過去作品400点以上を一挙に展示 ヘアデザイナー加茂克也の展覧会内部が公開

0

2023年03月20日 20:41  Fashionsnap.com

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

Fashionsnap.com


表参道ヒルズ「KAMO HEAD ‐加茂克也展 KATSUYA KAMO WORKS 1996‐2020‐」

Image by: FASHIONSNAP
 表参道ヒルズが、ヘアデザイナーの加茂克也の展覧会「KAMO HEAD ‐加茂克也展 KATSUYA KAMO WORKS 1996‐2020‐」を本館地下3階のスペース オーで開催する。期間は3月21日から4月2日までで、入場料は無料。開催に先駆けて、メディア向けに内部が初公開された。

 加茂克也は、1965年福岡県生まれ。1990年代から国内外のファッション雑誌を中心に、広告やショーなどで幅広く活動し、2003年に毎日ファッション大賞のグランプリを受賞。2005年以降は海外に拠点を移し、「フェンディ(FENDI)」や「シャネル(CHANEL)」「ジュンヤ ワタナベ(JUNYA WATANABE)」「アンリアレイジ(ANREALAGE)」のショーや、「ケンゾー(KENZO)」「マメ クロゴウチ(Mame Kurogouchi)」のヴィジュアルなどを手掛けた。2015年に個人事務所「KAMO HEAD」を立ち上げ、独立。2020年2月に54歳で死去した。

 同展は、2019年春に加茂の作品集「KAMO HEAD」の発売に伴い開催予定だったが、開催直前に加茂の病気が発覚。治療に専念するため中止となっていた。それから4年の時を経て、加茂が生前に発案し構想していた内容をもとに、開催に至ったという。
 会場は、加茂のものづくりにおけるコンセプトであった「カオス」をテーマにデザイン。「整頓されたものではなく、破壊的なものが強さを生み出す」という意味を込め、加茂の頭の中をイメージし、迷路のように入り組んだ空間デザインに仕上げた。

 展示は、国内外のコレクションで使用されたヘッドピースと、加茂のパーソナルワークである箱型のアートピース、アトリエを再現したスペース、物販の4つのカテゴリーに分類。
 ヘッドピースは、「アンダーカバー(UNDERCOVER)」や「ジュンヤ ワタナベ(JUNYA WATANABE)」「キコ コスタディノフ(KIKO KOSTADINOV)」といったさまざまなブランドのショーで使用された262点を実際のショーの映像とともに展示。また、細田守監督による映画「竜とそばかすの姫」に登場した「アンリアレイジ(ANREALAGE)」のアクリルのヘッドピースと衣装も公開している。


 プライベートワークである箱型のアートピースの数々は、加茂が娘とともに制作していたもの。加茂自身が採集した虫や卵などによる222点の作品を展示している。

 加茂のアトリエを再現したスペースには、実際に使用されていた机やソファ、小物を配置。アトリエには過去作品をまとめたポラロイドブックも用意し、来場者は自由に鑑賞することができる。壁に貼られたポラロイド写真は、実際の並びを可能な限り再現しレイヤードしたという。

 物販コーナーでは、作品集「KAMO HEAD」と「100 HEADPIECES」の販売に加え、2019年3月に加茂が出演したNHK番組「デザインあ」を放映。また、加茂と親交のあった著名人として、モデルで女優の小松菜奈や、アンダーカバーのデザイナーの高橋盾などのコメントを展示している。

 同展の企画・制作を手掛けた金子繁孝事務所の担当者は、同展の魅力について「加茂さんは、ファッションやヘアメイクの概念に囚われない奇抜なアイデアで、設計図を描かずにものづくりを行っていました。だからこそ生まれる、立体的な美しい作品や、鳥の羽を使った作品、モデルの顔を完全に覆った作品、建築を思わせるような作品など、斬新な作品の数々を一挙に鑑賞することで、加茂さんの感性を感じてほしい」と説明した。

■KAMO HEAD ‐加茂克也展 KATSUYA KAMO WORKS 1996‐2020‐期間:2023年3月21日(火)〜4月2日(日)※会期中無休会場:表参道ヒルズ 地下3階 スペース オー所在地:東京都渋谷区神宮前4-12-10営業時間:11:00〜21:00(※3月26日(日)、4月2日(日)は20時まで/入場は閉場30分前まで)入場:無料
    ニュース設定