ハーバード卒・廣津留すみれ流“緊張”のほぐし方 シミュレーションで気持ちに余裕

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2023年03月24日 08:00  AERA dot.

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学校や仕事、生活での悩みや疑問。廣津留さんならどう考える?(撮影/吉松伸太郎)
小中高と大分の公立校で学び、米・ハーバード大学、ジュリアード音楽院を卒業・修了したバイオリニストの廣津留すみれさん(29)。その活動は音楽だけにとどまらず、大学の教壇に立ったり、情報番組のコメンテーターを務めたりと、幅広い。「才女」のひと言では片付けられない廣津留さんに、人間関係から教育やキャリアのことまで、さまざまな悩みや疑問を投げかけていくAERA dot.連載。今回は、20代のフルート演奏者の学生から寄せられたお悩み「人前で緊張したときの対処法」について、持論を展開してくれた。


【写真】名門ジュリアード時代の廣津留すみれさん* * *


Q. 幼い頃からフルートを習っています。演奏会などの人前で緊張した時、廣津留さんはどうやって緊張をほぐしていますか? おすすめの対処法があれば教えてください。


A. 私も演奏前の待ち時間が長いと緊張してきますね。「本番が来る」と考えるだけでも頭の中がいっぱいになってしまうので、そういうときはあまり本番を意識しすぎないように物理的によく動いています。手をめちゃくちゃに振ったり、とにかく動き回ったり(笑)。


 あとは誰かと話すのもいいと思うな。共演者と話して笑い合えたらちょっと気もラクになるし、緊張感で息が詰まるような感じから解放されると思います。特にアウェイな場だとすごく緊張してしまうから、本番前の舞台袖でステージマネージャーさんらスタッフの方々と出身地の話などちょっとした雑談をするのもいいですよ。一緒に公演や番組などを作る人たちを信頼できるなと思うと、だいぶ心持ちが変わります。


 あとは、準備をしっかりして不安を解消することも大事です。私は中学生のころ、コンクール前によくシミュレーションをしていました。例えば、コンクールが1週間後の朝10時に本番を迎えるとしたら、朝起きて顔も洗わないうちに、要はウォームアップもできていない状態で本番まで毎日同じ時間帯に本番の曲を弾いてみる。寝ぼけているような状態でも弾けるようになれば、たとえ実際には完璧に弾けていなくても、「大丈夫だ」と自信がついて、気持ちに余裕ができるんですよね。



 そんなに準備期間がないという場合は、舞台袖からステージに出て、いい演奏をして拍手喝采をもらってステージ裏に帰るところまでを頭の中で3回ぐらいシミュレーションしてみるのもおすすめです。そうすると、「あ、これ頭の中でやったことある」となって安心できるはず。仕事のプレゼンなどでも、いったん最初から最後まで頭の中で通してやってみるとだいぶ落ち着くんじゃないかなと思います。


Q.  廣津留さんでも緊張して失敗、なんてことはあるのでしょうか? 失敗してしまったときは、どうやって乗り越えていますか?


A. 大学院時代にカルテットで、とても繊細な曲を初めて人前で演奏する際、ものすごく緊張してボロボロになってしまったことがありました。ジュリアードの同級生や先生方の目の前で演奏するのは、「ジャッジされている」と意識しすぎて緊張してしまったんですね。ソロならまだしも、カルテットだと自分一人のことではないので責任重大。そういう状況も相まって余計に緊張しちゃったという……。結果がボロボロだったのは自分自身のダメージもかなり大きかったです。


 そのときはもう、同じ曲で再チャレンジして、失敗経験を塗り替えるしかないと思いました。実際に2回目に同じ曲を演奏する機会があって、そこではうまく演奏することができ、他のメンバーに「今回はよかった」と言ってもらえてだいぶ気持ちが復活しました。1回失敗しているだけに、「前回とても緊張して失敗してしまった。今回も緊張しちゃったらごめん」って、メンバーたちにひと言伝えておいたのもよかったかもしれない。彼らも「そういうことあるよね」とフォローしてくれたのがすごく心強かったです。頑張って緊張していないフリをするよりも、緊張していることをオープンにすることで自分の気持ちもやわらかくなった気がします。「そんなの言い訳じゃん」と思う人もいるかもしれないけど、緊張して失敗してしまうよりはよほどいい。正直に緊張していることを周りに言ってしまうのも対策としてはアリですよ!


構成/岩本恵美 衣装協力/BEAMS



AERA dot.では、ハーバード大学とジュリアード音楽院を卒業・修了した廣津留すみれさんのライフヒストリーを紹介する連載「廣津留すみれのアタマの中」を掲載。2023年からは「Season 2」として、バイオリニストでありながら、情報番組のコメンテーターや大学の教員など多方面で活躍する廣津留さんが、勉強やキャリア、海外のことなどにまつわるさまざまな悩みや疑問に答えます。


そこで、みなさんからの質問を大募集します! お子さんから学生、大人まで、年齢は問いません。


【こちらから気軽にお寄せください】


例えば……



「歴史と英単語の暗記のコツを教えて」


「これって今の英語ではなんて言うの?」


「ピアノがなかなか上手くなりません。習い事はいつまで続けたほうがいい?」


「日本に遊びに来た若い外国人を、廣津留さんならどこに案内しますか?」


「英語でプレゼンするときに相手に響くポイントは?」


「今、勉強しておくといいジャンルは何だと思いますか?」


「ずばり、日本の教育を変えられるならどこを変える?」





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