林遣都、玉木宏の“監督”ぶり絶賛「全く迷いがなくてカッコいい!」

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2023年02月08日 18:41  ORICON NEWS

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『アクターズ・ショート・フィルム3』(2月11日放送・配信)『COUNT 100』の監督を務めた玉木宏、主演の林遣都
 俳優の高良健吾、玉木宏、土屋太鳳、中川大志、野村萬斎がショートフィルムの監督に挑戦したWOWOW『アクターズ・ショート・フィルム3』が今週11日に放送・配信となるのに先駆け、『COUNT 100』の監督を務めた玉木宏と主演の林遣都の対談が実現。作品への思いや撮影秘話を語った。

【画像】撮り下ろし&場面&メイキング

 同作は、日本ライト級チャンピオンにまで登り詰めるも初防衛戦に負け、自暴自棄になったプロボクサー・光輝(林遣都)の物語。彼女の華(瀬戸さおり)にも見放されそうになり、精神的に追い込まれた光輝が、ある日受け取った「一念発起システム」と書かれたチラシを頼りにその場所を訪ねる。

■玉木宏監督「短い尺の中でメッセージ性は強く打ち出したい」

――最初に監督オファーが届いた際のお気持ちを教えてください。

【玉木】 1回目、2回目の作品を見ていて、よく知っている人たちが監督をやっていることは知っていました。それを(『アクターズ・ショート・フィルム2』で監督を務めた)永山瑛太くんと話している中で「いいなぁ。やってみたいなぁ」と思っていたので、お話をいただいた時は願ったりかなったりでした。監督をやりたい気持ちはずっとあったのですが、やるにあたってどういう題材にしようかな?ということはわりと早い段階で考えました。

――そこでボクシングを題材にしようと?

【玉木】たどり着いたというか短い尺の中で何を題材にしようか? メッセージ性は強く打ち出したいと思っていました。いろいろな題材があって、何個も頭の中に浮かんだのですが、自分がいま何を伝えたいか?ということを大切に考えた時、“俳優”というのはある意味で二面性のある職業であり、言ってしまえば別の誰かがやっても成立してしまうかもしれないもので、そういう自分ではなくてもいい、“誰か”に乗っ取られる怖さみたいなものを表現できたら面白い世界になるんじゃないかと思いました。

 ただ、人が生きている上で、その背景を描かなくてはいけない。ボクシングに限らず、スポーツ選手はみなさん、そうだと思うのですが、短い時間の中でギュッと凝縮した時間を生きていると思います。たまたま僕も遣都くんもボクシングの経験があったので、それをリアルに描けたらと思いました。

――玉木さんからのオファーを受けていかがでしたか?

【林】お話をきいて、とてもうれしかったです。この企画自体は耳にしたことはありましたが、今回、玉木さんが監督と聞いて、憧れの俳優であり先輩なので二つ返事でぜひやらせていただきたいと思いました。

――オファーはどのような形で? 玉木さんから直接オファーが?

【林】いえ、事務所のほうへいただきました。

【玉木】連絡先は知っていましたが、こちらから打診すべきなのか? 正式にWOWOWさん側からオファーしてもらうか?と考えて、WOWOWさん側からオファーしてもらいました。でも、あとから連絡はしました(笑)。

――本格的に監督業をされるのは初めてでしたが、挑戦されてみていかがでしたか?

【玉木】結論から言うと楽しさしかなかったです。ただ、そこにいたるまでに…今回の作品は20分ちょうどなんですが、(企画のルールとして)「25分以内」という枠組みがあって、自分で脚本を書いてはいるものの尺感がわからないというのはありました。オーバーなのか、ショートなのかわからず…、プロデューサーの方から、いろいろアドバイスをいただきながらブラッシュアップをしていった感じで、その作業も「なるほどな」と思うことがたくさんありました。

 僕らは普段、環境を与えられてお芝居をするのですが、一歩引いたところから現場を組み立てていく面白さというのは、またちょっと違ったクリエイティブな仕事で、楽しかったです。現場では、自分が頭の中で思い描いていたことが目の前で行なわれていて、時間を忘れてしまうくらい、楽しい時間でしたが、遣都くんに関しては一人二役を担っていたので、体力的なことや、スケジュールも考えなくてはいけない。ブレーキをかけながらアクセルを踏んでいるような感じで臨んでいました。

■林遣都「玉木さん、全く迷いがなくてカッコいい!」

――一人二役の生活が交互に描かれているシーンなどは狙った通りの描写が出来上がりましたか?

【玉木】遣都くんがこの役を引き受けてくれてよかったと思うし、さすがだなと思うシーンがたくさんありました。説得力を見せてくれるというか瞳の輝きひとつで全然違う人に見えて、だからこそ成立したのだと思います。後付けで「●日経過」というのは入れていますが、遣都くんの演技にすごく助けられました。

――玉木さんの“監督”ぶりはいかがでしたか? 俳優をやられている玉木さんだからこその演出などもあったのでしょうか?

【林】また玉木組があったら、どんな役でもいいので毎回参加したいと思うくらい充実した時間でしたし、「俳優さんが監督をやってみた」という現場では全くなく、いつも経験している通りの撮影現場で、監督が中心に立っていて、皆さんが付いて行くというチーム感がありました。迷いがなく、まとまって、限られた時間の中で想定以上のことが生まれていく、気持ちの良い現場でした。

――林さんのお芝居が印象的だったシーンを教えてください。

【玉木】どこが印象的だったというよりも、全てを通していい塩梅だったと思います。人それぞれですが、もし遣都くん以外の人が演じたら、トゥーマッチだっただろうなと感じる部分もありました。一人二役だったので遣都くんにとっても見えない空間での演技だったと思いますが、本当にこの物語、この世界観を、行き過ぎないリアクションで演じてくれたと思います。

――キャラクターに関して、「こうしてほしい」というオーダーなどは?

【玉木】台本の冒頭に、この作品を作るにあたってのテーマ、メッセージというのを書かせていただいたんですが、これをキャスト、スタッフに共通認識で持ってもらい、シーンごとに少しだけ思いをプラスして伝えしました。なので、そこは撮影に参加しているキャスト、スタッフの間でズレはなく、いけたのではないかと思います。

――林さんは、玉木さんの演出が印象的だったシーンはありますか?

【林】撮影は2日間だったんですが、まずクランクインして最初のカットが冒頭のシーンで、主人公が歩いてきて、チラシを手渡されて振り返るというシーンでした。ロケでエキストラの方たちもいたのですが、一発OKだったんですよね(笑)。

【玉木】あはは(笑)。

【林】玉木さん、全く迷いがなくてカッコいい! って思って(笑)。

【玉木】いやいや(笑)。

【林】さすが玉木さんだなと思いました。こういう挑戦的な企画に対しても迷いがなく、引っ張っていってもらえそうな気がして、一気に撮影の2日間が楽しみになりました。その後も、“もう1人の自分”を演じる時の塩梅に関しても、違いのリアリティを突き詰めて考えていくことよりも、変化していく段階を玉木さんに確認しながらやらせていただいたんですが、全部、答えをいただけるので、信頼しきって、玉木さんが思い描いたものに近づけるように挑んでいきました。

■玉木宏監督「せりふを考えるのは奥が深くて難しい」

――そんなにテイクは重ねないんですか?

【玉木】そうですね、基本的にシーンの状況は把握されているので、軽く伝えて、すぐに臨むという感じです。遣都くんが毎回、ドンピシャなところを突いてくれるので、タイミング的なところで「もう1回」と言ったことはありましたけど、3回やったことはなかったかな…? だいたい2回目でOKは出していますね。

――クリント・イーストウッドのようですね。

【玉木】いやいや(笑)。そこは、ちゃんと整っていたから「OK」が出せるというだけです。

――監督業に以前から興味があったということですが、実際に監督をされる上で大切にしたことや“信念”みたいなものはありましたか?

【玉木】僕の主観かもしれませんが、監督が作品を残す意味というのは、いまの時代を映すものなのか、 その人が伝えたい思いなのか、その両方かもしれませんが、そういう意味合いがないといけない気がして。僕が、そういう作品を見るのが好きということがあると思います。僕自身がいま、考えていることが、この『COUNT 100』という作品を通して何か伝わればいいなと思っています。冒頭の話に戻るんですけど、俳優は二面性があって、誰か違う人に演じられているかもしれない、そういう怖さや不安を作品を通して伝えることができれば意味があるものになるのではないかと。

――今回はこういう作品になりましたが、「伝えたい」思いはご自身の中にいくつもストックされているんでしょうか?

【玉木】そうですね。今回でいうと6個くらい「こういうものがやりたい」というのがパパっと浮かんできました。以前、フォトブックを出した時に担当されたライターさんのやり方で、インタビューする相手に「100個、単語でも漢字でもいいから、いま頭に浮かんだものを書き出してください」というんです。それを参考に「ボクシング」「俳優」や「二面性」、「乗っ取られる」、あとは「鏡面世界」など好きなワードを書いて並べて、それをつなげて、そこからひとつの物語ができないか?というやり方で内容を決めました。結果的に背景にボクシングを入れ、自分の頭の中にあるキーワードで作り上げたストーリーになりました。それらを組み替えればまた違うストーリーも出来ると思います。

――今後、長編監督にも挑戦したい思いはありますか?

【玉木】いやぁ、長編となると…。今回、何が難しかったというとせりふを考えることが難しかったんです。せりふに人格が込められると思うので、登場人物が少なければ埋め切れると思いますが、登場人物が多くなってきて、それぞれの人格をちゃんと成立させていくのは…。いろんな方向から作品を見ていかなくてはいけないと思うので、なかなかせりふを考えるのは奥が深くて難しいなと改めて感じたところです。なので長編はいまの段階ではちょっと難しいかもしれない、という思いです。

(取材・撮影:黒豆直樹)
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