全身が真っ白な珍しいカンガルーの群れ 誕生の確率は10万分の1(豪)

1

2023年03月16日 10:11  Techinsight Japan

  • 限定公開( 1 )

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

Techinsight Japan

群れの中には通常の毛色をしたカンガルーもいる(画像は『Panorama Garden Estate 2023年3月5日付Facebook「The mob.」』のスクリーンショット)
今月5日、真っ白な体毛に覆われた複数のカンガルーを捉えた写真がFacebookに投稿され驚きの声が集まった。このカンガルー達は個人が運営する広い自然保護区内に生息しており、野生と同じような環境で生活しているという。最初にアルビノのカンガルーを3頭保護したことから始まり、のちに繁殖して少しずつ数が増えていると、米メディア『New York Post』などが伝えている。

【この記事の他の写真を見る】

話題のカンガルー達は、豪ビクトリア州南部モーニントン半島ボネオにある「Panorama Wildlife Sanctuary and Secret Gardens」で撮影された。個人で自然保護区を運営しているアンマリー・ヴァン・ローイさん(Annemaree Van Rooy)は「ここが私の家で、私が暮らしている場所です。私は動物と彼らの福祉に情熱を持っており、保護区の運営を始めました。常に助けを必要としている動物がいないか目を光らせていますよ」と運営を始めた経緯を語った。

動物に対し情熱を持つアンマリーさんは2012年、飼育下で小さな檻に入れられた3頭の白いカンガルーと出会い保護することになった。パートナーのミック・スミスさん(Mick Smith)と共に白いカンガルー達を見守っていると、同保護区にいた通常の毛色をしたオオカンガルー(Eastern grey kangaroo)と白いカンガルーが交尾をし、2020年に初めて白い赤ちゃんカンガルーが誕生した。それから少しずつ数が増え始め、今では群れを成すほど白いカンガルーが同保護区内に生息している。

アンマリーさんは「カンガルー達は55エーカー(東京ドーム約5個分)の敷地内を自由に移動し、野生で生きるのと変わらない生活を送っています。白いカンガルーは野生で生き延びるのが難しく、野生に戻るためのリハビリも上手くいかないのです」と白いカンガルーの厳しい現実を説明した。

アンマリーさんは白いカンガルー達はアルビノであると考えているが、一部の専門家はアルビノによく似た白変種の可能性もあると指摘している。アルビノは遺伝子の欠損が原因でメラニン色素を生成することができず白い個体となり、その影響で目が黒ではなく赤になるのが特徴だ。一方で白変種はメラニン色素を生成することは可能だが、その量が少ないため全体的に白い個体となりやすいが、目は通常の色をしていて黒いのだという。たしかに同自然保護区の白いカンガルーたちの目は黒いように見える。

全米野生生物連盟(National Wildlife Federation)によるとアルビノが発現するのは非常に珍しく、通常は両親が変異した遺伝子を持っている場合にのみ発現するという。哺乳類全体の確率としては、1万回の出産のうち1回の割合でアルビノが発現するとされている。カンガルーの場合は白変種が特に珍しいといい、哺乳類学者のマーク・エルドリッジさん(Mark Eldridge)は白いカンガルー(白変種やアルビノ)は5〜10万頭に1頭の確率になると述べている。

アンマリーさんが撮影した白いカンガルーが写った写真を見た人々からは、「こんなにたくさん白いカンガルーがいるなんて驚きだ」「いつか実際に見てみたいね」「なんて美しいんだ」「群れでいるアルビノのカンガルーは見たことがないよ」など驚きのコメントが多数寄せられた。

なお今回は自然保護区で生活するカンガルーだったが、昨年4月には豪クイーンズランド州にて白変種の野生のカンガルーが草原で目撃され話題を呼んでいた。

画像は『Panorama Garden Estate 2023年3月5日付Facebook「The mob.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

    前日のランキングへ

    ニュース設定