薬物依存症を克服した女性、壮絶な闘いをシェアし、ビフォーアフターを公開(米)<動画あり>

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2023年02月27日 22:11  Techinsight Japan

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薬物中毒を克服した女性(画像は『Natalee King 2022年12月18日付TikTok』のスクリーンショット)
米フロリダ州に住むナタリー・キングさん(Natalee King、33)は今から5年前、5年間依存してきた薬物を断った。ナタリーさんはその後、「同じ悩みを抱えている人を救いたい」とTikTokをスタート、自身の壮絶な薬物との闘いをシェアし注目を集めている。英ニュースメディア『The Daily Star』などが伝えた。

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米フロリダ州タンパに住むナタリー・キングさんは2008年8月、18歳の時に姉ニキさん(Niki)を薬物中毒で亡くした。26歳だったニキさんは当時、米空軍の医療関係の仕事をしていたが、悪い仲間とつるむようになり、自宅で床に突っ伏したまま死んでいるのを16歳だった弟が発見した。

姉の死を受け入れることができなかったナタリーさんはその後、決まっていた大学への進学を止めて米空軍に入隊、日本に移り住んだ。そしてそこでジョン・キングさん(John King)と恋に落ちて結婚、2012年に息子ジョン・ジェイムズ・キング・サード君(John James King III)が誕生した。

夫婦はその後、米メリーランド州に移動になり、ナタリーさんが幸せの絶頂にいた2013年2月、悲劇が起きた。最愛の夫ジョンさんが仕事中に事故で死亡し、ナタリーさんは抑うつ状態に陥ったのだった。息子ジョン君はまだ生後8か月だった。

ナタリーさんは当時のことをこのように振り返る。

「医師に抗不安薬ザナックス(日本ではソラナックス)を処方されて手放せなくなり、あっという間に薬物依存症になったの。薬の補充時期が来る前に全てを使い切り、薬に耐性ができ始めてね。路地裏や、オンラインで薬を購入するようになったわ。」

ナタリーさんはその後の4年間で精神療養施設に7回入所したが薬を断つことができず、逆に強い中枢興奮作用がある覚醒剤「メタンフェタミン」にはまり、深い闇に落ちていった。

「ザナックスの使用で日中、眠くなってしまってね。目を覚ますためにメタンフェタミンを使ったの。あの頃が人生のどん底だった。怖くて、いけないことと分かっていても抜け出すことができなかったの。悪い仲間と一緒にいたのよ」とナタリーさん。続けてこう明かした。

「私は薬の過剰摂取を何度も繰り返し、2度、命を絶とうとして失敗したの。そうして何度も刑務所のお世話になったあげく、過剰摂取で3日間の昏睡状態に陥ったわ。自分でも助けが必要なのは分かっていたのに手に負えなくなっていた。そうして4年目になると、息子の親権を両親に引き渡さざるを得なくなったの。もう生きていることなんてどうでもよくなっていたわ。」

そしてちょうどその頃出会ったのが、今のフィアンセで救世主となったジャスティン・ホワイトさん(Justin White)で、ナタリーさんは薬物から抜け出す糸口を見いだしたのであった。

ナタリーさんはジャスティンさんについて、こう述べている。

「彼とはオンラインで出会ったの。最初のデートの時、私はずっとハイで意識を失っていたのよ。それなのに彼は、私を自宅まで送り届け、『薬物を断つ手伝いをしたい』と両親に話したそうよ。彼とはあれから7年の付き合いになるの。彼がいなかったら私は生きていなかったでしょうね。」


こうしてナタリーさんは2年をかけてザナックスの量を減らし、同時期に約6か月かけてメタンフェタミンを断つことに成功した。そして治療が終わって1週間後に妊娠が判明、それまで使っていた薬を全て止めた。2018年2月18日のことだった。


それから5年、ナタリーさんは薬物には一切手を出すことなく自分に誇りを持って生きてきたそうで、このように語っている。

「2020年末のことだった。筋萎縮性側索硬化症(ALS)で3年間自宅療養中だった父が自殺未遂を起こしてね。自宅に引き取って介護した3か月後に亡くなったの。その時はまた薬に手を出してしまうのではないかと不安だったけど、なんとか乗り越えることができたわ。」


そして2021年10月にTikTokを開始、そのきっかけについてこう吐露した。

「自分が夫を亡くした時、『私はひとりぼっち』『誰も私のことを理解してくれる人なんていない』『世界でこんな苦しみを感じているのは自分だけ』と感じたのよ。そうして自分の心にやっと余裕ができるようになった時、『自分の経験をシェアし、同じような悩みを持つ人たちを助けたい』と思うようになったの。」


ちなみにナタリーさんは現在、ジャスティンさんと共に4歳と10歳の息子の子育て、そして母と過ごす時間を楽しんでいるそうで、「薬物に溺れ惨めだった頃と違って、今は朝目覚めるのとワクワクするの。家族の存在、そしてTikTokへのコメントに私自身が励まされているのよ!」と語り、こんなメッセージを残した。


「もし、薬物中毒で苦しんでいる人がいたら、サポート機関に助けを求めること。自分だけで解決しようとしないで! そして過去の自分を赦し、前進することよ!」



画像は『Natalee King 2022年12月18日付TikTok、2023年2月23日付TikTok「#greenscreen」、2022年10月17日付TikTok「#greenscreenvideo」、2022年1月24日付TikTok「#wedorecover」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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  • 薬物依存は薬に手を出す動機になった問題(精神依存)と肉体依存の両方を解決する必要があると思う。体の依存だけでなく、心が薬に逃げたくなっているままだと再発しやすい。
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