4年前よりも快適で安全! 新PCへのリプレースは「ぜいたく」ではなく現実的!――Intelが「vPro対応第13世代Coreプロセッサ」をアピールする理由

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2023年03月24日 01:11  ITmedia PC USER

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Intel vProプラットフォーム対応の第13世代Coreプロセッサのロゴマークは、第12世代Coreプロセッサと同じである

 Intelは3月23日(米国太平洋時間)、企業向けの管理/セキュリティ機能「Intel vProプラットフォーム」に対応する第13世代Coreプロセッサ(開発コード名:Raptor Lake)のラインアップを改めて発表した。製品自体は既に発表済みなので、詳細は過去の記事を確認してほしい。



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 第13世代CoreプロセッサにおけるvProプラットフォームは、どのような特徴を持っているのか――Intelが開催した説明会の模様をお伝えする。



 なお、特記のない限り、この記事で取り上げるvProは「Intel vPro Enterprise」(フル機能のvPro)のことを指す。



●箱から出した瞬間から最強のセキュリティ



 vPro対応の第13世代Coreプロセッサには、ハードウェアベースのセキュリティ機能を幾つも備えている。



 例えば「Intel Threat Detection Technology(TDT)」を使うと、仮想マシン(VM)やメモリに潜んでいる脅威(ランサムウェアやクリプトジャッキングなど)をハードウェアベースで検出できる。主要なエンドポイントセキュリティソリューション(EDR)との協調動作も可能なので、OSの稼働中はもちろん、電源を入れる前からしっかりと“守られている”という格好である。



 また「CPUの仮想化」もセキュリティ機能の1つといえる。Windowsにおいて「仮想化ベースのセキュリティ(VBS)」を有効にしておけば、悪意のあるアプリ(マルウェアなど)がOS自体に攻撃を仕掛けるリスクを軽減できる。



 Intelによると、vPro対応第13世代Coreプロセッサは、4年前のPCと比べてアタックサーフェスを最大70%削減できるという。また、主要なセキュリティ侵害事案は約26%、重大なセキュリティイベントは約21%削減可能で、その結果、セキュリティチームの効率は約17%改善するという。



 箱から取り出した瞬間からビジネスにとって最も包括的なセキュリティを実現できると、Intelは強調する。



●新PCへのリプレースは「ぜいたく」ではない!



 vPro対応の第13世代Coreプロセッサは、全モデルが「パフォーマンスコア(Pコア)」と「高効率コア(Eコア)」のハイブリッド構造を取っている。特にバックグラウンド処理のパフォーマンス改善におけるEコアの貢献は大きい。



 ……のだが、一般的な企業にとって、PCのリプレース(置き換え)間隔はおおむね3〜5年程度とされている。「いくら快適だからといって、そうそう簡単に置き換えられないよ」という声が聞こえてきそうである。



 しかしIntelは「PCを買い換えることはもはやぜいたくではない。賢い選択だ」として、3年前のPC、つまり第10世代Coreプロセッサを搭載するPCからのリプレースを推奨している。



 その理由として、先述のセキュリティ面での進歩はもちろん、ハイブリッドコアがもたらす処理パフォーマンスの向上も挙げている。加えて、主にノートPCにおける先進機能(Wi-Fi 6E、Thunderbolt 4など)も利用できるようになる。「たかが3年、されど3年」ということなのだろう。



 vPro対応の第13世代Coreプロセッサは「Intel Stable IT Platform Program(SIPP)」の対象となっている。SIPPは約20年の歴史を持つプログラムで、PCメーカーやOSベンダー(Microsoft)の協力の下、広範なハードウェア/ソフトウェアの検証を経て認定を行う仕組みである。



 「リプレースは検証や展開も大変」という声もありそうだが、SIPP認定を受けているということは一定の信頼性と互換性は確保されているということになる。検証や展開にかかるコストをある程度削減できることもメリットといえる。



●AMDやAppleよりも快適で選択肢も多い!



 PCのリプレースを考える際に、コストパフォーマンスの面で優れているとされるAMDのCPU/APU「Ryzen PROシリーズ」を搭載するPCを検討する企業もあるだろう。クリエイターの多い職場であれば、Apple Silicon搭載のMacという選択肢もある。そうでなくとも、これから値段がこなれてくると思われる、vPro対応の第12世代Coreプロセッサ(開発コード名:Alder Lake)を搭載するPCが選ばれることも十分にあり得る。



 そのことを念頭に置いてか、Intelはこれらと第13世代Coreプロセッサとの比較も行っている。



 まず第12世代Coreプロセッサとの比較だが、同社がよく言及する「現実世界におけるパフォーマンス」において最大1割程度のパフォーマンス向上が見込めるという。これはPコアの最大クロックの向上やEコアの追加(デスクトップ向けのみ)による部分が大きい。1世代(≒約1年)の差でも、これだけのパフォーマンス向上を図れるというアピールである。同じ比較を第10世代Coreプロセッサと行うと、最大で1.5〜2.3倍の差となる。



 そしてAMDの最新CPU/APUを搭載するPCやApple M2チップ搭載のMacと比べても、現実世界におけるパフォーマンスはより高いという。



 vPro対応の第13世代Coreプロセッサを搭載するPCは、2023年内に170モデル超が登場する予定である。Intelは、このラインアップの豊富さも、競合に対する強みとしてアピールしている。


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