中国の警察が“麻薬探知リス”を導入 「素晴らしい結果を残している」と訓練士も感心<動画あり>

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2023年02月18日 17:11  Techinsight Japan

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麻薬を見つけたリスは引っ掻くことで合図を送る(画像は『People’s Daily Online 2023年2月14日付「Drug-sniffing squirrels join police force in SW China’s Chongqing」(Photo/cqcb.com)』のスクリーンショット)
このほど中国の警察が、麻薬捜査のために“麻薬探知リス”を訓練中であると公表した。警察犬同様に訓練を受けた6匹のリスは順調に成果を出しており、今後本格的な麻薬捜査に加わるため物流倉庫などに配備される予定だという。警察の麻薬取締部門にリスが配属されるのは、中国のみならず世界初のことであると英ニュースメディア『The Independent』などが伝えている。

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今回麻薬捜査のために6匹のキタリスの導入を試みているのは、中国南部にある重慶市の警察だ。同警察はリスに麻薬を嗅ぎ分けるための訓練を行い、中国初の“麻薬探知リス”として関連研究機関の認可を受けた。

「リスの嗅覚はとても鋭いですよ」と話す重慶市合川区公安局の警察犬訓練士であるイン・ジンさん(Yin Jin)は、リスの訓練を担当している。警察犬大隊のために独自に開発された訓練技術「爆発物探知犬自主学習訓練システム」が、他の動物にも応用できることを説明した。リスは犬と違って小柄で機敏に動くことができるため、物流倉庫や配送センターなど複雑な構造を持つ環境や、高所における麻薬の捜査も可能になるという。

訓練を受けたリスたちは麻薬を見つけると引っ掻くことによって合図を送ると言い、厳重に梱包された箱の中に入った麻薬を嗅ぎ分けたり、狭い場所に入り込んで捜索を行う。公開された訓練の様子を捉えた動画には、テープで梱包された箱の隙間に鼻を近づけて匂いを嗅いでいる様子や、小さな筒や箱など様々なものに入った麻薬を嗅ぎ分ける訓練を行うリスの姿が映っていた。この動画が中国のSNS「微博(Weibo)」でシェアされると、再生回数は5100万回を超えて注目を集めた。

中国の国家郵政局によると昨年に集配された荷物は1390億個を超えており、最近では合法の郵送物に見せかけて麻薬が郵送されていたケースが報告されている。実際にリスが麻薬探知を行うことができれば、こうしたケースの摘発率が上がる可能性がある。

現在も訓練を受けているリスたちは定期的にテストを行っており、インさんは「リスたちは非常に素晴らしい結果を残しています」とその働きぶりに感心している。しかし麻薬探知にリスを導入するのは初の試みであり、ここまでの成果を出すのに数年かかったという。まだリスたちの麻薬探知能力は十分でないため、正式に麻薬捜査に配備されるのはまだ先になるそうだ。

ちなみにカンボジアでは地雷捜索のために訓練したネズミが導入されており、人間の約200倍のスピードで地雷を発見し大きく貢献している。



画像は『People’s Daily Online 2023年2月14日付「Drug-sniffing squirrels join police force in SW China’s Chongqing」(Photo/cqcb.com)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

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