黒柳徹子の伝説的自伝『窓ぎわのトットちゃん』40年の時を経てアニメ映画として初映像化

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2023年03月20日 04:00  ORICON NEWS

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黒柳徹子の伝説的自伝『窓ぎわのトットちゃん』が40年の時を経て初のアニメーション映画化
 NHK専属のテレビ女優第1号として日本のテレビ放送の歴史とともに歩んで70年、今もなおその姿をテレビで見ない日はない黒柳徹子。彼女の幼少期を自伝的につづったベストセラー『窓ぎわのトットちゃん』が40年の時を経て、アニメーションで初めて映画化されることが発表された。今冬の公開を予定している。

【画像】トットちゃんのキャラクターデザイン

 1981年に出版された『窓ぎわのトットちゃん』は、ハードカバー、文庫、新書、絵本がこれまで刊行され、表紙絵および挿絵には一貫していわさきちひろの作品が使われている。日本累計発行部数800万部を突破し、さらに世界各国でも中国語、英語、フランス語、ヘブライ語など20以上の言語で出版され、世界累計発行部数は2500万部を突破。

 日本のみならず、海を越えて多くの国で愛され続けている物語には、これまで数々の映画化オファーが届くも「読者の頭の中にあるイメージを壊したくない」という黒柳の考えもあり、これまで、映画・テレビドラマ・アニメなど全ての分野において映像化が実現することは一度もなかった。

 今から約80年前、第二次世界大戦が終わる少し前の激動の時代を背景に、自身の子ども時代をつづった自伝的物語。何事にも好奇心旺盛でお話好きな小学一年生のトットちゃん(=黒柳)が、落ち着きがないことを理由に通っていた小学校を退学になってしまい、東京の自由が丘に実在した“トモエ学園”に転校することから物語は始まる。

 強烈なトットちゃんの個性と思わず笑ってしまうおちゃめな日常を通して見えてくる、日々のささやかな幸せ。まだ多様な個性が認められていない当時としては珍しい、子どもの自主性を重んじる教育を掲げたトモエ学園のユニークな校風と、恩師となる小林先生の教え。家族や友人との愛情にあふれたエピソード数々など、読み返すたびに、新たな発見がある。

 そんな原作にほれ込み、アニメでの映画化を黒柳本人に直接オファーしたのは、『映画ドラえもん』シリーズで数々の大ヒット作品を世に送り出してきたアニメーション監督の八鍬新之介。偶然にも原作が出版された年に生まれた八鍬監督は、イメージボードを手に何度も黒柳のもとを訪れ、説得を重ねた。その熱意が届き、黒柳は「アニメであれば原作を愛するファンの方々も喜んでくれるかもしれない」と承諾。今回の映画化が実現した。

 制作を手掛けるのは『ドラえもん』『クレヨンしんちゃん』シリーズをはじめとする国民的アニメ作品から、日本アカデミー賞にも輝いた映画『河童のクゥと夏休み』(2007年)や、熱狂的なファンを生み出した『PUI PUIモルカー』(21年)などを手がけるシンエイ動画。トットちゃんをはじめとしたキャラクターデザインは、『ドラえもん』『クレヨンしんちゃん』シリーズでキャラクターデザインや原画を担当した金子志津枝が担当。金子は、水彩画のような優しいタッチながらも、生き生きとした子どもたちを描くことでは右に出る者はいない圧倒的な実力を持つアニメーターだ。

■黒柳徹子(原作)のコメント

 1981年に『窓ぎわのトットちゃん』を書いたあと、ものすごくたくさんの映画監督から映画にしたいと依頼がありました。よく冗談で言っているのですが、あの黒澤明監督以外のほとんど全ての映画監督から、ありがたいことにお手紙をいただいたのを今でも覚えています。ただし、本を読んでくれた皆さんの頭の中にある映像の方が良いものなんじゃないか? と思って全てお断りしてきました。

 そうしたら今度はアニメーションでどうですか?という話で…(笑)。それであれば若い方々がご覧になっても楽しめるかもしれないと思いました。今でも本屋に行って置いてあると聞くと嬉しくなりますし、本を読んだ子どもたちの感想を聞くのが楽しみです。最近は世界情勢がいろいろ変わってきているので、この映画を観た若い世代の皆さんに「面白かった!」と思ってもらえるといいなと思います。

■八鍬新之介(監督・脚本)のコメント

 映画化を企画したのは2016年。シリアでは化学兵器によって子どもたちの命が、国内では相模原の障がい者施設で多くの命が奪われました。そのような暗い出来事に触れる中で、アニメーションを通して社会に貢献できることはないだろうかと考えるようになりました。そんな時に出会ったのが『窓ぎわのトットちゃん』です。そこには「生と死」「戦争と平和」「思いやりと差別」など、相反するテーマが雄弁に語られていました。それも、世界中の誰もが理解することができる瑞々しい子どもの言葉で。この瑞々しさをそのまま映像化して世界中に届けることができたなら、今よりほんの少しだけ社会が明るい方向に進むかもしれません。どうぞお楽しみに。

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