メキシコのギャングにタトゥーを入れられた猫、アメリカで里親が見つかり平和な生活へ

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2023年03月08日 10:12  Techinsight Japan

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国境を越えて新しい飼い主に引き取られることに(画像は『New York Post 2023年2月23日付「Tattooed cat with gang ink rescued from Mexican prison」(REUTERS)』のスクリーンショット)
このほどメキシコの刑務所にて、ギャングに飼われていたとみられる体毛の無い品種の猫が見つかった。猫の体の両側には複数のタトゥーが入っていることが確認されていたが、この猫を保護し里親募集を行うと世界中から希望者が殺到した。協議の結果、同じ品種の猫を飼っているアメリカに住む希望者へ猫を引き渡すことが決まったと、米ニュースメディア『New York Post』などが伝えた。

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タトゥーの入った猫は、メキシコ北部チワワ州シウダーフアレス市にあるセレソ第3刑務所で発見された。同刑務所では1月1日、訪問者用ゲートから重武装した数人が襲撃、看守を射殺し、悪名高いギャングのリーダーであるエルネスト・アルフレド・ピニョン・デ・ラ・クルス(Ernesto Alfredo Pinon de la Cruz)、通称エル・ネト(El Neto)を独房から脱獄させた。しかしエル・ネトは1月5日に警察による銃撃戦の末に射殺された。一連の事件により看守10人と受刑者7人が亡くなったと報道されている。

この大規模な脱獄事件の後に警察官が独房の内部を調べると合計9匹の動物が見つかり、その中の1匹の猫にタトゥーが施されていることが判明した。“スフィンクス”という体毛の無い品種であるこの猫は、エル・ネトがペットとして飼っていた猫だと考えられている。その体の両サイドには、「メイドイン・メキシコ」という意味のスペイン語である「Hecho en Mexico」のタトゥーが刻まれており、現地のギャングがこのロゴをタトゥーとして彫るそうだ。


この猫が地元の動物保護団体に保護されたというニュースが報じられると、世界中から「この猫を引き取りたい」と里親希望が殺到した。大勢の中から最適な飼い主を探し出すため特別委員会が設置され、希望者をアメリカから7人、シウダーフアレス市から2人、メキシコ南部オアハカ州オアハカ市から1人の計10人にまで絞り込んだ。それから様々な条件を比較し、最終的に米テキサス州在住の希望者が里親に決まった。

安全面を考慮し、里親の名前など詳細な情報は明かされていない。関係者は「選ばれた人は必要な条件を満たしていました。さらにこの方は同じ品種の猫を飼っており、猫が成長するのに十分なスペースが確保されていると判断しました」とコメントしており、猫は満場一致でアメリカへ送られることになった。このニュースを見た人々からは「なぜ刑務所の中に猫を入れられたんだろう」「可哀想な子だ。幸せな生活を送れるといいね」「なぜ人間はこんなにも残酷なの?」「猫にタトゥーだなんて酷すぎる」と怒りのコメントが寄せられている。

ちなみに昨年5月には、タトゥーシールを貼り付けられたスフィンクスの姿がSNSに投稿され、物議を醸していた。

画像は『New York Post 2023年2月23日付「Tattooed cat with gang ink rescued from Mexican prison」(REUTERS)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

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