ネパール人男性取り調べ中の死亡を巡る訴訟の判決後、記者会見する遺族側弁護団=17日午後、東京都千代田区 警視庁新宿署で2017年、ネパール人男性=当時(39)=が取り調べ中に急死したのは留置担当者らの過失が原因だとして、男性の妻が東京都などに計約6200万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が17日、東京地裁であった。福田千恵子裁判長は留置担当の警察官の過失を認め、都に約100万円の支払いを命じた。
判決によると、シン・アルジュン・バハドゥールさんは17年3月の逮捕翌日、留置施設で暴れたため、戒具(かいぐ)で約2時間拘束された後、送検された東京地検での取り調べ中に意識を失い死亡した。
福田裁判長は「留置担当者が戒具のベルト手錠を外した際、虚血を生じていたことは外見上明らかで、病院に搬送する注意義務があった」と認定。筋肉細胞が破壊され、戒具の解除によって血中カリウムが致死量に達し心停止したと認め、病院で腎透析を受ければ死亡は回避できたと判断した。