確認してあげるようにしましょう。


 機嫌のよしあしや食欲の有無も子どもの不調を判断する際の大きなバロメーターです。体をすり寄せて甘えたり、抱っこをせがんだり、元気なくゴロゴロとしているような時も体調が悪い場合があります。普段の元気がよい時の状態をしっかり把握し、ちょっとした変化を見逃さないことが大切です。


<子どもの不調のサイン>
顔色が悪い
食欲がない
元気がない
泣く


■かかりつけ小児科医をもち、救急対応の医療機関の把握も


 夜間に子どもが発熱した時などは、すぐに受診すべきかどうか迷うことがあるかもしれません。発熱の際は熱の高さだけではなく、食べる、寝る、遊ぶ、排泄するがいつもと比べてできているのか、できていないのかが重要です。


 食事も遊びもトイレもいつも通りにできていれば、すぐに救急病院に行かなくてもよい場合が多いです。


 受診の際は、いつからどのような症状が起きたか、簡単でよいのでメモして持参すると診察の助けになります。また、近所にかかりつけの小児科医をもつと共に、いざという時に慌てないように、休日・夜間診療を行う最寄りの医療機関を調べておくと安心です。


■子どもに薬をのませる時


 子どもは薬を分解・吸収したり排泄したりする能力が未熟なため、大人用の薬を減量してのませるのは厳禁です。


 例えばアスピリンは解熱鎮静剤としてよく使われている薬ですが、子どもが服用すると激しい嘔吐や意識障害、けいれんなどを起こす恐れがあり、子どもへの使用は禁じられています。薬は必ず「子ども用」と記されたものを、用法・用量をよく確認してのませるようにしましょう。



 監修/入谷栄一(いりたに・えいいち)先生


日本メディカルハーブ協会HP



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  • 元気よく→午前中のプール前検温で39叩き出して強制送還 『微熱でぐったり 上がりきったら元気』 こういうタイプに要注意(実体験) 普通、下がった思うやん?
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