「iPhoneの写真アプリで、写り込んだテキストも検索対象になってくれればいいのに」「撮影した外国語を日本語に翻訳したい」「スクショの文字をコピペしたい」――そう思ったことはありませんか?
こんなときに便利なのが、iOS 15(日本語に対応したのはiOS 16から)で使えるようになった「Live Text(テキスト認識表示)」機能です。
使い方や、便利な場面を見ていきましょう。
●画像内テキストの再利用は長押しでOK
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まずは画像内のテキストをコピーして利用する方法を紹介します。保存済みの写真または画像(以下、画像)であれば、写真アプリから目的の画像を表示させ、テキスト部分を長押しして選択します。もっと多くのテキストを選択したい、逆に選択範囲を狭めたいという場合には、通常のテキスト選択と同様、左右の選択ハンドルをスライドさせましょう。
選んだら、表示されているメニューから「コピー」をタップして、別のアプリのテキスト入力スペースに貼り付ける(ペーストする)だけです。
●選べないテキストをスクショして利用
Facebookアプリではフィードの投稿文を、Facebook Messengerアプリではそのやりとりを、部分的に選択してコピーなどすることができません。とても長い名前の商品名を先方が送ってきてくれても、そのテキストを再利用することができないのです。
こんなときこそ、iOSのテキスト認識表示の出番です。
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該当部分を表示させた状態でスクリーンショットを撮り、写真アプリでテキスト認識表示させ、必要な部分を選んでからコピーすればよいのです。
スクショ画像によっては、意図しない箇所に改行が入ってしまうこともありますが、全て手入力するより、断然楽になることでしょう。
●撮影した写真の翻訳もできる
海外へ行ったときはもちろん、国内から一歩も出なくても、「印刷された文字を翻訳したい」と思う場面が出てきます。
例えば、海外のクラウドファンディングサイトで出資していたものや、海外のECサイトで取り寄せたものなどに付属する取扱説明書に、日本語以外の表示しかないような場合。また、輸入モノを取り扱っている食品店で購入したものの、日本語で調理方法が記載されていないような場合などです。
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保存するまでではないけれど、何と書かれているのか内容を把握したいのであれば、まずiPhoneのカメラを対象物に向けましょう。
画面内のテキスト部分に黄色い枠(四隅にのみ表示)とテキスト認識表示のアイコンが表示されたら、アイコンをタップ。
認識した箇所が静止画として切り出されるので、翻訳したいテキスト部分を選択して、表示されているメニューから「翻訳」をタップすれば、ディスプレイの下部から原文と翻訳文が現れます。
どこに何が書いてあるかを知りたい場合は、「翻訳」アイコンをタップすればOKです。
なお、テキスト認識表示に対応しているのは各国で使用されている英語、フランス語、ポルトガル語、スペイン語、繁体字と簡体字の中国語、中国本土と香港の広東語、ウクライナ語、ドイツ語、イタリア語、韓国語そして日本語のみです。
●手書き文字も認識できる 英語はOKだけど日本語は微妙?
iPhoneのテキスト認識表示は、活字のような印刷された文字だけでなく、手書き文字にも対応します。
数字であれば、よほど癖が強くない限り、ほぼ正確に認識しますし、英語も同様に認識します。
では、日本語はどうでしょうか。
癖の強さや崩し方によるところが大きいものの、ある程度は認識するようです。
上の例では、49文字中43文字を認識しています(識字率87.75%)。アイデアを手元のメモに書きとめておいて、iPhoneで撮影し、テキストを再利用できるのかというと、微妙かもしれません。
それでも、手書きメモを画像として残しておくメリットはあるでしょう。
●画像内テキストを検索に使う
iPhoneユーザーであれば、写真アプリの「検索」機能を使いこなしていることでしょう。人物や被写体、撮影地などのワードを使って、膨大な画像の中から目的のものを素早く見つけることができますよね。
テキスト認識表示機能は、検索時にも役に立ちます。
試しに、「新宿」で検索してみたところ、新宿近辺で撮影したものだけでなく、印刷されたテキストも検索対象に含めていました。
取扱説明書や行きたいと思った店の看板、病院でもらう処方箋、領収書など、その場で撮影しておけば、撮影場所と画像内のテキストの両方で検索することができます。メモとしての写真が大きな意味を持つようになることでしょう。
では、手書き文字も検索対象になるのでしょうか。
答えは「Yes」です。検索ワードに「認識」と入力したところ、先ほど撮影したノートの画像が検索結果に無事に表示されました。
筆者は、手書き文字をデジタル化(テキストへ変換)するデジアナ文具を何種類か利用しています。また、画像内の手書き文字をテキストとして認識するアプリのサブスクリプションも10年以上にわたって購入しています。
その目的は、手書きしたものをためておき、あとで検索できるようにするため。入力したドキュメントやクリップしたWebページなどと異なり、ノートにペンで書いたものを検索するには、この方法しかなかったからです。
しかし今ではiOSの基本機能だけで、追加アプリ不要で手書き文字も(ある程度)認識して検索にかけられるようになりました。写真をメモ代わりに撮っておくことの意義が、また1つ追加されたのです。
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