食肉処理場から脱走か　保護された羊7頭、広い農場で第二の人生を歩む（米）＜動画あり＞

2月27日早朝、米ニュージャージー州の街に羊がうろついているという通報が動物管理局に寄せられた。その後も羊の目撃情報が相次ぎ、合計7頭の羊が同局のスタッフによって捕獲された。羊たちは食肉処理場から逃げ出したと推測されており、動物保護団体が働きかけたことで地元の農場に引き取られることになった。米ニュースメディア『ABC7 New York』などが伝えている。

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羊が逃げ出したのは2月27日午前5時のことで、街の通りを歩く複数の羊の姿を見た米ニュージャージー州パターソンの市民が動物管理局に通報したことで判明した。局員が現場に駆けつけて、体重200ポンド（約90キロ）の羊を1頭発見し捕獲したという。

そして午前6時半頃、再び市民から羊の目撃情報が届いた。滅多にない状況に困惑しながらも別の局員が現場に向かうと、道で身を寄せ合う3頭の羊を発見した。局員は動物保護・救助活動を行う団体「Skylands Animal Sanctuary and Rescue」の創設者マイク・ストゥーラさん（Mike Stura）やパターソン警察に、羊を捕獲するために協力を依頼した。当時現場に駆けつけた動物管理局の職員ジョン・デカンドさん（John DeCando）は「この3頭は捕まえるのが大変でしたよ。スネアポール（棒の先端に輪が付いた動物を捕獲するための道具）を使い、協力して羊たちを捕まえることができました。1頭はパトカーに、1頭は動物保護施設のトラックに、最後の1頭は別の警察車両に乗せて運びました」と捕獲した当時を振り返った。

合計4頭の羊を捕まえた後に再び電話が鳴り、別の場所で2頭の羊が目撃されたという情報が寄せられた。1頭は寝具販売店の「Sealy Mattress」の近くで、もう1頭はドーナツのファストフード店「ダンキンドーナツ」の近くで発見された。さらにもう1頭の羊が隣町のホウソーンまで逃げて行ってしまったが、最終的に隣町のフェアローンで捕獲された。羊たちを保護した当時の様子が動画で撮影されており、見慣れない人に囲まれて羊たちは怯えてしまい、トラックに乗せるのに苦労する局員たちの姿が映っていた。


捕獲された合計7頭の羊たちがどこから来たのかは明らかになっていないが、ジョンさんは近くにある食肉処理場から逃げ出したのではないかと推測している。羊たちの健康状態は良好で、ペイントマークやタグが付いた羊もいたが所有者はまだ名乗り出ていないという。マークさんは羊たちを再び食肉処理場へ戻したくはないと考え、各方面へ働きかけた結果、同州サセックス郡の農場が7頭の羊を引き取ることになった。

「7頭の羊はこれから検疫を受け、ワクチン接種など必要な処置を施されることになるでしょう。そして他の43頭の羊とともに600エーカー（約2.4平方キロメートル）の敷地を自由に歩き回り、専用の大きな納屋に入って余生を平和に過ごすのです」とマイクさんはコメントした。

ちなみに2021年6月には、イギリスで妊娠中のブタが養豚場から逃走するも9匹の子を産んだおかげで屠殺を逃れていた。



画像は『ABC7 New York　2023年2月28日付「7 sheep getting a new ‘fleece’ on life after escaping New Jersey slaughterhouse」』のスクリーンショット
（TechinsightJapan編集部　iruy）