
2022年10月に発売されてから、デザインとコスパの良さから人気モデルとなっている「Amazfit GTR 4」。業界初のデュアルバンド円偏波GPSアンテナ技術(航空機や自動車分野で使用されているものと同様のもの)を搭載しながら、公式オンラインストアでの販売価格は3万3000円(税込)と高コスパのモデルです。
丸型のディスプレイと、一体型のメタリックミドルフレームがクラシックなデザインで、非常におしゃれです。ビジネスシーンでも問題なく身に着けることができるでしょう。今回は、その「Amazfit GTR 4」を実際に使用してみましたので、使い勝手や良かった点、また気になった点も紹介します。
●「Amazfit GTR 4」がとにかくかっこいい! 上下のボタンが使いやすいモデル
GTR 4は、サイズが46x46x10.6mm(心拍ベースを除く)、重さが60g(ストラップ含む)と重厚感のあるモデルです。ただ、1.43インチの丸型ディスプレイは大きく見やすいです。また、解像度が466x466ピクセル(326ppi)と非常に高精細な有機ELディスプレイなので、視認性も高くなっています。
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さらにディスプレイは強化ガラスで指紋付着防止コーティング加工が施されているだけではなく、アンチグレア仕様なのもうれしいポイント。アルミ合金製のミドルフレームも高級感があるので、ビジネスシーンでも違和感なく身に着けることができるでしょう。
特徴的なのが、右サイドにある上下ボタンです。上ボタンを押すとメニューが表示され、ボタンをコロコロと回すことで画面の移動ができます。また上ボタンの長押しは設定で機能の変更が可能ですが、デフォルトでは音声アシスタントサービス「Alexa(アレクサ)」を起動します。
下ボタンについても設定で機能の変更ができますが、デフォルトだと運動メニューを表示します。よく使う機能を設定しておくことで、利便性が向上しそうです。
バッテリーは475mAh(標準値)と大容量なので、標準的な使用で最大2週間も持ちます。さらに便利なのが、充電管理機能があることです。その日に利用した機能について確認可能で、例えば「手首を持ち上げて情報を表示した回数」や、「血中酸素検査の回数」など、バッテリーを消費している機能を一目で確認可能です。また同画面で、血中酸素自動モニタリングや自動ストレスモニタリングなどをオフにすることもできます。
筆者は全ての自動モニタリング機能をオンにして使用しましたが、9日経ってもまだ45%ほどバッテリー残量があります。かなりのロングバッテリーモデルです。もちろんAOD(常時表示)にも対応しています。
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さらに搭載センサーも進化しています。「BioTracker 4.0 PPG バイオメトリック」センサーを搭載し、心拍数アルゴリズムもアップグレードしたことにより、前世代よりも33%も多くの健康データを収集できるようになりました。腕の揺れによる信号干渉も低減され、測定精度はほぼ心拍ベルトの水準に達しています。
対応デバイスはAndroid 7.0以上、iOS 12.0以上。専用のZeppアプリ(タブレット未対応)を使用して連携します。バンドの種類は、スーパースピードブラック(筆者)とヴィンテージブラウンレザーがあります。
●使ってみて良かった点を紹介 見た目だけじゃない! 便利機能たくさん
Googleカレンダーと同期可能
筆者は、Amazfitのさまざまなスマートウォッチを使用してきましたが、どれもカレンダーはスマートフォンでデフォルト設定されているアプリと同期していました。しかしGTR 4は、Googleカレンダーと同期可能となっています。
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Googleカレンダーで仕事のスケジュール管理をしている筆者としては、非常にうれしいポイントでした。ただ、同期可能なのはAndroidスマートフォンのみとなります。iPhoneは変わらずiOS標準のカレンダーのみ同期可能です。
モーニングアップデートが便利
GTR 4は、起床後に「モーニングアップデート」を受け取ることができます。モーニングアップデートとは、1日の準備に役立つ情報を簡潔にまとめたレポートのようなものです。
表示内容は、その日の天気やバッテリー残量、睡眠状態、スケジュール、独自の健康評価システム「PAI」のスコアなどです。この内容は自身によって設定可能で、無効にすることもできます。モーニングアップデートによって、起床直後に1日の予定をイメージできるので、1日のスタートに気持ちの余裕ができたと感じます。
スポーツモードが優秀!
GTR 4のスポーツモードは150種類以上あります。また8つの運動の自動認識機能も搭載しているので、運動開始時にいちいち設定する手間が省けます。
運動時の音声アシスタント機能も搭載しています。ウォッチのスピーカーか、ウォッチとBluetooth接続したイヤフォンから、心拍数や水分補給のリマインダー、走行距離などの通知をリアルタイムの音声で受け取ることができます。ただ音声は日本語には対応していないようだったので、筆者は英語を使用しました。
また、筋力トレーニングにも対応しています。回数を自動的に数え、休憩もトラッキングしてくれます。運動後には、Zeppアプリ上で運動した筋肉群と運動時間を確認可能。トレーニング効率をその都度可視化してくれるので、運動メニューを考える際にも役立つでしょう。
さらにウォッチ上で、10種類のスポーツからインターバルトレーニングテンプレートを作成することができます。継続時間や心拍数、消費カロリー、距離などの指標から、自動的にワークアウトのトレーニングステージを変更してくれます。最大30回までループです。
運動後には、ウォッチ上で最大酸素摂取量や完全な回復時間、トレーニングの負荷・効果などのデータを確認できるのも便利です。Zeppアプリだとさらに詳しいデータを確認可能ですが、GTR 4はウォッチ上で確認できたり、設定できたりするデータ・機能が多い印象です。
音楽保存・再生ができる
GTR 4は、音楽ストレージに音楽を保存することができます。ウォッチのスピーカー、もしくはウォッチとBluetooth接続したオーディオ ヘッドセット/ステレオから音楽を聴くことができます。スマートフォンなしで音楽を楽しむことができるので、ランニング時などに音楽を聴いている人にとっては便利でしょう。
曲の追加はZepp アプリから行います。ミュージックページを開き、MP3形式の音楽ファイルを追加すると、ウォッチ上で聴くことができます。
adidas Runningと同期できる!
ランニングをしている人の中には、adidas Runtasticの「adidas Running」アプリを活用している人もいるでしょう。世界中の多くのランナーが活用しているアプリの1つです。GTR 4は「Strava」アプリの他に、adidas Runningアプリと同期が可能です。
同期はadidas Runningアプリ上からも、Zeppアプリ上からも設定できます。筆者はサイクリングやランニングをしてみましたが、運動後adidas Runningアプリでも運動データを確認できました。
LINEの返信ができる
GTR 4は前述したように、マイクとスピーカーを搭載しているので、スマートフォンとペアリングすることで通話が可能です。さらにウォッチ上でLINEの返信もできます。
ただ、LINE返信はAndroidスマートフォンのみ可能で、予め設定した定型文のみの返信となっています。
文字盤のデザインが豊富
GTR 4のウォッチフェイスは200種類以上あり、すべて常時表示に対応しています。その種類もさまざまで、アナログなものからアニメーションまであり、加えて自分が撮った写真もウォッチフェイスにできます。
上の写真のような、美しいウォッチフェイスもあります。
追加アプリが多い
Zepp OSはアプリを追加できるのが魅力です。例えばユーティリティだと、筆者のZeppアプリ上で40種類確認できました(2023年2月7日時点)。
ランキングを見ると、「計算機」や「ナビゲーション」が人気のようです。
会員カードを登録できる
ポイントカードをたくさん所持している筆者にとって、「会員カード」機能はとても便利に感じました。GTR 4には、ショップカードのポイントコードなどを登録できる機能があります。
追加方法は、Zeppアプリの会員カードページを開き、会員カードのQRコードまたはバーコードをスキャンします。ただ読み取り可能なのは、紙媒体のポイントカードや会員カードのように、番号の変更がない静的なバーコードのみです。キャッシュレス決済などのセキュリティ性の高いバーコードや、定期的に番号が更新される動的なバーコードには対応していない点に注意です。
睡眠の記録も高精度
睡眠については、睡眠時間に加えて睡眠の質や心拍数、さらに睡眠時の呼吸の質についても計測してくれるので、睡眠に不安がある人には非常に便利です。また、睡眠スコアも表示してくれるので、自分の睡眠状況を客観的に分析できるのもうれしいですね。
さらに、20分以上の睡眠を仮眠として記録できます。
●「Amazfit GTR 4」 気になる点は?
耐久性が気になる
GTR 4はスポーツやアウトドアを楽しむ人に便利な機能が満載ですが、少し耐久性が気になります。アウトドア向けのスマートウォッチの中には、耐食性が高いチタニウムケースや、傷が付きにくいサファイアガラスを採用しているモデルが増えてきています。
その点、GTR 4のボディはアルミ合金製のフレームで、ディスプレイも強化ガラスを採用しているとはいえ、長く使っていると傷が気になってくることがあるかもしれません。筆者は2週間ほどしか使用していないというのもあるのですが、目立った傷などは付きませんでした。
急速充電は非対応
Amazfitのスマートウォッチは急速充電に対応していないモデルが多いのですが、ここまで高機能だと、急速充電に非対応なのが気になってきます。充電時間は約2時間です。
とはいえ、最大2週間も充電なしで使用できるので、日常使いをする分には特に気にはならないといえます。
重さが気になる場合も
昨今は軽量なスマートバンドが増えているので、その軽さに慣れている人にとっては、GTR 4の重さが気になる場合があるかもしれません。ストラップを含む重さは60gです。
運動時に気になる人もいるかもしれません。ただ筆者の個人的な感想ですが、慣れてしまえば問題ない重さだと思います。
●コスパが良い上品GPSウォッチ「Amazfit GTR 4」
Amazfit GTR 4は、何といってもそのデザイン性の高さが魅力です。スポーツモードの豊富さや高精度なルート測定など、非常に高い機能性でありながら、シックなデザインで毎日身に着けていたい上品さがあります。女性が着けても、メンズライクな印象がおしゃれです。
3万円台で購入できるのが不思議なくらいの高機能なウォッチです。気になる人はチェックしてみてください。