「毎朝窓越しに睨みつけてくる」野生の七面鳥に「生活を乗っ取られた」住宅街の人々(米)<動画あり>

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2023年02月13日 16:41  Techinsight Japan

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住宅地をうろつく七面鳥(画像は『The Washington Post 2023年1月26日付「A turkey settled near her Minnesota home. Now she carries weapons.」(Video: The Washington Post)』のスクリーンショット
米・ミネソタ州の、とある民家に野生の七面鳥が棲みつき、そこに住む女性が「生活を乗っ取られた」と憤っている。この女性だけではなく、近所の住民らもこの七面鳥によって不自由な生活を強いられているのだという。米メディア『The Washington Post』などが報じた。

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アメリカのミネソタ州クーン・ラピッズ市の住人らは、長いこと野生の七面鳥と戦っている。2021年の夏、住民の1人であるレイチェル・グロスさん(Rachael Gross、41)が自宅の外階段を上っていると、屋根から七面鳥が飛び降りて来て、彼女を地面に押し倒した。このとき、レイチェルさんのジャケットは破られ、持っていた卵やコーヒーなどの食料品が入ったバッグは、庭に散乱してしまったそうだ。さらにレイチェルさんは七面鳥に足を突かれて、傷を負っている。

それ以降、レイチェルさんは七面鳥に付きまとわれる生活を送っている。七面鳥は、彼女が介護士として働く近くの老人ホームや、行きつけのレストランにも付いてくるという。車のタイヤは突かれ、毎週空気を入れることを余儀なくされている。また、休日に家族がレイチェルさんを訪ねてきても、彼らは七面鳥が怖くて家に近寄れないという。

「七面鳥は年中無休でここにいます。私のことを母親か何かだと思っているのです。」

七面鳥の出現により、生活環境が激変してしまったのはレイチェルさんだけではない。近所の住民の子供たちも、常に棒やリュックを使って七面鳥の攻撃から自ら身を守っている。2021年10月には地域のハロウィン行事も七面鳥による危害を恐れて中止を余儀なくされた。住民のひとり、エミリー・アールステンさん(Emily Ahlsten)も、子供たちのことを心配している。「1歳の孫が引っ越してきたばかりなのですが、暖かくなって、孫を外に連れ出すときのことを考えると恐ろしいですね。こんな状況では人を呼んだり、バーベキューをすることなどできるはずもありません。」

近隣の人々の中には、レイチェルさん宅の敷地内に七面鳥が棲みついたことから、七面鳥による攻撃や迷惑行為をレイチェルさんのせいにする人もいるという。

「私はとても疲れています。もうこんなことに悩まされないように、解決策が見つかるといいのですが。そして、この一帯に住む人たちみんなが、子供たちや孫たちと平和な夏を過ごし、バーベキューをしてくつろげるようになってほしいのです」とレイチェルさんは語る。

レイチェルさんによると、この七面鳥は、2021年の夏に他の7羽の仲間と共にこの住宅地に現れたとのことだ。数週間後に他の仲間は移動したが、この1羽だけは残ったのだという。

レイチェルさんとエミリーさんは、緊急サービスやミネソタ州天然資源省に電話をかけ、七面鳥について相談をした。専門家からは、七面鳥は餌がなければ逃げてしまうので、近所の鳥の餌箱を撤去したり、七面鳥の巣になる枝を切り倒したりするなどの提案を受けたという。しかし、住民の中にはまだ鳥の餌箱を置いている人もいるとのことだ。またレイチェルさんによると、住宅地にトウモロコシがちらばっていることから、誰かが七面鳥に餌をやっている可能性があるという。

このように、地域の住民が一体となって七面鳥の問題に取り組んでいないこともあり、今日に至るまで七面鳥はレイチェルさん宅に棲みついたままだ。

普段、七面鳥はレイチェルさん宅の屋根の上や、敷地内の木の上で寝ているという。毎朝、台所の窓のブラインドを開けると、七面鳥が彼女を睨みつけている。レイチェルさんは当初、この七面鳥を“グラディス(Gladys)”と名付けたが、成長するにつれてオスだと思うようになり、“レジー(Reggie)”と改名したそうだ。なお、七面鳥の実際の性別や年齢は確認できていない。

レイチェルさんは自身の現状について、「私たちの生活はこの七面鳥に乗っ取られてしまいました。私の後を付いてきて、階段を上り、家に入ろうとします。また車で出かけると、その後を付いてくるのです。毎日七面鳥に攻撃されているようなものです」と訴えている。レイチェルさんは外出の度に、七面鳥から身を守るため、ゴーグルを着用し、ほうきやゴルフクラブ、水の入ったスプレーボトルを持つようにしているのだという。しかし、月日が経つにつれて七面鳥はさらに攻撃的になっているとのことだ。

レイチェルさんはその他にも、野生動物の専門家から聞いたあらゆる予防策を講じている。家の外に食べ物を置かないのはもちろんのこと、七面鳥を引き寄せることを恐れて大音量の音楽も流さない。この2年間は、室外でのバーベキューはしていないという。七面鳥を脅かすために警笛を買ったが、この策はかえって七面鳥を挑発する結果になってしまった。水をかけて追い払うことも試みたが、七面鳥が怖がったのは2週間だけだったそうだ。

天然資源省の野生動物管理者であるスコット・ノーランド氏(Scott Noland)によると、七面鳥を移動させることは容易ではないそうだ。同省は、七面鳥が人を傷つけてしまった場合、七面鳥を食料として必要としている人に提供するよう勧める場合もある。スコット氏は、「鳥の駆除は最後の手段です。私たちはこのような状況において、ただちに駆除することを望んではいません」と述べている。

レイチェルさんの友人らは、彼女に七面鳥を撃つことを勧めているが、当のレイチェルさんは七面鳥に危害を加えたくはないのだという。

天然資源省のウェブサイトでは、七面鳥対策について以下のように述べている。
「攻撃的であったり、しつこく付きまとう七面鳥に対する最善の防御策は七面鳥に人間側が強く出ることです。それにより、七面鳥の定住を防ぐのです。この防御策は自分の敷地内だけで講じても効果はありません。近隣住民が一体となって同じことをする必要があります。七面鳥が、すべての人間を自分よりも優位な存在とみなすようにしなければなりません。定住してしまった七面鳥は、人間のことを自分より『下』だと見なし、支配しようとしたり、攻撃したりすることがあるのです。」

エミリーさんは、「現状は誰にとっても安全ではないので、他の七面鳥と一緒にいられる場所に(レジーを)移して、人の迷惑になったり、誰かを傷つけたりしないようにしてほしい」と、話している。

しかし、天然資源省は「“迷惑”な野生の七面鳥を罠にかけて移動させるという選択肢はありません。こういった七面鳥は、他の場所でも不適切な行動を続ける可能性があるので、結局のところ(移動させたとしても)あまり効果がないのです」と述べている。

今回のニュースを見た人々からは、「ほとんどの鳥はニンニクが嫌いなので、水と砕いたニンニクを入れたスプレーボトルを用意して、庭の周りにスプレーしておくといいかも」、「晩御飯にしてしまおう」、「コヨーテ、タカ、またはフクロウなど、肉食動物の鳴き声の録音を再生してみたら」といった意見があがっている。



画像は『The Washington Post 2023年1月26日付「A turkey settled near her Minnesota home. Now she carries weapons.」(Video: The Washington Post)』『Kirsten Mitchell 2023年1月22日付Twitter「This is the woman we interviewed trying to get home afterward with the help of her neighbor.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 H.R.)

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