
2月は例年株価が下落する傾向があるけれど、当てはまらないケースもある?
2月相場は、3月決算企業が決算を控えているため利益確定売りが出やすく、例年株価が下落する傾向があるといわれています。しかし、実際の過去の株価データを確認すると、そのような傾向が当てはまらないケースもしばしばあります。今回は、2月相場にどのような傾向があるのか調べてみました。
■検証対象:全銘柄
■検証期間:2000年1月1日〜2021年12月31日
■1銘柄当たりの投資金額:20万円
■買い条件:1月末の寄り付きで買い
■売り条件:25日経過後の翌日営業日寄り付きで売り
1月末に全銘柄を購入し、25日経過後に売却した場合について検証を行います。仮に、勝率が50%以上で損益がプラスならば、2月は株価が上がりやすい月となります。反対に損益がマイナスであるならば、2月は下がりやすい月といえるのではないでしょうか。
以上のルールで過去のデータを用いて検証した結果は、以下の通りです。
株式市場の傾向(2月)の検証結果

勝率:51.70%
勝ち数:41,638回
負け数:38,906回
引き分け数:1,732回
平均損益(円):1,931円
平均損益(率):0.97%
平均利益(円):17,732円
平均利益(率):8.87%
平均損失(円):−14,894円
平均損失(率):−7.45%
合計損益(円):158,848,600円
合計損益(率):79,424.90%
合計利益(円):738,305,928円
合計利益(率):369,162.86%
合計損失(円):−579,457,328円
合計損失(率):−289,737.95%
PF(プロフィット・ファクター):1.274
平均保持日数:26.88日
以上が、株式市場の傾向(2月)の検証結果です。検証結果を見てみると、勝率は51.70%、平均損益は0.97%です。勝率は5割を超え、平均損益はプラスです。この結果を見る限り、必ずしも2月相場は、下がりやすい傾向があるとはいえないでしょう。
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2月の好成績銘柄ランキング
では、2月相場の中でも、過去の検証で成績が好調なのはどのような銘柄があるのか、さっそく詳しく見てみましょう。
表は、先ほどの検証結果において勝率の高かった個別銘柄のランキングです。勝率が80%を超えている銘柄をピックアップし、さらにランキングの中から優待銘柄として個人投資家に人気の高い銘柄を挙げてみました。
<2224>コモ
<9950>ハチバン
<2551>マルサンアイ
2月は、優待の取得を目的に個人投資家が積極的に買いを入れる傾向があります。人気の優待銘柄ほど買いが集まりやすく、上記銘柄は株価が上がりやすい傾向があるといえるでしょう。2月の投資戦略を考える際の参考にしてみてください。
(このテーマでの検証については、【システムトレードの達人】を使って検証しています。記事の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容の正確性および安全性、利用者にとっての有用性を保証するものではありません。当社及び関係者は一切の責任を負わないものとします。投資判断はご自身の責任でお願いします)
文:西村 剛(証券アナリスト、ファンドマネジャー)
国内運用会社にて中小型株式ファンドマネージャー兼アナリストを経て独立。個人投資家に分かりやすく株式投資を伝授すべく、講演や執筆を行う。『夕刊フジ』3年連続 株-1グランプリ グランドチャンピオン。(文:西村 剛(証券アナリスト、ファンドマネジャー))